刀語 第十二話 炎刀・銃 (エントウ・ジュウ) (講談社BOX)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062836524

感想・レビュー・書評

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  • 久々に再読。シリーズ全部面白いとまでは言わんのだが最終巻は文句なしだなあと改めて思うのでった。

  • アニメで見たときは衝撃でしたが…改めて文章を読んでみると、細かな部分もわかって、こういう展開が正しかったんだなぁ、と思いました。

    物語の主人公たちがいつでも死なずに物語を完成できるわけではない。物語を歴史ととらえるならば、最終的に残った者が主人公であり、その主人公を視点としてうまく物語を繰り出してきたように思えるけれど、本当は一つのストーリーなんかではなく、その都度その都度色んな選択肢をたくさんの登場人物が選択し、うまく対応できた者だけが残っていったという結果なんですよね。だから、志半ばで消えていくものは大勢いるし、今回のとがめもそうだったということ。

    そして七花は、とがめの為でもなく、否定姫の目論見とも関係なく将軍を殺すけれど、結局それで何も変わらなかった、というのがなおよかったです。そんなことで世界は簡単には変わらない。太平の世を作り上げて久しい将軍家なら、後継ぎやら何やら将軍のスペアなんていくらでもいそうだし。
    千年先を予知してそれを改竄しようと様々なことをしてきた四季崎の家が、そんなこともわからなかったというのは不自然ですけれど(笑)

    普通の物語のように、紆余曲折はあったものの最後は目的を果たしてハッピーエンドというよりも、こういう話の方がかえってスッキリすることもあるなぁ、と思いました。それは西尾さんの文章だからでしょうか。
    面白かったです。

  • アニメで結末を見たあとは納得できない思いややり切れない思いでいっぱいになりましたが、原作で最終決戦後の七花の心情などを文章で読むことで、なんとなく理解できたというか、この作品に対して自分の中で折り合いを、多少は付けられたと思います。
    アニメだけでは把握できていなかった設定を確認することもできたし、竹さんの絵はとても魅力的だし、原作を読んで良かったです。
    二人幸せに終わって欲しかったという思いは拭えませんが…。
    物語を締めくくる最後の文章は、アニメのナレーションでもありましたが、心にきます。

  • 純粋なハッピーエンドではなかったけど面白かった。
    一人で城を攻め落とす七花かっこよすぎ!
    とがめとの最期の会話でしんみりしてたところに、「ちぇりお」とは…ww
    色んな意味でとがめらしい最期だった。

  • 残る完成形変体刀は一本――炎刀『銃』のみ。
    十一本目を蒐集し終えて尾張へと戻るその途中、
    突然姿を表した、炎刀『銃』の所有者・左右田右衛門左衛門。
    その手によって放たれた容赦のない弾丸が、とがめの体を貫く。
    ようやく終わりが見えたこの段階にいたって、
    絶体絶命の危機を迎えた七花ととがめの旅。
    果たしてこの物語はどんな結末を迎えるのか――。

    講談社BOXレーベルが放つ、未曾有のプロジェクト「大河ノベル」。
    その記念すべき第一弾として刊行された「刀語」の最終話。

    第十一話のラストで、物凄い「引き」の演出があったため、
    最終話でどんな展開になるのか、かなり気になっていたのだが、
    そんな読者の気持ちを翻弄するかのように、
    最終話の序盤はあっけない展開で始まる。

    そこから、物語は様相を変える。
    七花ととがめによる変体刀蒐集が、
    それまで、物語の流れを形づくる道筋となっていたわけだが、
    ここにいたって物語の流れは、大きなうねりに呑み込まれる。
    そのうねりとは「歴史」。
    これまでにも物語中、随所に登場した「歴史」の存在が
    鮮やかに表に現れて、物語を結末へと運んでいくのだ。

    そうなってからは、まさに最終話にふさわしいお祭り騒ぎだ。
    初登場のキャラクターがばんばん登場し、そして退場していく。
    めまぐるしく役者の入れ替わる舞台上での出来事に
    観客はどこか唖然としながらも目を向け続けてしまう。

    そして、なぜだか妙に清々しい気分にさせられ、本を閉じる。
    決して、万事うまくいった、と言えるストーリー展開ではない。
    失ったものは大きいはず。
    それなのに、なぜだか妙に清々しい後味。
    戯言シリーズや「きみぼく」にも似たような味があったが、
    やはり西尾維新はこういった終わらせ方がなかなか上手い。

    とにもかくにも、「最終話」らしさ満点の最終話だった。
    グランドフィナーレとしての完成度は申し分ない。

    ミステリー畑から出発した作家の宿命として
    ミステリー色の薄い作品を書くととやかく言われる西尾維新だが、
    優れたエンターテインメント小説を書き続けていることは確か。
    この「刀語」にしても然り。

    一年の長きにわたって展開された、西尾維新流時代活劇。
    途中、「ん?」と思ってしまうこともなくはなかったが、
    この最終話を読了した今は、「刀語」に賞賛を送りたい。

    そして、十二ヶ月連続刊行を無事成し遂げた、西尾維新氏に拍手。

  • ・・・なんかおしゃれな終わり方・・・

  • ・・・なんかおしゃれな終わり方・・・

  • 古代日本史好きな私は、正当ではないと言われる説が好きで、序章でもう引き込まれました。史料といわれるものは本当に正しいのかしらね。四季崎記紀の名前に深読み。アニメでラストは分かってたけど、やっぱり切ない。やっぱり泣いてしまったので、外では読めない一冊でした。否定姫がなぜ勘付いたのか、小説読んで分かりました。

  • 刀語もいよいよ最終巻。

    まさかのとがめが撃たれる衝撃展開から始まって、七花の暴走、右衛門左衛門との決戦、対に将軍が出たり、最終巻になってまさかのかませ犬集団出現だったりで、めまぐるしく話が進行する・・・巻き?

    12の刀全てを一々載せるものだから今回は特にウザかった・・・新手の嫌がらせ?

    とにかく12巻全て終了。全体的にそこまで面白かったとは言えないが、読み終わった事自体の感動は大きいw

    てか何、ラストの否定姫無双。

  • 虚刀流・鑢七花と奇策士・とがめによる伝説の完成形変体刀蒐集の旅は、否定姫の腹心・左右田右衛門左衛門の所有する最後の一本――炎刀『銃』を前に、最期にして最悪の試練を迎えていた――。容赦なく、迷いのない“弾丸”に貫かれたとがめを、七花は果たして救うことができるのか――!?西尾維新と竹が描く、時代活劇絵巻。とある歴史の物語――これにて終幕。刀語、第十二話の対戦相手は、否定姫腹心にして元忍者、左右田右衛門左衛門。

著者プロフィール

1981年生まれ。2002年、『クビキリサイクル』にて第23回メフィスト賞を受賞してデビュー。デビュー作を含む「戯言シリーズ」は若い読者に大人気となる。2006年刊行の『化物語』は〈物語〉シリーズとしてシリーズ化され、アニメ化・ゲーム化され様々なメディアミックスが行われている。矢継ぎ早に刊行するすべての本が常にベストセラーとなり、当代随一の「物語師」として活躍中!

「2014年 『「偽物語」PremiumアイテムBOX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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