北條龍虎伝(下) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776561

作品紹介・あらすじ

河越城の周りには、関東の諸勢力が参加する八万五千の北條包囲軍。守る綱成の兵はたった三千。綱成を助けるか、城を残すか――。氏康の苦悩は頂点に達する。北條氏を関八州の覇者へと押し上げ、新旧の勢力交代を鮮烈に印象づけた乾坤一擲の戦い「河越夜戦」を、微細かつ大胆に加筆。戦国史ファン必読!

感想・レビュー・書評

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  • 痛快!
    河越夜戦の乾坤一擲、その背景を描写。

  • 氏康の初陣から河越夜戦までは展開がスピーディだったな。
    今川の姫との祝言、河越城の奪取、鶴岡八幡宮の再建、そして氏綱の死と氏康の家督相続と遂に氏康が北条を束ねる立場になったと思える内容だった。
    [more]
    後半は今川、武田の電撃的な和睦、そして北条との対立からの関東管領を筆頭とした北条包囲網の形成と衝撃的な出来事を目白押しだったね。そんな中で家督を相続した氏康が当主としての決断を下すところ、小太郎からの報告と進言を受け、迷いを断ち切ったところなどが氏康の確かな成長を感じる事ができた。
    一方で綱成も北条を支える一翼として、さらには氏康を支える存在として大きく成長した感じるのを強く感じた。最後の晴氏に突撃した事も綱成らしいと思ったよ。

  • 「三代にして関八州に覇を成す」 相続間も無く、今川武田両上杉里見足利と各勢力から一斉に攻め寄せられ、北条氏康が窮地に立たされるシーンから、幼少期にもどり、最初の時間軸へかえってくるまで。一本気で武では誰にもひけをとらない北条綱成、悪童たちの頭目から忍びを束ねる頭目となった風魔小太郎との交流。剣の試合を通じて始まった莫逆の交流、妹と綱成をめぐる恋物語、小太郎の外郎売りに扮した一面、忍びいるときのやりとりなどの講談的な楽しみ。また、河越の夜戦の描写はぞくぞくするほどの迫力だった。ロック魂をかかえての執筆であったことを語るあとがきもまた一興。/「この戦、本線は武蔵にあり」。/晴信は目先の戦利よりも、貸しの方が遥かに大きいと踏んでいる。/「全然上手くいきませぬ。座して目を瞑っていると急にゆえもなく笑いが込あげてきたりいたしまする。参りました」/「守る人なき空城は無為なり。耕す人なき不毛の地もまた無為なり。国とは人の連珠、人材こそは国の要。」/この城を囲んでいる軍勢の数こそが、まさに当家に向けられた敵方の憎悪そのものではないか。さような状況になるまで、負けた者の怨念のことなど露ほども考えていなかった己は、なんという暢気者であったろうか...。

  • 調布深大寺、分倍河原、河越など地元の地名がふんだんと出てきており、興味深かった。大将の決断、今で言う社長の決断とは、孤独なものだなと思われた。また、文庫本あとがきが時代小説のものかと思わせる内容。ほとんど洋楽ロックに対するエッセイ。ベック、ピンクフロイド等々、北条氏康もびっくり!解説の誤植を発見、出版社連絡済み。

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著者プロフィール

作家

「2018年 『我、六道を懼れず[立国篇](下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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