ブラックペアン1988(下) (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062765268

感想・レビュー・書評

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  • H30.5.15 読了。

    ・謎の腹部レントゲンに写るペアンと佐伯教授の関係はいかに?想像していたのと違う展開に驚き。手に汗するような内容で面白かった。『チームバチスタ』も今更ながら読んでみたい。

    ・「先を走る限り、俺も外科の世界を担う先輩の一人。それならたとえどれほどぶざまでも、俺の姿をコイツらに見せ続ける義務が、俺にはあるというわけか。」
    ・「俺が手術で大失敗したって、誰も気にも留めない。俺が外科医を辞めようが辞めまいが、大したことではない。天下の一大事だと思っていたのは自分だけ。」
    ・「弱い人間に対していい加減になれるのは、強くて優しい人にしかできない気がします。」

  • 後半では、時間の進みが速くなる。手術機械での失敗例、院長選挙で教授不在時の緊急手術の場面では、予想外の展開が続く。手術場面の描写は圧巻である。

  • バチスタ、ルージュといった一連の本から続いて読むと、若き日の高階院長はじめ多勢の若き日の医師達が登場する。海堂氏の得意のパターン。最後にブラックペアンの意味が分かって面白く読めた。

  • 医療の世界。命をかける場面での、直す側の人となりが描かれています。いろんなタイプの医者がいて、そこに力の理論が加わり、政治的判断を迫られたりと駆け引きが、日々患者としての立場からでは見えない世界が展開します。登場するドクター、皆が想像の中で動き出すほどよく描かれていると思います。実に長いようで短かった7ヶ月間でした。また他の作品で再会する人物もいて、海堂ワールドの幕開けを楽しませてもらいました。

  • ブラックペアン、下巻。
    渡海の策略により、ペアンが体内に残された患者が、緊急患者として入院してきた。

    佐伯教授は、学会に出席するため、不在の中、許可を得ないで高階講師がオペを...

    しかし、そこには、大きな謎が。
    果たして、オペは、成功するのか?

    最後に、ブラックペアンの謎が明らかになりました。
    なるほど。




  • 佐伯教授の過去の手術にペアンの体内置き忘れが発覚!20年後に患者が緊急来院し高階、渡海が手術を行うが、止血できず。そこに北海道で講演予定の佐伯教授が戻って来て、緊急手術を行う。実は、そのペアンは置き忘れではなく、患者に適したやむを得ない処置だったのだ。過去の手術により、特注のカーボン製のブラックペアンを作っていた佐伯教授は、それを患者に埋め込み閉腹する。
    手術は、奥が深い...

  • ペアンとかコッヘルとか、医学の専門用語が分かっているともっと楽しめるのかなぁ。手術室でなにが行われているのか、文系には想像もできず・・・。それにしても渡海先生のその後が気になります。

  • TVドラマだとクソ真面目な高階だったが、原作の方では渡海と同じように一曲ある人物として書かれている。渡海との対比としてはTVドラマのほうが面白かったかと。と思ったら高階って、バチスタのときの病院長になった人か。それなら、一曲あって当然だな。
    あと、後にバチスタシリースの主人公になった人たちが出てくるが、蛇足感はあるなぁ。

  • ドラマを見て結末は分かっていたけど一気読みしてしまうくらい緊迫感があった。
    それぞれの医者像があり、どれが正しいとも言えないのだなと感じた。

  • スナイプを使ったオペは、目覚ましい戦績をあげた。佐伯教授は、高階が切った啖呵の是非を問うために、無謀にも若手の外科医のみでのオペを命じる。波乱含みの空気のなか、ついに執刀が開始されたー。

  • おい!そんなことあるかよ!

