- Amazon.co.jp ・本 (486ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062773225
感想・レビュー・書評
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なかなか面白い。
てんやわんやの夜のデパート!
その中に個々のバックグラウンドがあって…
最後に一気につながっていく感じが心地よい。
素晴らしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
デパートを舞台に、複数の登場人物がつながる。現実味はないし、動機も弱い、ありいない行動をとったりもして、しかも文章が長い。でも、最後まで読んじゃいました。登場人物それぞれの立場が違い過ぎて、違和感があったのですが、それがまた良かったんだと思います。最後の良作さんのエピソード、不釣り合いだし唐突でしたが、またそれが効果を倍にして泣けました。
最初はなかなか読み込むのに時間がかかりましたが、後半はさくさく読み進めました。 -
2012.8.18読了。エンタメ小説としてなら、テレビの2時間スペシャルドラマ感覚くらいで楽しめるかな、と。
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「デパートを発明した夫婦」のレビューに『屋号に籠められたブランドへの誇りが作り出す消費と非日常の世界、私らの子どもの頃はそれがデパートだった』と書いたのだけど、今やそう足を運ばなくなっても、ささやかな思い出の上に立ったデパートに対する思いというのは、何となくあるよね。1961年生まれの作者も、多分同じかと、という訳で、題名に惹かれて買ってみた。
舞台は日本橋にある老舗・鈴膳デパート。100周年記念のイベント最終日、それぞれに事情を抱えた人たちが、それぞれ閉店後の店内にひっそり潜り込む。
仕事も家族も失って自殺を考える中年男性、高級商品を盗もうと企む女性店員、家出した少年少女のカップル、訳ありの元警察官、宝飾部門の男性マネージャー。そこに鈴膳デパートを心から愛するベテラン警備員、配下の若手警備員、創業家出身の頼りない社長も加わって、右往左往の一夜が更ける…。
お話の展開としてはなかなか面白い。多くの人の物語を切り貼りしながら話を収斂させていく技巧はそれなりに読ませる。
ただ残念ながら、それぞれのエピソードは平凡で、登場人物も共感出来るような人がおらず、最後のまとめ方もキレイ過ぎ。
落ち目のデパートに対する愛情は感じなくも無かったけれど、デパートでなければならなかった程にはその舞台を活かせておらずで、全体的には、退屈せずには読めたけど、イマイチ物足りないっていう感じ。 -
真保裕一でもこういう作品を書くんだ。というのが第一印象。内容はさすが真保裕一という感じで、幾つもの伏線が最後に見事に一本の太い幹になっている。特に終盤に登場する半田良作のサイドストーリーが、涙腺を刺激する駄目押しとなっている。
確かにかつてデパートは子供にとって夢の場所だった。オシャレをして出掛け、上層階のレストランで小さな国旗が立てられたお子様ランチやホットケーキを食べるのが楽しくて仕方なかった。食券というのも新鮮だったし、その食券をウェイトレスのお姉さんが器用に片手で半券をちぎるのを真似たりもした。レストランの眼下には開通したばかりの新幹線が行き交い、屋上に上がれば遊園地まであった。
この様な昭和30〜40年代に掛けてのデパートに対する愛情をふんだんに感じる作品でもある。その後老舗百貨店の凋落もいくつかニュースになったことも思い起こさせる。
きっと作者自身もデパートに輝きを取り戻して欲しいと思っているに違いない。 -
深夜の老舗デパートに、何やら怪しい輩が集まり、絡み合い、繋がっていく。それも、絶妙なタイミングで。
騒がしいが、決してドタバタ劇ではなく、緻密に計算し、構成されたストーリー。よくもまあ、考えつくもんだ。 -
夢いっぱいのデパートとは、ちょっと違った内容。楽しく読めるのではない感じでした。
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軽いタッチ。睡眠前に少しずつしか読めなかったので人を覚え切るのが大変だったが一気に読めばもっと楽しめた。深夜のデパート歩きと事あるので感慨深い
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創業100周年を眼前に控えた丸膳百貨店、深夜を廻り警備員が巡回する中で居場所を失った者達が徘徊する。 妻子に見捨てられた男、復讐の為に盗みを働こうとする女、家出青年、ヤクザ、社長。 姿の見えない暗闇の中での出会いは思いもよらない方向に転換してゆく。
見ず知らずの人がデパートに一挙集結し、人の心の内からデパート経営の裏の秘密まで大っぴらにしてゆく群像劇になります。
僕は子供の時だろうが大人の時だろうがデパートに来たらテンション上がりますよ。