部屋 下・アウトサイド (講談社文庫)

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制作 : 土屋 京子 
  • 講談社 (2014年1月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062777407

部屋 下・アウトサイド (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 部屋の外に出れば全てが上手くいくわけではなかった…。ママは心の病で入院し、生まれて初めて別々に暮らすことになったジャックは子供なりに外の世界に馴染む努力をする。部屋に戻りたがったジャックが部屋とサヨナラするシーンが切ない。

  • 2016/09読了。監禁されていた母子の脱出劇のその後。

    ジャックにとっては初めての世界。ママにとっては懐かしい世界だけど、ジャックは世界になじめず、ママは追い回すマスコミに苦しめられる。

    途中いろいろと疑問がわいて・・・

    初めて外界に出た子供をいきなりうるさいショッピングモールに連れていくなんて、どうなの?ママも無理してインタビューなんか受けなくていいのに、っていうか、医療機関が止めればいいのに。おばあちゃんもずいぶん適当な世話をしてるけど大丈夫?もっと手厚く看護やカウンセリングを受けられないの?ジャック目線だから書かれてないだけ?

    最後には、改めて部屋に行き、部屋のすべてにさよならした二人。部屋から外に出るのは、ジャックをもう一度産むことになる、と上巻でママが言ってるけど、この下巻のラストでジャックとママは世界に再び産まれ出たんだな、と思う。ここから本当に二人の新しい暮らしが始まるんだな、最後の最後はハッピーエンド。

  • やっと、『外』に出られた二人。
    だけど、そこに待ち受けていたのは、『部屋』よりもずっとずっと辛い現実。

    その痛みを何よりも感じていたのが『ママ』で、ジャックは『部屋』を懐かしむ。

    義理じいといわれる、『ママのママ』のパートナー一人だけがジャックを理解しようと努めてくれて、それが救いになっているようにも感じた。

    ママのお兄さんがジャックを外に連れ出す下りは、どちらの気持ちもわかって辛い・・・。

    でも何とか難着地・・・。面白かったです。

  • 拉致監禁は助け出されて終わりではなく、そこから新たなスタートだという当たり前だけど忘れがちな事を説いてくれる後半のお話です
    部屋の中だけが全世界だった5歳児は見るもの触れるもの、家族でさえ初体験の連続でこちらの世界の常識を持ち合わせていないから驚きと戸惑いの連続
    でも子供のたくましさを感じる事ができる作品です

  • 念願の“自由”を手に入れたジャックとママだったはずなのに、そこで待ち受けていたのは、あまりにも不自由な生活で…
    自由で恵まれた生活っていうものは、それぞれの価値観で、生まれ育った環境で作られるそれは、決して一様ではないと言うことを考えさせられた。
    最後の『 へや』との決別のシーンは、何かを得るために何かと別れなければならない、成長には欠くことの出来ない儀式にも似ている気がした。

  • アウトサイド。ずっと自由で解放された、と思いきや、生きづらさが伝わってきます。私たちはこういう世界の中で、自分も人に対してもがんじがらめなのに気づかず生活してるんですね。ジャックに教えられました。でも、アウトサイドにいる限り、そうしなければ生きていけません。せめて子どもの声を聞き、周りに目を向けよう、と思えました。人の中で生きることについてこれまでにない切り口で考えさせてくれた、稀有な作品だと思います。翻訳の方のご苦労もしのばれました。さっそく映画見に行きます。重ね重ね、ブクログさん、ありがとうございました!

  • "へや"の外に出たジャックとママは精神科もある大きな病院に匿われる。外ではジャックを"ボンサイ・ボーイ"と悲劇のヒーローに書き立て、ママはまるで聖女のように描かれる。マスコミからの取材、ママの家族の問題、外の世界と"へや"のなかのずれ、外の空気や日光への慣れ。"へや"に置いてきた友達と、外でできた友達。少しずつ世界を受け入れていくジャックと、そんな彼と、離れていた間の世界の流れにまた乗ろうと必死にもがくママ。二人の"へや"への感じ方の違いが切なくて、そこから生まれるすれ違いも切ない。大人だから仕方ないこと、子供だから仕方ないことが、両方胸に迫る。
    ラストのたくさんの"さよなら"に、静かに物語は終わり、彼らの人生が始まっていくことが明るく感じられてよかった。

