上海ジャパニーズ 日本を飛び出した和僑24人 (講談社+α文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062811446

感想・レビュー・書評

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  • 華僑という言葉に対抗して、和僑という言葉が 
    中国で働いている日本人の間で言われ始めている。

    この本は そういう人々にスポットライトを
    あて、取材している。

    『インタビューものにありがちなプラス面や成功話
    がどうしても前面に出てしまう。
    どこか作りものめいたものを伝えているようで、』
    という 作者の吐露が、この本の本当の意味なのかもしれない。

    『彼らはまだ途上にいるのだ』。と須藤は言う。

    生きているというのは、死ぬまで、『途上』なのだろう。

    『上海で働く』という本を須藤さんは本を出して
    その3年後に再度インタビューする。
    時間とともに、ニンゲンは変化し、進化したりする。
    その試みが生きているのかが・・・楽しみである。

    上海のアツイ風に吹かれて、
    上海で働く18人のナマの声が、書かれている
    その人の語り口調で、書いてあるので、読みやすい。
    そして、自分の言葉なので、心に届きやすい・・

    上海の人たちのエネルギーを感じながら、
    自分の力を発揮する人たち。
    多くは、日本での同世代の人たちより給料が少ないが、
    上海にはチャンスがあり、
    上海のスピードにあわせて、決断し行動していく。

    日本人の「いま」と上海にいる日本人の「いま」は、
    大きな差があるように見える。
    日本人の「いま」は、ストレスとつかれた足取りで、先も見えない。
    上海にいる日本人は、「向こう見ず」だ。
    自分の好きなことをやりたいと思い、
    自分の可能性を引き出し、挑戦していく。

    上海生活の手引きもあり、わかりやすい。
    こんなことで、トラブルがということも書いてある。

    上海で、苦労しながら、楽しんで生活している人、
    これから、上海で、なにかをしてやろうという人は、
    この本は、大きな励ましの本になるとおもう。
    3年という歳月は、
    日本人たちが、苦しみ、悩み、そして、
    生活の安定を得ている・・人もいれば、
    違う場所でチャレンジする人、
    日本に戻っている人・・・がいる。
    人生いろいろである。

    読んでいると・・・
    何か、甘酸っぱい感情が身体の中から湧いてくる。
    不思議な感覚がある。

    ライターである須藤みかさんは、
    上海で活躍する日本人の伴奏者のように
    温かい目で・・
    その人たちの苦悩と喜びを浮き彫りにする。
    素敵なタッチ・・・・
    奏でるハーモニーが・・・素敵である。

  • 上海で働く友人がいるが、中国で働くなんて考えられないと思っていたが、この本を読むと、それも面白いかもしれないと考えが変わった。上海で働く友人に読ませたい。

  • 10冊目

    上海で働く日本人がたくさん紹介されています。
    以前出版された本にそれから数年後の姿も載っています。

    読み物としては人のざまざまな人生が載っており、おもしろいです。読み終わった後、思いきったころする人がたくさんいるんだなーって関心します(中には無計画すぎて驚く人もいますが・・・)。

    中国についてと言うより、海外で企業したい人とかは読んでみるといいかもしれません。

  • 上海を舞台に活躍する24人の方の話しをつづった本。その人の見方や関わるコミュニティによって見える世界が全く変わる上海。自分も上海留学中の身なので面白く読めた。知り合い載ってた(笑)

  • 俺だとかは、会社に送り込まれた駐在員だけれども、
    10万人を超えるという上海にいる日本人の中には
    自分の意思で海を渡ってきて、一旗あげようとしている
    人たちもいる。
    そんな人たち24人のインタビューをまとめたもの。
    「上海で働く」というタイトルで以前出されたものに、
    「その後」を加えて再出版。

    世界で一番発展成長している街といわれるここ上海。
    その中で、チャンスをいかしてこようとしてきた彼ら。
    「サラリーマン」として駐在員している俺とは違った
    エネルギーを感じるとともに、俺もこんなんじゃ
    いけないよなとも思ったり。

    上海で仕事をしていく上で、学ぶべきこともたくさんあるし、
    うちの会社にもいる現地採用の日本人スタッフ達は
    きっとこんな思いで上海に来てるんだろうなとも思ったり。

    俺も、ぬくぬくとサラリーマンしてるだけじゃ駄目だよな。
    起業しないとな・・・。

  • 就職氷河期で上海に渡った青年・退職後第二の人生を上海でと思い立った老夫婦(本人にいったら否定されそうだが)など色んな角度から見た、日本人にとっての上海、しいては中国。海外在住者にとっての現地での日本人社会の大切さがよく分かります。
    追記
    この本は夢破れ帰国した人たちのエピソードもあるとこがまたいい。

  • 面白いなと思うのは、華僑をもじった和僑という表現。その和僑が24人、若い人から年配まで、上海で働くやり甲斐や苦労を語る。その人たちの顔写真もあるから、余計にリアリティもあって。ガムシャラに挑戦しながら、どこか洗練されぬ作法は、やはり中国流が混じっているような印象を受けるが、それぞれに逞しく、強い生命力を感じる生き様。海外で生活する事を決めた人間は、共通して生命力が強くバイタリティ溢れる。そうじゃなくては、日本に閉じこもるからだろう。

  • 今から10年ほど前の話だが、上海で働く/働いた24人のストーリーから、上海の成長の気迫を感じた。SARSや反日デモなどの逆境にめげず、まい進する姿に元気をもらった。私が上海に興味を持ち始めたのは、この本が出版されて随分経ったころ。勢いがある都市としての魅力はまだまだある。次に上海に行くための知識として蓄積。

  • 上海に関わる日本人について知りたくて読書。

    24人のうち1人が知り合いだった。上海万博前の2007年なので少し前の話となる。インタビュー形式のため、上海の生活や仕事、喜び、苦悩などがより伝わってきやすい文面となっている。

    海外の都市で成功した日本人をレポートする本や記事は少なくない。しかし、本書は、初回のインビューの3年後に再度インタビューして追記している点がよりユニークな点。より現実味を感じることができる。

    中にはすでに帰国して別の仕事をしている人もいる。彼らの内容は、中国に関わる人間の1人として興味深く読ませてもらった。

    読書時間:約1時間

  • 読んでいてエキサイティングな気持ちになる本。
    上海でビジネスをやることの、おもしろさと、厳しさを感じられる。

    単にインタビューだけでなく、和僑たちのその後も書かれているところが良い。

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著者プロフィール

フリーランスライター。
出版社勤務を経て、94年上海へ語学留学。
国営出版社勤務ののち、フリーランスに。
復旦大学大学院修士課程終了(新聞学)。
2003年から1年半、香港に滞在。
著書『上海で働く』(めこん)。共著『日本の常識は中国の非常識』(時事通信社)、『ハッピーシャンハイ』(双葉社)。
現在、中国に腰をすえ、中国人のライフスタイル、異文化コミュニケーション、出版事情など多分野にわたり取材を続けている。

「2007年 『香港・広東で働く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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