- Amazon.co.jp ・本 (36ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062830126
作品紹介・あらすじ
アフリカ奥地の村の少年ヤクーバは一人前の若者として認められるために独りでライオンを倒しに出かける。しかしそこで出会ったのは、瀕死のライオンだった…。
感想・レビュー・書評
-
高学年向けのお話し会用にと読んだ一冊。
この作品の持つテーマは重くて深い。
お話しの舞台はアフリカの奥地の小さな村で、訳者の柳田邦夫さんはフランスの出版社でこの本に出逢ったという。
熱いメッセージを含んだ「あとがき」まで、ぜひぜひお読みいただきたい。
ひとりでライオンと戦って倒すという、少年から大人になる儀式。
それをクリアすれば、名誉ある兵士として村のひとびとに認められることになる。
ところが、少年ヤクーバの前に現れたのは、手負いのライオンだった・・・
彼の選択肢はふたつ。
チャンスととらえて殺してしまうか、殺さずに帰るか。
そのどちらが、真の勇気ある者の行為なのだろう?
モノクロの重々しい絵は大変な迫力があり、答えの選択を迫られて胸が痛くなる。
読み手も、しばし立ち止まって考えることだろう。
彼が名誉と秤にかけたものは何だったのか。
真の勇気とは何か、わたしは何度も考える。
わたしはそれを、行為に示すことが出来ていたのか。
損得勘定や名誉・名声のためでなく、ひとり振り返って後悔のない道。
いつまでも、自身の心の宝になるような、そんな選択。
これはもう【善きひとのためのソナタ】の世界である。
歴史の中には、そういう幾多の英雄がいたことだろう。
子供たちには、そういう英雄の存在こそ教えてあげたいものだ。
そして、自分もそうであらねばと思う。時をすでに逸した感もあるけれど。
文章は短いので、ゆっくり読んでも約5分。大人にもおすすめです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
6年生最後の読み聞かせに。
本当の勇気とはなにか。
これからの人生で、たくさんの選択をするであろう子どもたちへ。 -
なかなか難しいメッセージ。
大人の私でも正しく受け止めるのが難しいかも。
でもすごく大切なこと。 -
小学校高学年が楽しめる昔話の読み聞かせ。
読み聞かせ 5分
「殺された側は報復のために相手を殺す。終わりのない報復の殺し合いが続いていく。その悪循環を断ち切るにはどうすればよいのか。日本の社会に目を向けると、いじめられた子が復讐の事件を起こす。虐待された子がやがて虐待する側にまわる。これも同じ悪循環だ。もうひとつの道――『殺さないことだ』という、ライオンの問いかけは重い。」――柳田邦男(巻末の解説・あとがきより)
アフリカの奥地にある小さな村。今日は、成長した少年たちが戦士になる、特別な日だ。ヤクーバたち少年は、ライオンとひとりで戦って、勇気を示さなければならない。
夜になって、ヤクーバはついにライオンに出会った。しかしライオンは傷ついていて、その目はこう語っていた。
「おまえには二つの道がある。わしを殺せば、りっぱな男になったと言われるだろう。もうひとつの道は、殺さないことだ。そうすれば、ほんとうに気高い心をもった人間になれる。だがそのときは、仲間はずれにされるだろう。どちらの道をえらぶか、それはおまえが考えることだ。」
ヤクーバは、ライオンを倒し、名誉ある戦士になるのか。それともーー
フランスの作家デデュー・ティエリーによる迫力のあるモノクロの絵が、重たいテーマとあいまって読み手にぐいぐいと迫る絵本。
卒業式などの節目の読み聞かせにも大人気の1冊です。 -
感想文向き
-
勇気とは。
-
ヤクーバとライオン、第一巻、勇気。
アフリカの通過儀礼。
読み聞かせしておきたい一冊。 -
7分