  • 「部屋」、ようやく下巻を読み終えた。
    語り部は今回もジャック(^^;)。まぁ、予測していたことではあ
    ったのだけど、このガキの喋り言葉は鬱陶しいことこの上無い。
    忙しかったとは言え、たった1冊の文庫を読むのに4日近くを費
    やした。う〜ん・・・。

    サブタイトルは「アウトサイド」。
    上巻の最後で見事に“大脱走”に成功したジャックとその母親の
    「その後」の話。一般社会は母親にしてみれば生還だが、ジャッ
    クにとっては初めての場所。自我が芽生えてから突然“普通”の
    生活に放り込まれたジャックの気持ちにはもちろん共感出来ない
    が、その苦しみだけは手に取るように解る。ただ読む事しか出来
    ないのに、強烈な痛さだけは随時襲ってくる。
    ・・・出るもまた地獄、ということなんだろうか?

    そういう意味で凄い作品ではあるのだが、ハッキリ言って順番
    間違えた(^^;)。この小説を読んだ後に映像化されたモノを観よう、
    という気になる人が居るとしたら、その人格を僕は否定してしま
    うかもしれない。それくらい後味の悪いストーリーであり、その
    世界観を思い返すとゲンナリする。

    さらに言うなら、翻訳がハッキリと「失敗」と言い切ろう(^^;)。
    5歳児の喋り言葉をああいう日本語で表記する、というのは、
    大きな勘違いのような気がするのだが。“知的レベルの高い5歳”
    を日本的な幼児言葉の羅列で誤魔化すのは正直卑怯だと思うし、
    もう少し言葉のレベルを上げて表現しても腕の立つ人なら成立し
    たように思う。違う訳者の翻訳なら、と考えると惜しいなぁ・・・。

    ただ、もちろん万人にはオススメしません(^^;)。
    映画先に観ればよかったな、マジで。

  • 上巻の方が面白かったな。
    そのなんていうのかな、推測がたくさんできるからなのかもしれない。
    下巻はその後のことを5歳児目線で書いてるから、現在によりリアルなのです。新聞やテレビやらの、ジャックたちについての表現。リポーターの母親に対しての信じられない、けどとてもありうる質問の数々。そしてその結果の哀しい事故、そしてそこからの再生と、事実を知るということでのハッピーエンド。部屋に対して縮んだ? と聞いたジャックのその言葉が本当のすべてだったんだろう。

    映画を凄く見たくなった。本の中では5歳児だからかあまり表現されてなかった部位もきちんと映像として残ってるのだろうと考えると気になって仕方ない。先に原作読んでよかったなって思った。

  • 部屋に監禁された母子が部屋から脱出したあとの出来事を描いた下巻。子どもの視点から書かれているので、悲惨な事件に別の新しい光を当てたような感じになっている。≪へや≫の中で母親と一体になっていたジャックが、外の世界のことを知っていくうちに、母親からの分離が進んでいっており、≪へや≫から新しく世界の中へ生み出された様子に感動した。≪虫は≫とは別れるわけではなく、自分の見えないところの一部になった、という表現が、幼いながらも的確な表現で感動した。幼い言葉で本質を描いている様が本当に良い。最後に≪へや≫にさよならできて終わるハッピーエンドでよかった。

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「部屋」の中で産まれ、部屋の中で育ち、5歳になるまで一歩も「外」に出たことがなかったジャック。ジャックは「外」に「世界」があることすら知らないままに育ちました。だから、「脱出」に成功しても、すべてが初めてのことです。

初めて会ったおばあちゃん、おじいちゃん。
初めて食べるたくさんの食べ物(だからちょっとうんちが出なくなっちゃった)。
初めて感じる風(飛ばされそう!)。
初めての遊具(どうやって使うの?)
初めて会う、ママをいじめる嫌な人たち(どうしてママを泣かせるの?)。

外は楽しいってママから聞いたのに、なんでこうなっちゃうんだろう。
だから、ちょっとだけ、あの鍵のかかった、天窓のある「部屋」に帰りたいと思ってしまうのです――。

7年間、たった一人で密室にいて、5年間ジャックを育ててきた「ママ」の孤独。そして彼女の選択。
極限状態から「解放」されたはずの人間のさらなる苦悩と、再生のための、人間の決意。大きな救いを感じる、世界で絶賛されたベストセラー。

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