愛の幻滅(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062760133

感想・レビュー・書評

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  • 【本の内容】
    <上>
    眉子、28歳。

    妻子ある男・東野と恋の真っ最中。

    勤務先で同僚の稔からアプローチされるけれど、そんなのはまったく目に入らない。

    「夫婦やない男女の仲ほど、面白いもんはない」と東野は言う。

    わからない。

    夫婦というものになったことがありませんから!と拗ねつつも、大人の恋にはまっていく。

    傑作恋愛長篇。

    <下>
    ミイちゃんこと、稔にプロポーズされた。

    しかし眉子は妻子ある東野を「待つ女」から脱しきれない。

    そんな中、眉子は東野と初めて“長期旅行”に出かける。

    「いいときにしか会わない」なんていびつな関係が変わることを望んで…。

    ドライで素敵な「笑い恋」は夢にすぎないのか?

    恋の本質を、鋭く優しく描く。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    人の上に立つからには、人を使っていくからには、精神がケチな人ではいけないと思います。

    この『愛の幻滅』にでてくる東野さんという男、至極魅力的な男で、主人公の眉子によると、〈ゆきずりの人間なのに、惜しげもなく、おべんちゃらをいって、相手をいい気持ちにさせてくれるって、気前のいい人だと私は思わずにいられなかった。あんな人こそ、精神的な、お金持ちというのだ!〉

    話した後、「思い出し笑いをさせてくれる人」、「なんとなくふんわりした気持ちにさせてくれる人」って素敵。こんな人と働くことができたら、従業員のモチベーションも勤労態度もきっと向上するのではないだろうか。

    「相手を、いい気持ちにさせるのは業腹だ」とばかりしかめっつらしないで、心に余裕をもつことが、人に分け与えても減らない心を持つことが大事なんだな、と自分(社長じゃないけど)にもいい聞かせています。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 妻子ある男性と28歳OLとの恋愛ストーリー。
    最初のうちは、二人の他愛ないやりとりも面白く読めるのですが、徐々に飽きてきました(^_^;)

    彼女が男性から教わったこと。
    「大好きな人間といるときは、おべんちゃらやお愛想を、惜しげなくふんだんに浴びせあって、よけい楽しくすること」
    う~ん。。ある意味正しいと思うけど、不倫の関係にこそ当てはまるのでは、という気もする。。
    でも、どんな関係でも、どれだけ慣れ親しんだとしても、お互いのいいところを言葉にして褒めあえる関係は大事、な気がする。

著者プロフィール

1928年3月27日生まれ、大阪府大阪市出身。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業。1957年、雑誌の懸賞に佳作入選した『花狩』で、デビュー。64年『感傷旅行』で「芥川賞」を受賞。以後、『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』『ひねくれ一茶』『道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代』『新源氏物語』等が受賞作となる。95年「紫綬褒章」、2000年「文化功労者」、08年「文化勲章」を受章する。19年、総胆管結石による胆管炎のため死去。91歳没。

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