新装版 天璋院篤姫(上) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (417ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062756846

作品紹介・あらすじ

十八歳で藩主斉彬の養女となった篤姫は薩摩島津家分家に生まれた学問好きな姫であった。その才覚、器量を見込んだ斉彬は画策の末、篤姫を十三代将軍家定の正室として江戸城に送り込んだ。形ばかりの結婚に耐え、病弱な夫を支え将軍御台所として大奥三千人を見事に統べる篤姫には、養父斉彬の密命が…。2008年大河ドラマ原作。

感想・レビュー・書評

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  • 著者、宮尾登美子さんの作品、ブクログ登録は2冊目になります。

    宮尾登美子さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。

    宮尾 登美子(みやお とみこ、1926年4月13日 - 2014年12月30日)は、日本の小説家。高知県高知市生まれ。高坂高等女学校卒業。『櫂』で注目されて以来、緻密な構成と、時代に翻弄されながらも逞しく生きる女性を描いた作風で多くの読者に支持された。高知の花柳界で育った体験を生かした自伝的作品のほか、芸道物、歴史物のモデル小説に優れる。文化功労者。

    88歳にて亡くなられています。

    先頃、わが母校の理事長に、林真理子さんが就任されました。
    その林真理子さんですが、産経新聞の過去記事によると、
    宮尾登美子の熱烈なファンだとか。
    その縁で、今回、宮尾登美子さんの作品を手にしました。

    で、本作の内容は、次のとおり。(コピペです)

    十八歳で藩主斉彬の養女となった篤姫は薩摩島津家分家に生まれた学問好きな姫であった。その才覚、器量を見込んだ斉彬は画策の末、篤姫を十三代将軍家定の正室として江戸城に送り込んだ。形ばかりの結婚に耐え、病弱な夫を支え将軍御台所として大奥三千人を見事に統べる篤姫には、養父斉彬の密命が…。2008年大河ドラマ原作。


    なかなか、面白いですね。
    興味深かったのは、13代将軍・家定。
    多分、将軍になりたくもなかったのに将軍になってしまったのでしょう。
    凡庸な人物だったようで、将軍の器ではなくとも、止めることもできない。
    最期は、暗殺説もあるようで、若くして亡くなってしまう。
    何とも、気の毒な人生に思えます。

  • 大好きな本の一つ。
    当時の女の立場の弱さを痛感するとともに、強さと誇りを大いに感じることもできる。
    上巻では篤姫よりお幸の方や幾島、滝山らが凛々しく頼もしい。
    特に菊本 自害の一幕では、その誇り高さに涙が出た。
    「ありようは、生害(しょうがい)の罪によって菊本如き人間の名は篤姫の侍女のなかから将来にわたって消し去られようと推測し、それを望んだため。
    果たして当主は大層ご立腹になり、菊本の名を家臣の籍から除かれ、亡骸は裏の不浄門から身内の者に下げわたした。
    菊本はそういうことを全て見越した上で、篤姫の前から身を隠したかったのだと思われる。…」
    こんな守り方は、女にしかできまい。
    昔の慣習や結婚観などに触れるたびに思うのは、現代社会の暮らしやすさ、快適さはこの上ないということ。
    先人には、感謝してもしきれない。

  • 薩摩藩主・島津斉彬は、養女として迎え入れた才女・篤姫を第十三代将軍・徳川家定の正室として江戸城に送り込んだ。病弱な家定を支え、次期将軍に一橋慶喜を推す養父斉彬の密命に苦悶する篤姫。将軍御台所として大奥の三千人を束ねながら、孤独と焦燥の日々が描かれた、宮尾登美子さん渾身の長編歴史小説。

  • 面白かった
    激動の幕末を生き抜いた十三代将軍家定の妻篤姫の生涯を描いた作品

    上巻では

    薩摩・の島津家の分家・今和泉家に武士の娘として生まれた篤姫は、18歳で島津家当主・斉彬の養女となり、一橋家慶喜を次期将軍にとの密命を受けて将軍家定に嫁ぎます。
    しかし、家定は心身ともにとても病弱。
    夫婦としての生活もままならない状況で、大奥の特殊な生活を送っていきます。
    大奥三千人の女たちとの確執。
    大奥のしきたり。
    そんな中、慶喜との面会では、慶喜のあまりの態度にショックを受け、次期将軍に押すべきなのか?
    結局、継嗣争いでは、破れてしまうことに。

    しかし、下巻では、そんな慶喜との確執が..

