- Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062765602
作品紹介・あらすじ
自分が拾われたのは戦場だったということ以外、両親の名前も、自分が何人であるかもニーナには分からない。
しかしロシアへ遺骨収集に訪れたフクシマとの出会いが、ニーナに流れる日本人の血のルーツを呼び覚ました。
エカテリンブルグから日本へ、ただひとりのロシア残留孤児ニーナの、魂が震える究極の愛の物語。
感想・レビュー・書評
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ロシアに残留邦人がいたことは分かった。
でも、饒舌に語るところと、さらっと流していくところの割り振りとか、
面白みに欠ける感じになっちゃってる。
中国残留邦人の一時帰国のスケジュールとか、そんなに詳しくいらんでしょ。
繰り返し描かれる、ニーナが戦場で助けられたシーンも、
もっともっと、死が積み重なっている戦場で、生があって、
しかもそれが無垢な子どもであったというところを感動的に描いてほしかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分が拾われたのは戦場だったということ以外、両親の名も、自分が何人であるかもわからないニーナ。
しかし、ロシアへ遺骨収集に訪れたフクシマとの出会いが、ニーナに流れる日本人の血のルーツを呼び覚ました。
ロシアで見つかったただ一人の日本人残留孤児がたどる『自分』を探す旅。
ニーナの台詞にこんなものがある。
−私は何処から来たのか。私は誰なのか。そして私は何処へ行こうとしているのか−
同じような台詞を真賀田四季も言っていた。
−どこから来た?私は誰?どこへ行く?−
自分のルーツを探るというのは本当に難しい。
四季は言う。
その3点に答えることに価値があるわけではない。
ただ、その3点を問うことに価値がある、と。
ニーナと四季は置かれた状況が全く違う。容姿も性格と正反対といっていい。
なのに、ふたりは言った。
−自分は何者か−と。
自分が誰かをはっきりさせたいという強さが、私には羨ましい。 -
内容(「BOOK」データベースより)
自分が拾われたのは戦場だったということ以外、両親の名前も、自分が何人であるかもニーナには分からない。しかしロシアへ遺骨収集に訪れたフクシマとの出会いが、ニーナに流れる日本人の血のルーツを呼び覚ました。エカテリンブルグから日本へ、ただひとりのロシア残留孤児ニーナの、魂が震える究極の愛の物語。
残留孤児と言えば中国ですが、この本はソビエトです。第二次世界大戦の中国で全滅した日本軍の残骸から発見された幼い少女。ソビエトの将校に助けられ新たな人生を得ると共に、自分を見つけ出す為の長い長い旅が始まったのでありました。
何度も変わる養父母、顔に残る傷、民族の違いによるいじめ、燃えるような恋そして裏切り。
人間生きる場所が有るだけでは満たされない、自分のルーツを知りたいという欲求。自分自身がそうではないので分からない部分もあるのですが、確かに父も母も分からず、祖国も判然としないというのは宙ぶらりんの状態なんだろうなと考えさせられます。
ニーナ一生懸命で胸がキュッとするなあ。 -
ロシアに残された残留孤児の小説。繰り返される戦場からの救出シーンが印象的。絵画をみているようだ。
最後まで読み進め、綿密な取材に基づいた半分ノンフィクションなのだと知り、衝撃を受けた。
若い頃のダビドがあまりに自分勝手だと思ったが、若い頃なんて側からみたらみんなそんなものなのか。 -
戦場で拾われ、何人か、親は誰なのかもわからない少女・二―ナの物語。
ロシア残留孤児なのに日本人に関係がある様子です。他者との関わりを求める二―ナはどのように生きるのか?愛がいっぱいのお話です! -
1945年8月16日、牡丹江市。ソ連軍によって壊滅された日本軍陣地から、ただ一人幼い子供が助け出された。彼女はその場でニーナと名付けられ、行く末を慮って中国人としてソ連で育てられることに。
その生い立ちから過酷な人生を強いられるが、一時とは言え全身全霊をかけたダヴィッドとの恋、生涯頼るべき事実上の養父ムラビヨフとの出会いが読む者の心を癒す。
実際のロシア残留孤児ニーナさんをモデルにしているが、その生涯は大部分が作者の創造のようだ。それにしてもソ連という国の、日本から見たらとても不可解な体制に改めて身がすくむ。 -
初めてロシアで発見された中国残留遺児のお話です。
ニーナと名づけられた小さな女の子は自分のルーツがわからないことに苦悩します。その人生は壮絶です。
ニーナにかかわる人々も、それぞれの苦悩を背負っています。彼らの苦悩が明かされることによって、より物語が現実性を帯びた気がしました。
物語は戦争がもたらした悲しみ、ソ連という国家の強大さという負の要素もありますが、愛や喜びといった正の要素も確かにある。外的問題と内的問題を見事に織り交ぜた物語だと思います。 -
ロシアに取り残された幼い子供の生涯を描くというところは興味深いが、この物語を通じて彼女の、その時代の何を描こうとしているかという観点が私には少々響かなかったようにも思う。
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自分は誰なのか。
ただ一人のロシア残留孤児ニーナの、魂が震える究極の愛の物語。
読み終わって、人を愛するということを何となく理解できたような気がした。 -
ロシア残留孤児という実話を題材にし、かつ作者のルーツも漂ってくる作品なんだろうが、私にとっては少し文体が苦手なんだろう。
感情移入出来ないまま読了してしまった。