海賊とよばれた男(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 740
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778305

感想・レビュー・書評

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  • 在り方について再考する機会に感謝。
    下巻で私が沁みたのは、日田重太郎氏の存在。
    上巻でもその言葉に涙したが、下巻はその集大成。
    国岡商店の本当の生みの親といっても過言ではない。
    フィナーレで蘇るタンク底に笑顔で潜っていく男たちの姿。3人のレンガ職人を彷彿とさせる。
    紛れもなく人間尊重の信念が信頼と希望を生んだ結果だ。
    信念が支えを生み、連鎖していくことの美しさが感じられる素晴らしい小説。

    「たとえ99人の馬鹿ぎいても、正義を貫く男が1人いれば間違った世の中にはならない。」

    「リスクのない商売はない」

    「人生は一度きりだ。ふたつの道はない。」
    ユキと多津子を回想しながらの一言。

    「人間を信頼するという考え方を広めていくことこそ、日本人の世界的使命」

  • 圧巻。
    実話を基にした物語だという事実が、その男の熱い想いをさらに魅力的に彩った。

    ただ一方的に諸悪の根源のように描かれた官僚たちの施策について、巻末解説文執者が“彼らなりの正義”について触れてくれているところが、フェアーでなお良し。

    これぞただしい“解説”だ……と、本文以外のところにも好印象。この本は、文庫版で読むべき(笑)。

    ★4つ、9ポイント半。
    2017.01.12.新。

    ※映画も、観よう。

  • 読み終わってしまうのが、惜しいという気持ち。
    子供の頃に耳にした「アポロ」や、意味が分からなかった「民族系企業」という言葉が理解出来て、ストーリーと自分の時代が少し重なり、深みを増した。
    それにしても、徳山製油所を10ヶ月程で完成させてしまった事はあまりにも無茶ではあるが、何か神ががったものを感じる。
    解説で触れてあったが、ストーリーは国岡商店側からの視点で書かれている。一方、相手側の見方も気にはなり何ゆえに国岡商店にその対応をしたのか、ただ潰したいと言うだけではない部分もあると思う。
    少しその所も触れられると、面白みが増すような気がする。

  • めちゃくちゃ面白い。
    出光佐三という人間から勇気がもらえる。
    何十年にもわたって感動させることができる人物こそ偉人であると思った。

  • 出光興産出光佐三の物語
    こういう日本人達がいたからこそ、日本は戦後あんなにも早く復興し、世界の1等国になれたのかと実感しました。小説なので、どのくらい創作が入っているか気になるところ。
    最近出光のガソリンスタンド見かけないな

  • (上下巻合わせてのレビューです。)

    数年前、本屋大賞に選ばれて、ドラマにもなり、話題になった本。
    機会があってようやく読めました。
    上下巻あって、結構なボリュームかつ壮大な物語。

    ガソリンスタンドでよく見る出光の出光興産を創業した
    出光佐三氏をモデルとした物語。
    戦前に創業し、海外展開していたものの、
    敗戦により海外資産をすべて失い、
    またゼロから組織を発展させた出光氏の壮大な物語は、圧巻の一言。
    特に出光氏の価値観・哲学にブレがなく、読んでいて気持ちが良い。

    上巻は、GHQに戦犯扱いされてしまった主人公の戦いが、
    後半はイランからの石油輸入劇がクライマックスか。
    上巻は期待していたほどでもなかったかな…と思っていましたが、
    下巻に行くに従って、物語が壮大になっていって段々面白くなってきました。

    ただ、テーマが石油なんですよね。
    気候変動の面から、これからはどんどん戦犯扱いされていきそうな石油。
    そういう意味では、段々読まれなくなっていく本なのかな、とちょっと寂しさも感じた本でした。

    あと、イランの歴史をあんまり知らなかったのですが、
    (この本に書かれたことが真実であれば)
    今のアメリカと敵対しているイランを作り上げたのって、
    アメリカの自業自得のような気がしました。。
    改めて、正義の難しさを感じました。
    (それぞれの国に正義がある。)

    個人的には、「永遠の0」の方が好みですが、
    こちらも著者の対策であることは間違いないですね。

    ※永遠の0
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/406276413X

  • 友人に勧められて読んだ。当時の若者の行動力や精神力は自分とは比較できないほど遥か上をいってるなとつくづく思った(あと爺さんも)。周りの声に負けず、自分の信念に従って行動する強さを大切にしたいと思った。

  • 上下巻を一気に通読。
    出光が民族資本で、メジャーに対抗してきたということは知ってはいたが、まさかこれほどまでのドラマがあるとは知らなかった。
    社員は家族、人間尊重、定年も出勤簿もない。強烈なリーダーシップの経営者だからこそなせる技であり、その意味では普通の人には参考にならないのかもしれない。ただ、こういう会社があり、その会社が日本の戦中、戦後復興に大きな役割を果たしたことは日本人として知っておく必要はあろう。

  • 国岡鉄造さんの人の温かさ、決断力に引き込まれました。本当にすごい人です。

  • 下巻読了。

    いやあ、国岡商店、やるじゃないですか!社長(店主)の鐵造さんだけでなく、社員の皆さんが輝いていますね。
    中でも“日章丸事件”のくだりは心が震えました。
    イギリスから搾取され続けたあげく、経済制裁されているイランの石油を買う為に、欧米の巨大石油業界を敵に回す覚悟で国岡商店のタンカー・日章丸をイランまで派遣するのですが、日章丸がイランのアバダンに入港したとき、そして英国海軍に襲われる危険をかいくぐって日本に帰港したときは、思わずガッツポーズをしたくなりました。
    日章丸の船長・新田さんを筆頭に、乗組員の皆さんの覚悟が恰好良すぎます。(実際、英国海軍が待ち伏せていたというのだから、いやはや、危なかったー・・)
    反骨精神を貫くあまり、敵が多く、大変な事ばかりだった国岡さんですが、その生き様は心を熱くしてくれるものがあります。
    映画も観てみたくなりました。

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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