  • ラストはそこか!って感じ。
    佐伯先生、私は好きだわ

  • 同じく、『スリジエセンター1991』を読了したところからの再読。

    学部時代の田口先生、速水先生、島津先生が出てくるところが、桜宮サーガ本編も読んでいる読者には嬉しいですね。

    オペ室の悪魔渡海先生、過去の出来事の真相を知ることはできたけれど、病院を去ってしまいましたね。

    それにしても、ドラマ版は改変がひどくてがっかりです。第1回の途中で観るのやめてしまいました。

  • 再読。いろんな細部は忘れていたけど、ブラックペアンの ところだけはしっかり覚えていた。医者としての覚悟に圧倒された。ここからバチスタシリーズにつながっていくんだと思うとみんな立派になったなあ。

  • イメージと違ったかな。と言うか、ドラマとは別物と考えた方が良さそう。渡海はそんな悪者ではないし、世良は強気な性格だし。
    ペアンがブラックである意味や、腹部に残されていた理由などそう言う事か、とは多少思ったけど、それ程衝撃ではなかった。何だか物足りない感じ。
    面白かったのは、ジェネラルルージュの速水や、螺鈿迷宮の桜宮、高階は後の高階院長で良いのか?藤原さんもあの藤原さん?など他の作品を思わせるキャストがチラチラ出ていた所かな。

    32

  • サスペンスかと思ったら全然そんなことはなく、普通の小説でした。
    結末のブラックペアンの話は若干拍子抜けでした。

    チーム・バチスタの方が断然面白いです。

  • 上巻の最初から医学の専門用語のオンパレードで
    さすがに細かく描写されても全く手術の様子は頭に浮かんでこないのですが
    そこは曖昧な感じで読んでしまいました。
    医者の人が見たら状況がよく分かって面白いんでしょうね。

    専門的な話は分からないものの、佐伯教授の手腕や若き日の高階病院長の
    手術の様子、スナイプという新しい医療機器の描き方などで
    補って余りある興味深いストーリーでした。

    今回は特に悪者というものが出てこずブラックペアンというタイトルが
    どう利いてくるのか楽しみに読み進めたのですがラストまで展開が読めず
    とても楽しめました。

    1988年というバブルな雰囲気も出しつつ読ませるのはさすがです。
    白鳥はさすがに出てきませんでしたがバチスタシリーズの田口や速水など
    おなじみのメンバーの若かりし頃も描かれていてとても面白かったです。

  • なるほど!
    そういう意味のブラックペアンだったのかと納得。
    これはドラマになると面白いかもなー。
    とても興味深く読めたし、結果的に謎だった部分も解けてスッキリ。

  • 医療用語も慣れてきたからか上巻よりは読み進みがよかった。
    世良君の医師としての成長していく姿を見守りたくなった。

  • やっちゃった。
    上巻読む前に下巻読んでしまった。
    ブレイズメスの2年前の世界の話なので、先に読んだブレイズメスでの人物像の背景画より濃くなった。
    下巻から読んだにもかかわらず、その2年後の世界を知ってしまったからか、全く違和感なく読み進めてしまった。
    気が付いたのは、読み終えてカバーを変えるとき。
    タイトルに下の文字が。
    購入するときに、上下じゃないことをしっかり確認したはずなのに、下の字が帯に隠れていたなんて。

    佐伯教授の教授たるゆえんが、ただの政治や権力闘争で上に立った人ではない、仁王のような最後の姿はなかなかの圧巻でした。

  • なぜ佐伯教授は体内に器具を残したままにしたのか。

    その謎が明らかになる時がやってくる。

  • 世良に渡海が突きつけた死一歩手前の状況。スナイプの取扱いミスも、術中死という忌避すべき医療現場の問題を意識させられる。カタストロフは最終章。渡海の怨念が佐伯教授を貶める行動に出たところで、表題となったブラックペアンの真の意味が知らされる。巻末の対談の中で、ノンフィクションでは素通りしてしまう内容でも、小説にすることで感情移入ができ、医療問題が他人事ではなく理解できるという著者の考えに共感。

  • 佐伯教授が保身の為にミスを隠蔽したと思っていたけれど、実は…。最後のドキドキ疾走感は素晴らしかったです。出来れば渡海先生にはどこかで活躍して欲しいなぁと思いました。

  • 読む順番、間違えちゃったな……(´ェ`)ン-…
    「ケルベロスの肖像」って、完全に本書の後日談というか続編じゃん(>_<)
    あっちを先に読んじゃったから、後半の展開はぜんぶ分かってた(>_<)
    出版社の敷居をまたいでの、作品世界のクロスオーバーは面白い試みだと思うんだけどね(´ェ`)ン-…
    本書に関しては、宝島社から「バチスタ」外伝として出したほうがよかった、かな?(´ェ`)ン-…


