傾物語 (講談社BOX)

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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062837675

作品紹介・あらすじ

100パーセント修羅で書かれた小説です……。――西尾維新

“変わらないものなどないというのなら――運命にも変わってもらうとしよう”
迷子の小学生・八九寺真宵(はちくじまよい)。阿良々木暦(あららぎこよみ)が彼女のために犯す、取り返しのつかない過ちとは――!?
<物語>史上最強の2人組(ツーマンセル)が“運命”という名の戦場に挑む!
これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!
君の影、探してまよう帰り道。

感想・レビュー・書評

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  • 真宵の物語、と見せかけて阿良々木くんと忍の大冒険ファンタジー。
    タイムスリップ物としてはよくある世界観の話、、で前半は進むけど、後半の展開とラストシーンは抜群でさすがやなって思いました。と言いながらアニメは10週くらいしていたので、来るぞ!来るぞ!と思いながら読み進めてたけど。。
    なぜアニメ版をそんなに見ていたかと言うと、推しの忍がめちゃくちゃ可愛いからであり、それは原作小説でも同じ、それ以上でした。あー好き。

  • “変わらないものなどないというのなら―運命にも変わってもらうとしよう”。迷子の小学生・八九寺真宵。阿良々木暦が彼女のために犯す、取り返しのつかない過ちとは―!?“物語”史上最強の二人組が“運命”という名の戦場に挑む。

  • “「……待てよ。本当に厳密なことを言うなら、お前が僕の影に封じられペアリングされる前から、つまり春休みの段階から、僕とお前ってセット化のみされているわけだよな。で、そもそもはお前から僕へのセット化のみだったわけだ。最初はお前が僕の主人で、僕がお前の従僕だったんだから。つまり、今、お前が僕から影響を受けているように、春休みは、僕はお前から影響を受けていた。じゃあひょっとして、僕のクールキャラが春休みから崩れたのって」
    「ぎくっ」
    「ぎくって言ったか、今!」
    シリーズが続いたせいで、思わぬ事実が明らかになった。”[P.46]

    君の影、探してまよう帰り道。

    “「たったひとりの人間には世界を変えることは難しいが、世界を傾けるくらいなら、できなくはないのかもしれんのう」
    「世界とは言わずとも、物語くらいなら、誰にだって傾けられるだろ」
    「傾物語か」
    「この場合、傾くのは僕達だけどな」
    「この格好つけが」
    「否定はしねーよ」
    「かかか。お前様、そして傾くというのなら、どう傾く?」
    「そうだな。まあとりあえず、目の前の女の子のために世界を傾けてみるか」
    「世界と女の子を天秤にかけて、女の子を選ぶという奴か。今時じゃの」
    「もう古いよ」
    「かかか」
    「世界も救って、女の子も救う。そんな強欲さこそが今時のヒーロー像だろ」
    「じゃな」”[P.314]

  • 今度は八九寺を救うためにタイムスリップして大変なことになる。戻ってみればみんな吸血鬼になんて誰がそんなストーリー展開を予想しただろうか。実はタイムスリップではなくてパラレルワールドにすっべっただけで、何とか元に戻れた訳だが、今回は忍まで暦に対して愛の告白をしてしまった、暦ばかりがなぜもてる。

  • まよいちゃんがタイトルであり、話の軸もまよいちゃんだけど、あららぎくんと忍ちゃんの親睦が深まったというのがメインだった気がする。でもやっぱりあららぎくんにはまよいちゃんが必要なんだなと感じた。

  • セカンドシーズンは猫物語(白)からだったのか。勘違いしてこちらから読んでしまった。てっきり八九寺真宵の話かと思いきや、ほとんどが暦と忍の会話劇だった。もちろん話の軸は八九寺に関することなのだけれど、八九寺が登場するのは未来ヴァージョンを含めても僅かだったので、肩透かしを食らったような気分だ。でも結局この二人の会話劇は予想以上に面白かった。シリーズを通して分かったことだがサブタイトルはあまり関係ないみたいだ。真宵キョンシーでは忍野忍が活躍し、忍タイムはむしろ真宵のためにある回だし、ひたぎエンドは貝木泥舟が活躍する。期待は裏切られても期待以上に面白い。それがシリーズを通しての感想で、それはまさに西尾維新の思惑通りなんだと思う。暦の語りがシリーズを通して少ないので、純粋に前シリーズ的な面白さでいうとこの回が一番かもしれない。

  • <物語>シリーズ、セカンドシーズン第2作。
    今回のテーマは『八九寺真宵の物語』のハズなのだが、
    暦と忍を中心に展開される物語から
    『忍の掘り下げを聞いたなぁ』という読後感を受けた。

    ifの世界、パラレルワールド(ルートX)の忍野忍は、
    暦を失ったことで自棄になり暴れるが…。
    ルートAの忍との対峙で見せた、ルートXの忍の表情から、
    一途に暦を求め焦がれる気持ちが伝わってきて、何だか・・・。

    女の子は大事にしてあげなきゃね、と思う作品でした。

  • かみまー

    まさかのタイムスリップ。何でもありなのか吸血鬼。
    すごく阿良々木暦らしい物語でした。幼女だらけだし、脱線だらけだし、やることなすこと裏目にでるし。
    八九寺の出番がもう少しあればいうことなしだったなあ。

