ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062763301

感想・レビュー・書評

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  • 表紙がオシャレだったからつい買ってしまった1冊。内容はとても面白かった。後悔があるとすれば辻村さんの作品は少し繋がりがあることを知らずに、順番を気にせずに読んでしまったこと。これから読む人は順番とか下調べしておくともっと楽しめるかもです!

    この作品はとても読書が楽しかったかと聞かれたら微妙だが、随所に考えさせられるパッセージが散りばめられていて考えさせられる。罪と罰とはなにか、動物の命の重さなど自分の持っている嫌なところと向き合わせられる素敵な作品でした!

    • うたえながさん
      分かります!すごく面白いですよね!検索すると公式の読む順番が出てくるので参考にしてみてください!
      分かります!すごく面白いですよね!検索すると公式の読む順番が出てくるので参考にしてみてください!
      2024/03/20
  • 主人公の小学生の「ぼく」はなんて頭が良くて、なんて優しい子なんだろうか。
    ふみちゃんを思い、犯人の市川雄太と対峙するために、先生のもとで自分の持つチカラについて学んでいく。
    どんな言葉を使うのか?最後までドキドキハラハラしながら読みました。そして先生は何と言ったのか。
    ふみちゃんが覚えてた ふみちゃんが友達だというのがぼくの自慢って とってもイイなあ。言ったり、言われたりしたい言葉です。ぼくのふみちゃんに対する想いは甘酸っぱいような、ピュアなような。素敵だと思いました。
    本書を読むのは3回目だか、やっぱりこの作品は凄い!

  • 命の尊さを問う、お話。私たちは日々の食事で命を頂いている、でも自分のペットを亡くすのを悲しいと思う。情をかけていたのが傷つけられれば怒りを感じる。
    人と動物での刑の重さも違う。また亡くなった動物の命の裏で、その動物を亡くすことによって傷ついた心は?
    その傷ついた人を大事に思ってる人の心は?
    もし、それが当事者ではなく、全くの知らない人だったら自分はどんな感情を抱いてた?

    あなたは酷いと言いますが同じ命ですよね、何が違いますか?と。。
    登場人物の先生が中々そういう大人でも難しい質問を子どもに問う。。命に対して、自分と近親者と他人との、感情の向け方、を考えさせられる。

    先生は市川雄太になんの罰を言ったんだろう。。

    ふみちゃん、ちゃんと覚えてたんだね…!!!
    最後、ふみちゃん少しずつ前に進んで良かった!!!

    • サクさん
      辻村さんの本は僕もすごく好きです。学生時代にも戻りたくなります!
      名前探しの放課後もぜひ読んでください!
      辻村さんの本は僕もすごく好きです。学生時代にも戻りたくなります!
      名前探しの放課後もぜひ読んでください!
      2020/01/19
    • くまさん
      コメント嬉しいです!
      辻村さん、いいですよね!
      名前探しの放課後も読んでみたいなぁと思ってたので読んでみます!
      フォローありがとうございます...
      コメント嬉しいです!
      辻村さん、いいですよね!
      名前探しの放課後も読んでみたいなぁと思ってたので読んでみます!
      フォローありがとうございます。
      2020/01/19
  • こちらも会社の方からお借りした一冊。
    ってか10冊くらい纏めてお借りしたので8月は会社の方からお借りした本を読みまくろう月間となるだろう(笑)



    僕には他の人にはない不思議な能力がある。

    ふみちゃんは僕の幼馴染。
    ふみちゃんはクラスの中心人物で、誰とでも仲がいい。明るくはきはきし、困っている人がいると助けてあげる。
    僕たちは小学四年生になった。小学四年生になるとうさぎの飼育当番をすることが出来る。
    ふみちゃんの喜びようは相当だった。

    僕らのクラスにテレビ局が取材に来ることになった。脚を怪我したうさぎに、車椅子を作ってあげたからだ。
    しかしこれがきっかけになり、陰惨な事件が起こってしまう。。。



    主人公は小学生だが、この本は凄いな。
    哲学的要素が凄い。

    罪と罰とは少し違うかもしれないが、そのくらい重く考えさせられる本ではないだろうか。

    難しい言葉は無いのだが、本の内容に重みを感じた。この本を読書感想文にしたら面白いのではないか?とも感じた。

    少年の覚悟も、エピローグにもぐっとくる。

    読んでいると自分ならどうする?何を言う?どう条件を作る??悩むこと間違いないのではないだろうか?

