主題歌 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062769068

作品紹介・あらすじ

職場の同僚と女の子のかわいさについて語り、グラビア誌の「永遠のセクシー女優名鑑」に見入ってしまう実加。美術大学時代の友人たちの行く末を思いつつ、自宅で催した女の子限定カフェなど、今ここに一緒にいることの奇跡のような時間をみずみずしく描いた表題作をはじめ、著者の世界が凝縮された作品集。

感想・レビュー・書評

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  • 柴崎友香さんの小説世界は、ほんとその時・その瞬間を切り取って余す所無く描かれてるのがとても好きです。
    スッと同じ空間に居る気持ちになれるの凄いな。登場人物たちも自分の友だちかのよう。
    かわいい女の子を愛でる気持ちはわかります、わたしもそう。解説で書かれてた、その子をすぐ近くに感じる、というより単純に可愛い人を眺めていたいです、わたしは。眺めるなら美男子やイケメンより、美しかったり可愛かったりする女性の方がいい。お友だちになりたい、はまた別の感情なので。。スカーレット・ヨハンソン、好きです。
    りえちゃんの言う「ださい音楽」に全力で頷きました。同感。「女の子カフェ」楽しそうです。小田ちゃんの母、絶妙で良い。
    「ブルー、イエロー、オレンジ、オレンジ、レッド」、博多の男がごめんなさい…って思ってしまいました。わたしが謝る事じゃないけど。

  • 我々は誰かと会い、誰かと話している間、どうでもいい所を気にしたり、会話に関係ないことを考えたりしながら、生きている。
    そんな当たり前の生活が、とても丁寧に描かれている。

  • この歌がここで歌われたことは消えてしまわない

  • ■主題歌
    三人称。視点も固定せず。という柴崎友香にしては珍しい文体。
    かわいい女の子談義が好きな主人公が、この人をあの人に紹介したいと思う機会が増える。
    いっそのこと友人を呼んでその場で交流できるような女の子限定カフェを一夜限り開くことにする。
    旅行や移動はないが、メディア的な存在になるといういつものテーマが、こういうかたちで実現されている。
    なかなか悪くない。
    ただしわからない人感じられない人には、ただの女子会に過ぎないだろうとも想像できる。
    この人の魅力の理由をまだ把握しきれずにいる。

    ■六十の半分
    三人称だが、視点人物が1で香奈→2で敬一→3で亜矢→4で再度敬一、と変則的。
    それなりの図式がありそうだが、そこまで深追いできず。

    ■ブルー、イエロー、オレンジ、オレンジ、レッド
    夜通しの飲み会のあと雑魚寝したメンバーが、翌日どうするか。

  • 極めて「柴崎友香」らしい小説。
    今日という日は、たとえおわかれがあっても、とぎれても、つづいていく、つながっていく、現実のなかでも、記憶のなかでも。
    ●「この歌がここで歌われたことは消えてしまわない」
    ●「今、目の前で、心の中がすうっと外へ広がっていくように感じられるほど美しい青色が、自分のせいだったらいいのに」

  • 柴崎友香を読むのは初めて。「ガールズトーク」の世界です。表題作が140頁ほどの中編、ほかに30頁ほどの短編2つを収載。レズビアンではないのだけれど、綺麗な、あるいは可愛い女の子を見るたびにテンションの上がる女性たち。そんな表題作をはじめ、なんということはない物語で、さらっと読めはするのですが、心に残るところまでは行きません。大阪出身の著者の本作は、どれも自然な大阪弁と、大阪人には馴染みの深い地名が頻発するため、その点は興味を惹かれます。西加奈子に似ているようにも思うけれど、西加奈子ほどインパクトは強くない。ともすれば寝てしまいそうで、個人的にはもうちょっと引き寄せられる個性がほしい。

  • 昨日の今日なのでずいぶん読みやすかった。
    本当は☆3.5くらい。やっぱり4。
    柴崎友香の小説が好きなのは、かけがえのない今の瞬間をかいてるから。登場人物はみんな、この瞬間は二度とないことを知って生きてて、それをいちいち大事にしてるから、柴崎友香の主人公の女の子はみんなかわいい。

  • 関西のどこにでもいそうな普通の女の子なのに、柴崎氏が描くとどうしてこんなに素直で可愛くなるんだろうかと思う。
    みんな優しく見守って、応援してあげたくなります。

  • 【本の内容】
    職場の同僚と女の子のかわいさについて語り、グラビア誌の「永遠のセクシー女優名鑑」に見入ってしまう実加。

    美術大学時代の友人たちの行く末を思いつつ、自宅で催した女の子限定カフェなど、今ここに一緒にいることの奇跡のような時間をみずみずしく描いた表題作をはじめ、著者の世界が凝縮された作品集。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    大阪を舞台に、28歳の実加と友人たちのさりげない日常を描く表題作が心に染みる。

    職場や居酒屋や自宅カフェでの何気ないやりとり。

    とるにたりない些細なことこそが奇跡的な瞬間となって人生を紡いでいく。

    また、性愛の視点ではなく普通に「かわいい女の子やきれいな女優」を見るのが好きという女性たちが生き生きと描かれるのが嬉しい。

    リアルで、画期的だ。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 決して嫌いな話ではない。
    女の子が(性的な意味ではなく)好きな女の子、ってよく分かる。

    だが、果たしてこれは小説か?と考えた時に、妙齢の女性たちの「ジョシカイ」のノリから脱しきれないようにも思える。

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著者プロフィール

柴崎 友香(しばさき・ともか):1973年大阪生まれ。2000年に第一作『きょうのできごと』を上梓(2004年に映画化)。2007年に『その街の今は』で藝術選奨文部科学大臣新人賞、織田作之助賞大賞、咲くやこの花賞、2010年に『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞(2018年に映画化)、2014年『春の庭』で芥川賞を受賞。他の小説作品に『続きと始まり』『待ち遠しい』『千の扉』『パノララ』『わたしがいなかった街で』『ビリジアン』『虹色と幸運』、エッセイに『大阪』(岸政彦との共著)『よう知らんけど日記』など著書多数。

「2024年 『百年と一日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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