親不孝通りラプソディー (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770958

作品紹介・あらすじ

一九八五年、十七歳。オレ達若かった!『親不孝通りディテクティブ』の名(迷)コンビの高校時代、キュータとテッキは恐れ知らずに博多の街を駆け回る。羽目を外したキュータは美人局に嵌められる。金に窮したキュータは信金の裏金をまんまと奪うが、結果は収束どころか、闇社会が絡み危機てんこ盛りの事態に。

感想・レビュー・書評

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  • 博多を舞台にした「親不孝通りディテクティブ」の主人公、テッキとキュータの高校時代を描いた話です。「親不孝通りディテクティブ」の会話にでてきた『美人局に嵌められたキュータが計画、実行した強盗事件』とその顛末について描かれています。強盗事件に地元のヤクザ、一年前に山口県で起きた現金強奪事件等が絡み、追われる身となってしまったキュータとそれに巻き込まれるはめになったテッキ、そして彼等に関わる人間達の思惑(地元の裏社会だけでなく北のあの国が関わる話も出てくる。)が交差しながら解決に向かう様子が面白かったです。しかし関係者が多くなりすぎて、若干ややこしくなってきた面とスケールが大きくなりすぎてしまった印象は否めませんでした。

  • 前作場人物の高校時代の物語。
    やくざやら警察やら入り乱れてはちゃめちゃな展開のハードボイルドでありつつコメディもありで…何と言っていいのかうーん…。
    高校生のキュータのあまりの軽さと博多弁に馴染めないまま読み終わってしまいました。
    テッキが落ち着ている分、余計にキュータが浮いて見えてしまったようです。

  • おバカだけど、カモネギコンビの活躍が痛快。

  • 「鴨ネギコンビ」のキュータとテッキの高校時代。
    羽目を外したキュータは美人局に嵌められ金に窮し〈狂犬〉キョウジと共に信用金庫の裏金を強奪する。
    警察の射撃訓練場で拾った弾丸を現場に残し、捜査を撹乱させるが、彼らの計画はいつしか歯車が狂い始めた。
    高校生たちのいたずらはヤクザ・警察・脱北者グループをも巻き込んだ大事件へと発展し・・・。

    「親不孝ディテクティブ」の続編でありながら、前日譚となっています。

    キュータは若いころからお調子者で女好き、テッキのクールな佇まいも変わらず。
    二人とも、暴力団と戦ったり、銀行強盗したり、女とすぐに懇ろになったり…こんな高校生いるかよ!と思いつつ、博多弁の軽快なリズムと、緊迫した中でもとぼけたユーモアに縁どられたスピーディーな展開にのめりこむように一気読みでした。

    キュータとテッキだけでなく、元警察官の麻生やキュータの面倒を観てきた仙ジイ、テッキの同棲相手など、登場人物が各々の思惑で縦横無尽に動き回って状況が目まぐるしく変わり、展開についていくのが大変でした。
    着地点の見えないコンゲームとしては出色の出来で、作者の筆致に思いっきりブン回されるのが快感になってきます。

    よく考えるとトンデモ展開が多いんだけども、二人の若いパワーに触れているうちに前向きな気持ちが心に満ちていくような、元気をもらえるお話でした。

  • そぎゃんこつなかと⁉️
    と言いたくなるようなストーリー、面白かった。
    この本を読んでいると不思議と博多弁が出てくる。というかキュータくんの言葉が知らないうちに移るみたい。

  • 図書館。
    前作よりかは面白かったかな。
    でも、エピローグが、ほんとつまらない。
    お金をかけずに読めて良かったといえば良かった。

  • 福岡の言葉が沢山飛び交う青春ドタバタハードボイルド? っていえばいいのかな(笑) とにかく面白かった。残念なのは作者の人が亡くなっていて続編がないことかなぁ。かも・ねぎコンビの話は前作と併せてとても面白かった。

  • これだけゴテゴテと色々なネタを突っ込んでるのに、あっさりと読めて、混乱しないのはさすが。最後もきっちり落ちてるし。
    かも・ねぎコンビ、まだまだ読みたかった。早いよ、北森さん。

  • 生命の危機、お金、恋心、欲望、裏切りを目の前にした登場人物それぞれの反応が妙に人間らしく立体的に描かれていて、次の展開にドキドキしながら読み進んでしまいます。
    ただし、北森さんの表現力がいつも通りあまりに豊かで、本作品はハードなシーンまで具体的に想像を余儀なくされるのが個人的には辛いところ。

  • このシリーズは自分には合わなかったな、と感じてしまった。荒唐無稽でハチャメチャなストーリーそのものは悪くないと思うのだけれど、文体のハードボイルド調とミスマッチで面白さが伝わらなかった。敢えてミスマッチを狙うという手法もあると思うけれど、本作ではそれがうまくいっているとはかんじられなかった。

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著者プロフィール

1961年山口県生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業。’95 年『狂乱廿四孝』で第6回鮎川 哲也賞を受賞しデビュー。’99 年『花の下にて春死なむ』(本書)で第 52 回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門を受賞した。他の著書に、本書と『花の下にて春死なむ』『桜宵』『螢坂』の〈香菜里屋〉シリーズ、骨董を舞台にした〈旗師・冬狐堂〉シリーズ 、民俗学をテーマとした〈蓮丈那智フィールドファイル〉シリーズなど多数。2010 年 1月逝去。

「2021年 『香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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