分冊文庫版 ルー=ガルー2 インクブス×スクブス《相容れぬ夢魔》(下) (講談社文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770835

作品紹介・あらすじ

「兄は-狂っています」。雛子の告白は律子を戦慄させ、神崎一族が描いた禍々しい夢と三十年前の罪を白日の下に晒す。一家惨殺事件の真相に触れた刑事・橡の心は千々に乱れ、妄執に囚われた夢魔を罵倒する。少女は遂に、自ら毒を口に含んだ!巧緻に張り巡らされた伏線が感嘆を呼ぶ、シリーズ第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • おもろいっ!!
    榎木津的なキャラって大好きだ!!

  • 何だかんだで一気読み。
    物語の設定が異常に細かくて何で凝んなこと想い付くんだろうと感心させられる。

    人物同士の問答と設定の説明でほぼページを使ってるが、何だか飽きさせないのは作者の筆力に尽きる。

    京極物を読むとやっぱり人生観や生き方について少し考えてしまう。
    この中毒性は僕にはたまらない。

  • いつものことだが、京極さんの作品は、ラスト10分の1くらいが、すごい。
    怒涛。
    ハチャメチャな中、前作から引き継いだ難問を、すべてを回収しつくした。
    見事な着地だし、少女たちは、やっぱり最高にかっこいい。
    また、見事に始末をつけてしまった。

  • 再読。しかし内容はすっかり忘れていた。一作目より昔の初読時のインパクトが薄かったからかもしれない。しかし、今改めて読んでみると前作と同じぐらい面白いと思えた。単純に娘たちの縦横無尽な活躍ぶりが面白いというのもあるが、語り部の一人で今作で活躍した唯一に近い大人である橡さんにだいぶ好印象を持てたからだろう。自身の視点がもう児童ではなくすっかり大人になってしまったからなのか、橡さんの視点では随分と彼に感情移入してしまった。内容としては相も変わらず一人の妄執が全てを巻き込んで破滅していったという感じ。佐倉遼の妄執はそれを叶える手段や頭脳や機会がなければ発現することもなかったんだろうが、それが全て在ってしまったというところが一番の悲劇と言えるかもしれない。是非とも続編を読みたい…。

  • 面白い。疾走感が凄い。バイクだからか?
    未来でも犯罪の動機は似たり寄ったりなのだなあ‥。
    前作では2030年頃かなって思ったけど、もう少し先かな?
    私がクヌギさんと同世代だとしたら、2050年頃?

    上巻での律子の、「じゃあうちも友達ってことでいい?一瞬だけどバッタあったし」(細かい台詞は違うかも)が好き。
    どうも私は友情に弱いみたいで。

    前作では葉月視点に感情移入できて、自分がこの世界に生きていたら葉月みたいになるだろうなあと思った。
    コミュニケーション障害の兆候がある?程度の。
    今作は律子視点とクヌギさん視点なんだけど、律子は強いというか、動じないというか、揺れることも含めて普通というか、京極さんぽいキャラクターだなあと。
    改めて葉月が珍しいキャラクターなのかなと。

    あ、未来だけど皆キラキラネームじゃないね!
    一周回って普通の名前が流行ってるのかな。

  •  ルー=ガルーの続編です。続編があるような終わり方ではなかったので、驚きと期待で購入しました。(買ったのは2年くらい前・・・)
     前作は葉月を中心として描かれていた物語でしたが、近作は前作で拉致された2人がメインでした。律子は救出されたとき意外登場していなかった記憶があります。
     内容は予想外でした。「神崎」この名前が出てくるまで全然気づきませんでした。京極堂シリーズの中でも特に「ムカつく」犯人。犯人なのに、全部こいつが悪いのに、法的には罪を犯していないから裁かれることがない犯人。あの女の子孫がこんなに事業を拡大させて発展しているなんて・・・。
     こうして読んでいて思ったのですが、京極堂シリーズに登場するメンバーの子孫もきっとこの世界で生きていることでしょう。榎木津一族はきっとどの時代でも変人なんだろうな、ちょっと見たいな、とか想像して楽しみました。美緒とあわせると恐ろしい破壊神コンビになるんだろうな。
     今回の事件の真の動機・・・なんて自分勝手なんだ!これだからあの女の血筋は・・・・。
     それにしても面白かったなー、京極さん大好きです。

  • いやぁ、痛快。法の裁きも恐れず社会悪を断罪する少女たち。まさか京極堂シリーズ(邪魅の雫)とこんな形で繋がってくるとは。静かに現れる狼、いかすなぁ。

  • 毒薬の正体が分かったと思ってから二転三転。何が真実なのか、誰がこの事件の糸を引いているのか、最後まで着地点が読めず楽しめた。

  • また出ました。

    「行き遭う者を屠る、ルー=ガルーだよ。」

    かっこいい!今回あんまり歩未、目立ってなかったけど。

    1の伏線がたくさん解明された。すごいなぁ、10年前の作品なのに。

    終盤になって、みんな大活躍で、怒濤の展開。
    痛快SF、面白かった!

  • 前作から続くストーリー。というか、前作には伏線がたくさんあったのだな、と気付かされる。すっかりキャラクターが出来上がった状態で読むので、すいすい読めます。麗猫は熱いしワイルドだで、歩未はクールで凛としてて、ミオはやりたい放題で面白い…榎さんぐらい痛快www。律子は感情移入しやすいキャラクター。バイク好きな私には特に。出動?シーンは、わくわくが止まらなかった。
    やりきれない悲しみを背負ったまま、走れコドモたち!中年の私には、クヌギさんが一番共感できるキャラクターでした。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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