- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062812238
感想・レビュー・書評
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心理学科の学生なら、YG検査やロールシャッハ、内田クレペリン検査といった古典的な心理テスト(検査)は、授業で一つは触れたことがあるだろう。私自身、学部2年生の時にYGと内田クレペリンはやった。
おそらく、一般の人であっても、企業の選考の適性検査や、教習所の免許を取る時の適性検査でやったことがあるものだろう。
心理学の世界では、古典的な心理テストや研究、理論は「昔からあるから信頼できるもの」として盲目的に支持されるという悪しき習慣がある。
しかし、著者はこれに疑問を投げかけ、様々な研究を引用して、これらの心理テストがいかに当たらないか、また、当たらないにもかかわらず、「当たった!」と感じてしまうトリックを考察していく。
大学において、折角、雑誌やテレビで取り上げるような根拠もない通俗的な心理テストではなく、「ホンモノ」に触れた、もしくは触れようとしている学生であれば、読んでおいて損はないはず。
レポートを書くときに考察の幅を持たすこともできるだろう。
また、いつものようにシニカルでユーモラスな文体なので読みやすいことも評価できる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者は怒っている。
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なぜか皆が好きな心理テスト。
血液型による性格診断や、インクのシミで心を占う「ロールシャッハ・テスト」さらには、就職試験や適性検査などでも使用される「内田クレペリン検査」など…
多くの人が一度は関わるであろう心理テスト。その真相にせまる!!
[140.7/MU] -
新書文庫
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統計学の知識をわかりやすく示しながら血液型診断や性格テストを批判していく。やや上からの物言いながらも痛快に書かれているため腹落ちする。就活生が一読すると良いかもしれない。
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本書は1950年生まれの認知心理学・統計分析を専門にする心理学者が刊行した、心理テストの性質・限界を明らかにしたうえで一般の誤解を指摘する本。『「心理テスト」はウソでした。』(日経BP社2005年)を文庫にしたもの。
【メモ】
・日経BP版の商品ページ
<http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P44460.html>
・本書の否定にと思わせて紹介文。
ネットでの掲載:2014年05月01日
和田亜希子「電子書籍」セレクト第四回(日経BPネット)
<http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20140421/1056841/>
・心理学畑っぽい人による本書への再反論の意見も(ネットでは)ちょくちょく見かける。といっても議論の厳密性についてだが。
・この本で何から何まで説明してもらうことは、常識があれば期待しないだろう。
【文庫版目次】
第1章 なぜかみんなの好きなABO-血液型人間学
第2章 万能心理テスト-その名は「バーナム効果」
第3章 インクのシミで心を占う-ロールシャッハ・テスト
第4章 定評ある性格テストは大丈夫か-矢田部ギルフォード性格検査
第5章 採用試験で多用される客観心理テスト-内田クレペリン検査
エピローグ-仕事の能力は測れるか -
ABO式血液型別性格判断はともかく、心理テストやロールシャッハテストなど自動車学校でテストされるようなものですら、実は科学的根拠は曖昧というのにビックリ。
科学的な見た目をしたものほどご用心ってことですね。 -
うそでしたかあ‥
つかみは、流行りの血液型での性格分類がいかにあてにならないかを統計論に基づいて主張。
つづいて、従来の心理検査のうちのいくつかが、いかに信頼できないものか、こてんぱんに批判する。
そのうちのいくつかの名前は私にも馴染みがあるもの。
本題ではないが、外交的なひとは外部からの刺激をブロックする傾向が強く、内向性の強い人はこの刺激を敏感に感じやすいという。興味深い。 -
血液型、ロールシャッハテスト、矢田部着ルフォード性格検査、内田クレぺリン検査、すべて何の科学的根拠もないインチキだった。心理学者が書いているからこそ説得力あり。