    徳川家に嫁いだ篤姫の想い、覚悟がひしひしと伝わってきます。

    そして、下巻に続く

  • よしながふみの大奥を読んで、篤姫の生涯が気になったのがきっかけ。
    和宮に対する言いようもない嫉妬や虚脱感がリアル〜〜〜〜胸が苦しくなる。武家と公家、根本的な考え方が違うんだから相容れないよねえ。しかし25歳で姑になるとは……

  • なかなか幾島、家定との関係性が面白い。
    多分映像で見たはずだけど、あれは役者の見栄えもあるだろうから幾島のコブに関しては無かったものとして役者がやってたような気がしたけど、これは結構物語に重要な要素だと思った。

  • 大河ドラマがかなりアレンジされていたのがよく分かりました。
    わりとひらがなが多かったので読みやすかったです。
    早速続きも読みます!

  • 上巻読了。

    薩摩・島津家の分家・今和泉家に生まれた篤姫が、島津家当主・斉彬の養女となり、様々な画策を経て将軍・家定に嫁ぎ、激動の人生を歩む様を描いた大作。
    大奥という、特殊な組織に身を置くだけでも大変なのに、更に島津家からの密命もあり、本当にストレスフルな状況な中、心身が脆弱な夫・家定を思いやる篤姫の心の広さに感じ入りました。
    時は幕末、不安定な時勢で今後の篤姫の運命を心配しつつ、下巻へ。

    • トミーさん
      江戸城無血革命の立役者ですね。
      篤姫のおかげで歴史が治ったと聞いてます。
      読みたいと思いながらー
      ありがとうございます。
      江戸城無血革命の立役者ですね。
      篤姫のおかげで歴史が治ったと聞いてます。
      読みたいと思いながらー
      ありがとうございます。
      2020/04/27
    • あやごぜさん
      トミーさん。コメントありがとうございます。
      >江戸城無血革命の立役者←確かに!
      篤姫さんは元々島津家の人なのに、薩摩が討幕派の筆頭になっ...
      トミーさん。コメントありがとうございます。
      >江戸城無血革命の立役者←確かに!
      篤姫さんは元々島津家の人なのに、薩摩が討幕派の筆頭になってからも徳川サイドの人で在り続けた覚悟も流石です。幕末モノを大奥の視点から描いているのも面白いので是非!
      2020/04/28
  • 大河ドラマは見ないので、真っ白な状態で読みました。
    強い女性の話が読みたくて選んだんですが
    読み進む内に気づいたんですが、賢く優しい
    女性の話でしたね

    どの人物も実によく作りこまれていて、特に母のお幸や
    幾島が素敵です

    家定との独特の関係に揺らぐ篤姫の無意識のうちの
    度量の大きさゆえの優しさに感服。
    我が身をふりかえり反省しきり…
    篤姫のような人は本人は無言で何もしなくても
    気づいたら中心にいたりする人物なんですよね
    いつも可憐な宮崎あおいちゃんとイメージが正反対…。

    あまり時代小説は読まず歴史エッセイばかり
    読んできたので、人名でちょっと苦労しましたが
    時代小説も面白いなあと気づかせてくれました

    即下巻へGO!

  • これが宮尾先生の初歴史作品だったんですね。
    ちょうど大河で『篤姫』の再放送をしているので、読み直しました。
    篤姫の心の動きがわかって、せつなかったです。

  • 篤姫の出世から家定への三番目の御台所へ上がる経緯を上巻では描かれている。
    篤姫のこころの動きを丁寧に描写し、島津今和泉家時代の奔放な女の子から、徐々に階段を上がるように境遇も思考も変わってくる様は、読者の興味を誘う。上巻の前半は少し退屈するが、後半から下巻まで一気に読み進みたくなる。