    物語の進行と同時に、自分も一緒になって考えさせられるそんな深い一冊だった。

  • メジャースプーン。
    調味料を丁寧に「量る」ためのこの道具を
    ふみちゃんの宝物としてランドセルにぶら下げ
    タイトルに持ってくる、辻村深月さんって、やっぱりすごい!

    だってこれは、小学4年生の「ぼく」が
    好きで、憧れて、尊敬してやまないふみちゃんの心を
    くだらない自己顕示欲と悪意で踏みつけて壊した犯人の
    罪の重さを、生真面目にいろんな角度から「量ろう」とし、
    自分の特殊能力を使って、それに見合う罰を正しく与えようと
    その「匙加減」に悩みながら、闘う物語だから。

    それにしても、『凍りのくじら』のバス停で
    表情も言葉も失くして痛ましい姿を見せていたふみちゃんが
    もともとはあんなにおしゃべりで溌剌とした少女だったなんて。
    そんな彼女のために、犯人に「ぼく」が仕掛けた「ダブルバインド」は
    大人には無謀に思えても、子どもらしい真摯さに裏打ちされていて
    その想いの深さに、涙が溢れます。

    それでも、『子どもたちは夜と遊ぶ』で、
    ふみちゃんと同じように心に深い傷を負った月子が立ち直り、
    秋先生や恭司と共に「ぼく」とふみちゃんの支えになろうと
    心を砕いていることに救われて

    大・中・小と、ひとつのリングで繋がっていて
    それぞれにつけられた赤・青・白のうさぎ形の石がぶつかることなく
    三本重ねるとぴったりと一つに重なるという
    ふみちゃんの宝物のメジャースプーンのように

    人を赦すことの得意なふみちゃんと
    罪と罰の重さを量ることの難しさを知った「ぼく」は
    やさしく補い合い、あたたかく寄り添って、きっと生きていくのだと
    深い感動に浸りながら信じられる、すばらしい作品です。

    • まろんさん
      kwosaさん!

      なんて深くて、kwosaさんらしい感動的な解釈でしょう。
      このコメントをいただいて、今週は図書館から本が8冊も届いたとい...
      kwosaさん!

      なんて深くて、kwosaさんらしい感動的な解釈でしょう。
      このコメントをいただいて、今週は図書館から本が8冊も届いたというのに
      今読んでいる本そっちのけで、また『ぼくのメジャースプーン』を読み返してしまいました。

      私も、まず、ピアノ発表会では力の発動はなかったのだと思いました。
      あの時はまだ、「ぼく」は自分が持っているかもしれない力のことを全く知らなかったし
      ふみちゃんは、「いつも堂々としているふみちゃんと仲がいいことが自慢なんだ」と
      「ぼく」に言ってもらったことが何よりうれしくて、ステージに戻っていったんですよね。

      でも、同級生のトモくんの件からは、明らかに自分の意志で、言葉を選んで発していたので
      力の発動はあったのだ、と考えて読んでいたんです。
      実は辻村さんの他の作品を読むと、この件に関連するできごとが出てくるので
      その部分についてもkwosaさんには、ぜひご意見を聴かせていただきたいのですが
      それとは別に、実は「ぼく」に関しては力は遺伝していなかった、
      自らの衝動に突き動かされて市川は「ぼく」の首を絞め
      「ぼく」は特殊能力の後押しなしで市川の悪意と暴力に勝ったのだ
      と考えると、新たな感動がわき上がります。

      私が否定することしかできなかった米澤穂信さんの『ボトルネック』といい
      今回のこの本といい、kwosaさんはいつも
      人間の底力を信じて希望に満ちた解釈を見せてくださって、読書の喜びをさらに深めていただいています。
      ありがとうございます!

      そしてそして、他の辻村さん作品、近いうちにぜひまた感想を聞かせてくださいね!
      2013/05/03
    • kwosaさん
      まろんさん!

      ああ、なるほど。
      ピアノ発表会「だけ」は力の発動がなかったという可能性にはまったく思い至っていませんでした。
      もう、力は遺伝...
      まろんさん!

      ああ、なるほど。
      ピアノ発表会「だけ」は力の発動がなかったという可能性にはまったく思い至っていませんでした。
      もう、力は遺伝していなかったと思い込んでいて......

