日本はじっこ自滅旅 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062768719

作品紹介・あらすじ

「ガブガブ酒ばっか飲みくさりよって、早く出てゆき!」嫁の言葉に、行先考えずに家を飛び出したアルコール依存症の僕。そうして僕は、日本のあらゆる「はじっこ」を旅し始めた。厳冬の能登、薩摩半島、種子島に千葉の先っぽ…。空にむかって「ゴメン」とつぶやきながら酒を飲む。切なくユーモラスなエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • ユーモラスというか、素直というか、ダメダメというか...。弱さばかりが目立ち、自問自答が破滅的。でもそれが悪いというわけではない。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    「ガブガブ酒ばっか飲みくさりよって、早く出てゆき!」嫁の言葉に、行先考えずに家を飛び出したアルコール依存症の僕。そうして僕は、日本のあらゆる「はじっこ」を旅し始めた。厳冬の能登、薩摩半島、種子島に千葉の先っぽ…。空にむかって「ゴメン」とつぶやきながら酒を飲む。切なくユーモラスなエッセイ集。

    西原理恵子の漫画を20年前くらいから読んでいたので、かもちゃんと知り合った頃をリアルタイムで読んでいたのでした。漫画ではユーモアたっぷりに書いていたので感じませんでしたが、本当に一緒に生きて行くの大変だったろうなあと思っていました。
    この本は家を追い出されて、ぶうらぶうらと日本の端っこへ流されて怠惰に酔っ払い、自己嫌悪に苛まれながら結局また飲む姿を淡々と書いております。
    暗澹とした気持ちになりながら不思議な安らぎのある不思議な旅本です。

  • アル中が家を追い出されるように、家を出て、結果思い付きで旅をした記録。
    先っぽだからか、灯台や岬の話が多かった。

    著者のことは全然知らない。
    病魔に侵されながら酒をやめられず、行く先々で酒をかっくらう姿の描写はあまり共感や感心をもてなかった。
    ただ等身大で書いた文だというのはあとがきからも感じられた。推敲とか追加とかしていないような文体。

    やたら酒をのみ、女の子のいる店で会話しているが、1万円をぽんと飲み屋で出したり、タクシーに乗りまくったり、そのお金って巻き上げたんじゃないだろうなぁ~とか、余計な心配をしてしまう。
    後半は体調が相当悪いのか、文章や思考もだんだん小さく、まるで年老いた両親の背中を見せられたようだ。

  • 単行本の「遺稿集」は未だにページを開く気がしない。本書も発行されたのが2年前の1月と書いてあるから、買ったのもおそらくその頃。長らく積ん読してたのを、ようやく読んだ。

    カモちゃんの文章はやはり読みやすい。サイバラの絵がなくても、十分に読みごたえがある。読みすすむほどに、切なくなってくるのだけれど、なんとか最後まで読み終えた。

    2005年2月に書かれた「あとがきに代えて」が、さらに切ない。

  • 無頼派アル中カメラマンの鴨志田氏の逃避行。家出旅日記。
    沢野ひとし氏と同じ匂いを感じるが、鴨志田氏はドライな無頼派だ。一人で旅するあせりや苛立ちも含めてリアルだ。ただの旅行エッセイだと思って読み出したが、引き込まれた。

  • 大なり小なり、酒で身体を痛めた(壊した)人には深く響く作品。
    どんなに辛い思いをしても、ついつい呑んでしまう。
    それが誰の懐のものでも。

    惜しむらくは亡き人になってしまったことだろうか。
    遺稿集と併せてオススメです。

  • 羨ましいほど自由な旅だが、このあとアル中と闘いながら亡くなる彼の人生を考えると複雑。でも、羨ましい。

  • カモちゃんの目で見た日本の田舎の風景。期待以上におもしろかった。もっと読みたいと思った。けどサイバラ読者としてはどうしても、「タイ人ホステスと痛飲する金はどこから、やたらタクシーを使っているがその金はどこからぁ〜」とかつい考えてしまい素直に読めないのが悲しい。あと巻末の解説が雰囲気壊してて残念。

  • サイバラさんのダンナさんである、故カモちゃんの国内旅エッセイ。カモちゃんが元気に(?)お酒を飲んでいるので、もうだいぶ以前のコトなのでしょう。淡々として、オモシロ哀しいエッセイでした。

  • 家出した鴨ちゃんが日本各地のはじっこの町を旅し、夜は周辺の飲み屋で酒を飲む。女の子のいる店で飲むことが多い。けして上手くは無いが、味のある良い文章を書いている。酒のせいで体を壊し、何度も吐血し、一歩間違えば死という状況でそれでも旅に出てしまう。そして抑えながらも酒を飲んでしまう鴨ちゃんの心情が・・・。なぜそこまで突き進んでしまったのか?

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