- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062755429
作品紹介・あらすじ
別れるしかなかった。ふたたび逢うこともなかった。
言葉にすると、想いはこぼれおちてしまう。
いつまでも心にのこる青春小説。
生きることに無器用なひとなのね、それが私にはいとしかった――葉月さんは亡くなる前、娘の弥生と幼なじみの僕に話してくれた。かつて別れた恋人のことを。弥生はその男の向かいの部屋に住み、彼の講義を聴きに短大に通った。「お父さん」と、一度も告げられずに。卒業式の日、僕は弥生の帰りを待つ――。
その時ねえ。私、初めてあのひとがわかった気がした。何にも言わないから鈍いみたいに見えるけど、本当は逆なんだ。思ったことをなかなか口にしてくれないのは、言葉にするとこぼれてしまうものがたくさんあるってことを、よく知っているからなんだな、ってね。ねえ、弥生。あんたもこの先、誰かを好きになるかもしれない。そういう時に、その恋がほんものかどうか、見分ける方法がひとつあるよ。――<本文より>
感想・レビュー・書評
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5に近い4。
村山さんの作品の中では、今まで読んだ中では最高の1冊だと思います。ほんの短い小説だけど、映画のタイアップとして雑誌の付録として書かれたお話だけど、完成度がとても高い。結構どろどろした題材なのに、読後、なぜか心地よい気分になる、不思議な1冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なんとも言えない雰囲気があります。ちょっと泣けますね!
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薄っぺらい本ゆえ。薄っぺらい内容かと。
映画とのコラボレーションとして生まれた作品だとあとがきで知った。そのあとがきと解説が長い、長すぎる。
あとがきと解説がさらりとしていたら★★だったが、余分な説明により混乱が生じ、作品の良さが半減してしまった。
語りすぎ、評価しすぎも良くないと感じた。 -
村山由佳さん「永遠。」読了。酒屋の息子 徹也と、幼なじみの弥生による回想記。物語は徹也による一人称で進められる。弥生は、三代に渡って水商売をしてきた美人家系で父親は死別し母親とおばあちゃんの三人暮らし。ある時、父親が生きていると聞くのだが。。家族でいること、これまで経験してきたことは「永遠」に残るということが、読み終わって思ったこと。家族の愛情は温かいと感じられた作品。約100ページの短いお話で、読みやすかったです。村山さんによるあとがきで書かれている物語の作成裏話も面白かった。
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再読。
村山さんのだいぶ前の作品。
今より好きかも…
幼なじみのつながり、母娘の、父母の、そして会ったことのない父娘の。
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読み終えた後、真山悟からの視点からも描いてあったらと思ったのですがあとがきを読んでこの小説が映画のサイドストーリーだと知りました。映画も見てみたいと思います。
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最後にポストに投函した。
共に一生を遂げたいと本心では思っていたとしても、そんなことがあったら隠してでも幸せを願うかもな。
最後まで名乗らなかったのは、勇気が出なかったとかではないのだろうな。 -
切なくて優しいお話です
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読書の休憩として選んだ作品。(読書中の休憩に別の読書するよね?)
薄いから選んだが、続編だかコラボ作だか、前提知識がないとわからない世界だったみたい。