      趣味が「妄想」なものですから、頭のなかに勝手に物語を作り上げ、ときおり作者の意図を越えた深読みをして、ひとりで感動したりしてしまいます。

      辻村作品は読んだ人どうしでいろいろ語り合うのが楽しそうですね。
      はやく他の作品も読まねば!
      2013/05/03
    • まろんさん
      kwosaさん!

      趣味、妄想♪
      お仲間がふえてうれしいです!
      小さい頃から、お話の結末が悲し過ぎたりすると
      頭の中で勝手に筋を考えてハッピ...
      kwosaさん!

      趣味、妄想♪
      お仲間がふえてうれしいです!
      小さい頃から、お話の結末が悲し過ぎたりすると
      頭の中で勝手に筋を考えてハッピーエンドに作り替えちゃったりして
      いつのまにか、どれが本当のラストだかわからなくなるような子だったので。。。

      辻村さんの本は、いろんな解釈ができて
      妄想をふくらませ放題なところもまた、いいですよね!
      kwosaさんには、「この本のここ、どう思われました?」とか
      「あのラストってどういう意味があるんでしょう?」とか
      お聞きしたいことが山のように(?!)あるのです。
      次はどの本を読んでくださるのか、わくわくしています♪
      2013/05/04
  • ページ数多めの本ですが、本当にあっという間に読み終わってしまった。
    これぞ、辻村さん!という感じ。ページを捲る時間すらももどかしく感じるほどだった。
    「子供たちは夜と遊ぶ」はそこまで好きな作品ではないのですが、読んでおいて良かった。登場人物のリンクがたまらなかったです。
    最後の方は読み終わるのがもったいなくて…でも最後が気になって早く読み終わりたいような…

  • 辻村深月さん、三冊目。ふちなしのかがみは読み切れていないので数えずに。 
    切なかった。ふみちゃんとぼくの話だけど、市川雄太はとんでもないほど憎たらしい。もしふみちゃんに対してそんな酷いことを思ったとしても、よく動画を公開できるよね。サイトに兎好きとして投稿してる時は期待してたけど、こんなことしたら意味ないでしょ?分厚いめがねと歯の矯正器具があるかないかでかわいい、かわいくないが決まるの?中身は何も気にしないの?かわいければ中身がどんなに酷くても、当番をいつもサボってるくせにしゃしゃりでる子でもいいの?最低だ。面白いんだけど短気な私は些細なことにいろいろムカついてしまう。
    先生との会話は一文一文丁寧に読んだ。納得したり、驚いたりしながら。面白いだけでなく、ためになるお話でもあった。私も日々、動物の賢さに驚くことがあるけれど、あれは人間の方が動物より賢いと思い込んでいるからなんだな、と分かった。

  • 小学4年生のぼくが主人公。幼なじみのふみちゃんにとんでもない事件が起こり、心を閉ざしてしまう。ぼくにはある特殊な力があり、事件の犯人にそれを使うことにした・・・
    ぼくと同じ力を持つ秋先生との数日間の授業が肝なんだと思う。このやり取りはとても勉強になります。いい作品でした。
    そういえば、ぼくの名前は何だっけ。

  • 小学校で飼っていたうさぎの惨殺事件が起こる。
    その凄惨な現場を発見してしまったふみちゃんは…

    犯人の大学生は、器物破損の罪にしか問われず…

    ぼくのできることは…
    『声』の持つ不思議な力を使って…
    チャンスは1回だけ…

    秋先生が。
    月子が。
    恭司が。

    秋先生はそんな力を持っていたんだ。
    だからあの時…
    『子どもたちは夜と遊ぶ』の謎が明らかに…
    『子どもたちは夜と遊ぶ』もスッキリ。
    だから『辻村深月すごろく』なのか。
    ちょっと長かったが…

    動物虐待、命の重さ、人それぞれの価値観、色々、考えさせられる…

    小学4年生なのに、そこまで考えるのか…
    そこまでやるのか…
    そこまで責任を感じていたのか…
    ふみちゃんが好きだっただけではなく、自分が彼女を巻き込んでしまったって、責任を感じていたなんて。
    主人公・ぼくに感動。