  • 2022/6/4 読み終わった

    大河ドラマはあんまり見ないけど毎回主題曲だけよく聴いていて、中でも篤姫のOPテーマは好きだった。このたび機会が有ったので読んだ。

    大変面白かった。間違いなく暫定で今年一番の読書体験だった。
    歴史的にみれば倒幕側の生まれでありながら、徳川幕府の最期にその中枢にいてその終焉を目の当たりにしつつも、次の世代へと遺志を継ぐ。そんな篤姫の運命や生き方に、背筋をピンとしたり、涙をぐっとこらえたり…。
    それと同時に、何もかも篤姫の思い通りにいかない幕内政治や世の趨勢を見て、世の中きれいごとだけでは動かないものだとも思った。女性だからなのか、それとも篤姫が高潔でありすぎたのか。

    また、明治維新を倒幕側からしか今まで見たことが無かったので、幕府側の最期ってこんな感じだったんだという発見もあった。戊辰戦争で江戸に攻めてくる倒幕軍を待ち受ける江戸城内の戦々恐々とした状態や、その中で屋台骨として皆の支えになり続けた篤姫の強さを考えるとグッとくる。こちらも、今は江戸城無血開城とその後の徳川宗家のことも知っているけれども、当時の江戸城内はそんなこと知らないもんね。

    巻末、歴史家の網淵謙錠さんと著者の宮尾さんの対談あり。こちらも、本作以前の篤姫観(和宮をいじめた姑、というイメージがあったそうだ)とそれに対して宮尾さんが違和感を覚えられていたということを聞き、なるほどねと。
    2008年大河のイメージしかない自分としては、背景を知れたこともいい読書体験だった。

    一人の女性の一生を描いた話として、山崎豊子さんの「花のれん」と同じくらい没入した。また読みたい。

  • 幕末の時代に翻弄された女性のイメージで読み始めたが、大河ドラマの配役もなんとなくイメージしつつ、楽しく読み進められた。上巻は、本家の養女になり、13代将軍御台所までの お話だが、自分の運命に逆らわず、その時の置かれた立場で力を発揮する。私はそういう生き方を尊敬する。

  •  林真理子「正妻」からのリンクで本棚に入れる。
     倒幕から明治維新、激動の時代を生きた13代将軍家定の妻篤姫。薩摩藩今和泉家に武士の娘として生まれ、18歳で藩主島津斉彬の養女となり、一橋家慶喜を次期将軍にとの密命を受けて江戸城に送り込まれる。公家にせよ武家にせよ、上流社会の結婚はほぼ政略婚。恋愛感情など感じるまもなく結婚させられ、婚家に入るともはや実父母に会うこともままならない。ましてや将軍の正室ともなると自分の時間などありもしない。トイレに行くとき寝るときにまで見張り番がついているそうな。男子禁制の大奥は女性ばかり3000人の大所帯。贅沢三昧の日々とはいえ、自分勝手にできる時間などかけらもない。部屋の端に寄って庭を眺めるとこともとがめられたとある。ほんと武士って上下関係やしきたりがめんどくさそう。
     体とおつむが弱いという家定は「おわたり」も少なかったが、寝床を共にしても男女の行為に至ることは決してない。(そんな時にも控えの間にはおつきの者が…)そんな薄~い関係でも夫婦の絆はお互いに感じていたはず。同じ敷地内に居ながらにして病気の夫を見舞うことも、死に目に会わせてもらうこともできなかったのはさぞ無念なことだったかと思う。
     そしてこの小説の見どころ(読みどころ)は十四代将軍家茂の正室和宮との確執。自分の実母を京都から江戸に連れてきて大奥内に住まわせているその甘ったれぶりと、何かにつけ公家流京都方式で生活しようとする和宮にきりきりする篤姫は大奥関連小説の大スターだ。
     しかし、崩れかかっている徳川家をなんとかして守りたいという意気込みは男子以上だ。さすが武士の娘、根性が違う。天下を取った新政府の薩摩藩から戻ってこないかという誘いにも乗らず、お金に困ってるはずなのに島津家からの年三万両の申し出も断り、徳川をつぶした人たちの情けは受けないというまさに武士の中の武士。江戸城明け渡しと同時にさっさと京都へ戻った和宮とは根本が違う。
     身も心も徳川に忠誠を尽くす篤姫にとって、部下を捨てて逃げてきた慶喜のことは相容れられないのでしょう。幕府を崩壊させたのは慶喜のせいだと思っているし、家茂は慶喜に暗殺されたと信じて疑わない。徳川宗家の人間は決して慶喜の一族と婚姻関係を結んではならぬとの遺言を残し、48歳でこの世を去る。
     篤姫が亡くなった翌明治17年、家族令が定められ、日本の華族に公侯伯子男の称号が贈られた。徳川宗家は筆頭の公爵、三家(水戸、尾張、紀伊)三卿(田安、清水、一橋)もそれぞれ侯、伯を受け、慶喜の四男は男爵となった。…そして話は「元華族たちの戦後史」(戦後の華族没落史)へと流れていく。
     

