箪笥のなか (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062761529

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに読み直したけどやっぱり好き~
    長野さんの妖怪系好き
    そもそも昔から境界があいまいなお話が多いから、手慣れてる感がすごい
    これは箪笥がいろんなものを連れて来る話
    正答は書かれていないから自分で想像してください

  • 子供の頃よく想像した、ドアの向こうにある異次元の世界を髣髴とさせる。
    この書ではドアではなく箪笥なわけだが、異次元の世界へこちらから赴くのではなく、向こうの住人がやってくるのである。

    ワクワクしながら読み進めることのできる1冊。

  • 見える人の弟と、たんたんと家族をやっているお姉さん。
    多少の不可思議なことには動じない。
    弟のお嫁さんも動じない。

    不思議な風景が、"住む場所を選ぶ箪笥"を中心に語られていく。

    短編集だけれど、一編読んでは余韻にひたり、短編の数だけ日数が過ごせる本。

  • 娘が大好きな長野まゆみさん、貸してもらいました。
    箪笥を巡る少し不思議なお話沢山。
    箪笥を譲り受けた姉と、怪奇と縁のある弟くん。
    箪笥と弟くんが物の怪や怪異を呼び寄せ、ちょっとした不思議なことが起こります。
    が、恐怖ではなく、あとから ああやっぱり人では無いものが呼び寄せられたんだなと分かる程度のもの。
    ぐんぐん先が気になると言うより、不思議な空間にずっとたゆたっていたい気分です。

  • 不思議なものたちが引き寄せられてくる古い箪笥を譲り受けたことから始まる連作短編集。‬

    ‪ぽつりぽつりと呟く日記を読んでいるようで心地よいリズムだった。‬
    ‪この世のものでない存在も面白かったけれど、昔からのものを大事にする穏やかさや、新しいものや分からないことを否定しない人間性がよかった。さまざまなものと共存していると気づかされる。こういうしなやかさを私も持ちたい。

  • 単行本の方を読んだのは2007/10/25になってたけど全然内容を覚えてなかった。箪笥を通して不思議ななにかが起きる、和風な話だったような…くらいの印象。
    読み直したらめっちゃ面白かったやんか。非日常のはずのものがスーンと入ってきてて、なんのことなく日常に受け入れられている平和な雰囲気がいい。あと食べ物がおいしそう。最初のラーメンと鳩のクリームパンが特においしそうだった。
    解説読んだら、文字遣いが単行本とだいぶ違うらしいんやけど、今のわたしにはこっちの方がいいな…もう若くないからなわたし…

  • 可もなく不可もなく。押し付けがない、淡々とした文体は好きです。姉弟のキャラも。

  • 梨木さんの「家守綺譚」を思い出した。うつつと夢とを行き来しながらもそれを当たり前のように受け容れていく様がとても好き。

  • 少年が主人公の甘くてステキな言葉が詰まった作品と違い
    不思議で懐かしくて優しい物語。しかも語り手は女。
    不思議なものを見たり聞いたりするのは弟である。
    そんな弟を、すんなり受け入れる家族がステキだ。
    梨木さんの家守奇譚を連想しました。
    人から人へ渡り歩いてきた箪笥。
    箪笥に選ばれた者が体験する不思議。
    久しぶりにホッコリしましたぁ

  • 2015 10/30

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著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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