    ふみちゃんが言葉を発し、進む後ろ姿に明るい未来が。

  • 読書備忘録674号。
    ★★★★。

    名前探しの放課後を読む前に読むべし!ということみたいなので、さっそく読みました。神戸でまったりお盆休みを満喫しながら。笑

    お菓子作りは、材料を完璧に計量してつくらないと美味しくない。お菓子の世界では目分量とか、適当は通用しない。適当にすると、全く違う食べ物になってしまう。メジャースプーンでしっかり計って思った通りの結果を出そう・・・。

    主人公のぼく、小学校4年生。一族で稀に発生する特殊能力保持者。声の力を持つ。
    条件ゲーム提示能力。
    「Aという条件をクリアできなければ、Bという結果が起こる」すなわち、声を掛けられた対象者は、Bという結果を望まないならAをやることになる。
    この能力には様々な制約があるが、面倒くさいので割愛。笑

    主人公のぼくがリスペクトする同級生のふみちゃん。
    学校で飼育していたうさぎたち。
    そしてふみちゃんは誰よりもうさぎを可愛がっていた。自分が当番日でなくても、世話をした。

    そしてふざけた大学生、K大医学部の市川雄太、二十歳。
    彼は、動物虐待をオモシロおかしくネットにアップするために、ふみちゃんのうさぎを切り刻んで虐殺した・・・。第一発見者はふみちゃん。ふみちゃんは心をとざし、感情を失った・・・。PTSD。

    市川雄太は捕まる。ただ、器物破損罪。執行猶予付き。うさぎは器物・・・。ガラスを割るのと一緒。全然痛まない市川雄太。
    ぼくは市川雄太に復讐を誓う。なぜなら、自分がうさぎの当番日に熱を出し、ふみちゃんに代わってもらったその日に事件は起きた。自分の責任だということ。
    そしてぼくは声の力を使い大人を誘導して市川雄太との面会を1週間後に段取る。

    そして、一族の中でぼく以外に唯一力を持つ児童心理学教授秋山一樹に、1週間の間、力に対するレクチャーを受けることになる。
    そして迎えた面談の日。ぼくは言った。
    "バルスッ!"では無いですけどね。笑
    いくらネタバレでもこの物語の全てでもある言葉はさすがに言えません。笑 この言葉で涙しますので。

    いやいや。辻村さん。凄いですね。やっぱり。
    子供の気持ち。考え方。辻村さんって小学生なん?と言いたくなる。重松清か辻村深月か!笑
    そして秋山さん。他の辻村小説にも顔を出しているそうな。1週間の間、ぼくに対峙し、力の持つパワー、やってはいけないこと、意味のないこと、そして、どうするべきかを、慈しみをもって優しく心に伝える。

    そしてそしてぼくの選択。市川を破滅させるためのダブルバインド(対象者が条件となる行為をやってもやらなくても同じ結末になるという)の言葉。
    涙が出ます。小4がそこまで覚悟するなぁ!と叫びたくなる。

    冒頭に戻ります。
    メジャースプーン。
    ふみちゃんから貰った大切なメジャースプーンのキーホルダー。ふみちゃんとの絆。
    そして声の力。条件と結果、緻密に計算された言葉でなければ、違う結果を導き出してしまう。性格に計って言葉をつくる。言葉のメジャースプーン。
    ぼくが選んだ言葉はダブルバインドで、絶対に決まった結果(完璧なお菓子)を導き出しました。という感じが、タイトルの意味でしょうか。

    ということで、名前探し・・・、もそのうち読みますぜ。笑

    • shintak5555さん
      自宅療養は「みなし入院」なので、もし医療保険などに入っていて、入院給付金特約などを条件に入れているなら、申請を忘れないように!
      わたしは入院...
      自宅療養は「みなし入院」なので、もし医療保険などに入っていて、入院給付金特約などを条件に入れているなら、申請を忘れないように!
      わたしは入院特約、1.5万円/日 なので15万円です。うヒヒ。
      2022/08/23
    • shintak5555さん
      お二人なら倍ですよ!
      保険に入っていれば。
      お二人なら倍ですよ!
      保険に入っていれば。
      2022/08/23
    • ほくほくあーちゃんさん
      なぬーーー!!(゜ロ゜ノ)ノ
      神情報ありがとうございますー笑
      しらなかったー!!
      なぬーーー!!(゜ロ゜ノ)ノ
      神情報ありがとうございますー笑
      しらなかったー!!
      2022/08/23
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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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