    作品そのものは面白かったよ( ´ ▽ ` )ノ
    文字通り命をかけた修羅場の連続で、臭すぎるセリフもお医者さんだからこそ言えるもの( ´ ▽ ` )ノ
    現場の本音がたっぷり盛り込まれていて、「読むER」ぽい雰囲気が味わえた( ´ ▽ ` )ノ
    バチスタなんかと比べるとシリアス度が高くて、最初は戸惑ったけど( ´ ▽ ` )ノ
    ナースとのトトロデートシーンは、なんか他の部分と整合がとれてないし、大した必要性もなかったから、切っても良かったかな( ´ ▽ ` )ノ

    本書を読んでから「ひかりの剣」における高科権太のセリフを思い起こすと、その重みが初めて実感をもって感じられた( ´ ▽ ` )ノ

    巻末の対談は、散漫で本書の内容にもあんまり関係ないし、いらなかったかな( ´ ▽ ` )ノ
    仮面ライダースカルの名前が出てきたのには驚いたけど( ´ ▽ ` )ノ
    そういえば、海渡(海堂の分身?)って、エグゼイドの無免許医・大我っぽいね( ´ ▽ ` )ノ

    2017/03/27

  • 佐伯教授のうろたえるな小僧ども感やばい。かっこよかった。最後のオペシーンにはしびれました。医療ミステリというと、大体悪い医者っていうのが出てくるけど、この物語に悪い医師はいなかったように思います。方向性は違えど、患者を救いたいという気持ちは一緒なんだなと。渡海への誤解を解くシーンには、じわりと来てしまった。

  • 【内容】
    上巻につづいての下巻。ブラックペアンとは何をいみするのか。
    【得たもの?やってみること】
    特になし
    【感想】
    最後の方では、どんでん返しがあって、圧巻。
    ブラックペアンの意味が分かるとき。
    各キャラクターがかっこいい。しかし、もう少し前に和解というか認識の違いを合わせられなかったのかとは思ってしまう。

  • 東城大学の一連のストーリーの原点がここに在りか。海堂さんの小説読み出したら「止まらない、止められない」

  • (2010より転載)
    下巻で、急に展開が速くなった気がします。
    緊迫感があって、「バチスタ」シリーズのお役人とのいやぁなやり取りより、全体的に好きかなと思いました。
    巻末の対談が何気におもしろかった…かも。
    2010.7.25~7.26読了

  • 結末へ向かって海棠の世界へ引きずりこまれました
    どんでん返しのどんでん返し スリリングで面白かった
    ただ医療の世界で人体が物として扱われているようで怖い
    医療ミスは素人には判断がつかず殺人と見分けがつきません
    その医者の初めての手術に提供される患者は不幸?
    天皇陛下の主治医に1年坊主がなる事は決して無いでしょうに

  • 高階さんの若いころって、面白い。
    このごろメディアでよく見かける吉川晃司さんの解説も!

    内容の話ではないが、いつも思っていたこと。
    海道さんのシリーズなんで薄い本に上下巻分けちゃうんだろう。かえってメンドクサイ・・と思っていたら新装版とかいって統合されているのも出たのですね。最初からそうしなさい、と突っ込みたくなる。

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著者プロフィール

1961年千葉県生まれ。医師、作家。外科医・病理医としての経験を活かした医療現場のリアリティあふれる描写で現実社会に起こっている問題を衝くアクチュアルなフィクション作品を発表し続けている。作家としてのデビュー作『チーム・バチスタの栄光』(宝島社)をはじめ同シリーズは累計1千万部を超え、映像化作品多数。Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)の概念提唱者で関連著作に『死因不明社会2018』(講談社)がある。近刊著に『北里柴三郎 よみがえる天才7』(ちくまプリマー新書) 、『コロナ黙示録』『コロナ狂騒録』(宝島社)、『奏鳴曲 北里と鷗外』(文藝春秋) 。

「2022年 『よみがえる天才8 森鷗外』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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