  • はなから世継を持てないと分かっていながら家定の正室を命ぜられたのは明らかに陰謀。女としての悦びを考える間もなく大奥の統括を任され、水戸と紀州の確執に翻弄され、ハリスからは矢のような通商要求。
    かつて多くの女帝がいた。北条政子という将軍に代わって実権を握った女もいた。しかし篤姫ほど日本という国家の命運と哀しみを背負った女性はいただろうか?その思いを自分が知ってる幕末史に重ね合せると、下巻を読む前から涙が止まらない。

  •  薦められて一気に読破。手元に置いておきたくて購入。
     歴史、それも江戸末期がこれほど面白いとは!とかく、男の視点で語られる歴史を、女の視点から見ると、こんなにも面白いのか!
     宮尾登美子さんの筆の力も大きいのでしょう。読み応えがありました。
     私の歴史スイッチを軽々とONにした作品です。

  • 昔読んだ本を読み返した。前ほどの感動はなかった。

  • 関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40074915

  •  幕末頃が好きなので読んでみた。上巻では篤姫ご幼少頃から、将軍家定後嗣問題あたりまでを扱う。幕末好きと言う自分の観念と対話をする時間がとても気持ちよかった。幕末はくめどもくめども尽きない魅力があると思っている。いろいろ専門の方は僕みたいな意見を持たれてることだろう。家定が将軍なのにお菓子を作っていたなどマニアックな史実も知れて知的好奇心も満たせる。なお、本書の語彙レベルは比較的高めで、もっていた広辞苑を導入するほどだった。下巻に続く。

  • この春(2023年4月)からNHK BSプレミアムで2008年に放送された大河ドラマ「篤姫」が再放送されると云うことで読む。この時代、最近では「青天を衝け」で見たけど、描く視点が変われば当然ストーリーは変わるのね。その「青天を衝け」では萌音ちゃんだった篤姫。知ってたけど、あさの姉ちゃんがどう演じるのか楽しみ

  • 下巻にて

  • ※2010.8.20売却済み

  • 今更ながら。もうずいぶん前から自室には積読かれていたんだけど。篤姫が鹿児島出身ということをガイドブックで知り、慌てて手にしたもの。最近、歴史小説がどうも自分の波長と合わなくて、本作も、ただ時系列で語られているだけという印象が拭えない。気が付いたらページだけ進んでた、みたいなこともしばしば。

  • 歴史小説は初だけど、面白いと思った。

  • 最近大奥の19巻を読み、大河ドラマ青天を衝けを見てると、その時代にぴったりの篤姫の活躍が、この本で全部つながってくるようで面白いです

  • 前半は読むのがしんどくて諦めかけたけど段々面白くなり読めました。下巻が楽しみです。

  • 大河ドラマ「西郷どん」に登場したのを見てどんな人か興味を持ったので読んでみた。
    これ以上読むとドラマの進行を追い越してしまうので、とりあえず上巻でやめておこう。

  • 2008年NHK大河ドラマ。

    大河ドラマと原作の差異について(大河ドラマの創作)
    原作では、小松帯刀は出てこない。

    原作では、滝山はおばあさんである。幾島は顔面にこぶがある。幾島=松坂慶子は、年齢相応だが、滝山=稲森いずみは、明らかに年齢不相応である。

    原作では、唐橋の出番が多いのだが、テレビでは出番が少ない。茶目っ気のある役に演出されている。

  • 綿密な資料駆使ですばらしい。

  • 感想は、下巻で。

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著者プロフィール

1926年高知県生まれ。『櫂』で太宰治賞、『寒椿』で女流文学賞、『一絃の琴』で直木賞、『序の舞』で吉川英治文学賞受賞。おもな著作に『陽暉楼』『錦』など。2014年没。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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