  • 夢オチかw

    しかし大人になった彼女を見てみたいものだ。

  •  幼女物語。だって、出てくるのが八九寺真宵ちゃんに斧乃木余接ちゃん、そして忍野忍ちゃんなわけで。語り手は暦。夏休み最終日、『猫物語 白』の前日の話。今までで一番SFっぽくて、SFっぽいのが好みということもあって、面白かった。ちょっと感動な場面もあった。春休みの最後、暦の仕打ちは残酷に思えたが、時間がたって忍ちゃんが楽しげにしているのは嬉しい。
     パラレルワールドは古くて新しくて永遠の興味の対象だ。

  • 今回は意外にもSF風味だった。怪異っていうよりタイムトラベルものの冒険小説といったところか。
    しかし、真宵ほとんどでてこないじゃーん。題名に偽りありでは?
    そんなものより運命論とかタイムパラドックスとかなかなか古典的タイムトラベルものにもかかわらずほかのものと差が作れるのはさすがと思う。

  • 純愛だった。

    八九寺真宵がメインキャラの巻だと思ったら、暦と忍の物語だった。
    もちろん八九寺真宵も出てくるし、ひさびさ忍野メメも登場。

    私が好きな時間ものを織り交ぜ、まよい翻弄されながら、ある感動も沸き起こる物語。

    忍が家出した理由もわかった。
    忍っていい女だ(幼女という要素はなしでねw

    まよいながらも進む物語は最高です。

  • おもしろかった~
    割と一気に読んでる化物語シリーズ
    やっぱそれなりに、けっこうたのしい西尾維新

    八九寺さんの話・・のはずなんだけど
    メインはあららぎさんと忍ちゃん

    とんだSFでした。
    おもしろいな~西尾さんSFもイケるんだなあ
    SF・・というかタイムトラベル(タイムリープ?)ものが大好物なので楽しく読めました。

    ドラゴンボールのトランクスの話はわたしもすきなんだけど、(過去に戻って未来を変えてもその未来自体は変わらなくて、でも人造人間に破壊されないしあわせな世界がどこかにあるっていうのは救われるって話)
    この話も結果的には救われないけど
    笑顔で最後にああいうセリフが八九寺さんから聞けるっていうのは
    なんだか救われるし
    無駄骨だったような気もするけど
    すべては無駄じゃないんだなーというか
    読者がたのしんだからオッケーなんだろうなあ
    西尾さんあららぎくんお疲れ☆
    って話でした。

  • 2010年12月当時の日記転載

    八九寺巻と聞いて期待していた物語とは違いました。
    真逆といっても過失ではありません。

    だがしかし良かった。すげえ面白かった。

    誰かがボイスでパロネタとか主張が多いってつぶやいてましたが、
    パロネタはともかく西尾維新の価値観は共感できるものが多くて好きです。
    自分の語彙では上手く表現できないところまで、上手に明確に、
    会話に絡めて表現する所は尊敬を通り越して嫉妬すら憶えます。
    …年下のくせにw

    パロネタは今回漫画が多かったでしょうか?
    つーかいつも思うけど講談社ネタが少ないのはなぜ??ww

    そして今回の物語は今までの作品と比べると毛色が違った様に思います。
    あれ?谷川流読んでたっけ?とか思ったりもしたww
    異能物に関わっていく過程が今までと違うからでしょうね。
    いままでは一応受動的だったと思います。
    現実ありきでそこに怪異が関わってきて物語が回る。
    今回は積極的にではないにしろ、
    ラギから異能物に関わっていくことで物語が廻ります。
    そのおかげで状況が大きく変化し、
    物語は大きく傾いていくわけですが…

    ただ八九寺を通して作者が伝えたいことは、
    最近特に感じることで、綺麗にまとめたなぁと思いました。
    そう考えると、教育とかも難しいよなぁとか。
    何が良い風に作用するのか、どこで躓くのか解らない以上、
    どうすれば最良なのかなんてわかりっこないですよね。
    結局はその都度対応して生きていくしかないわけです。
    なんちゅうか、人生って長いですよね…

    というわけで、西尾維新がやっぱり神作家だということを確認しつつ、
    そろそろ今年のまとめ作らないとなぁ…

  • 怪異の王によるタイムスリップ。もう、なんでもありじゃんって突っ込みを入れたくなったが、相変わらず面白い!忍野メメ格好良すぎる!

  •  小説の特性は、伝記・歴史・自伝・哲学・批評なんでも詰め込めることだ。しかも表現において経済的制約に縛られることがない。ということで今回はSF要素がふんだんに取り込まれた作品になっている。

     たったひとりの人物をめぐって、世界が傾く物語。

    (以下ネタバレ注意)
    もしあの時あの人がいなかったら、ということを考えたことがあるだろうか。人間は人の間にあって初めて文字通り人間となる。従ってほんとうに自明のことだけれど意識的にしろ、無意識的にしろ少なからず周囲の人々から影響を受けている。直接会ったことがない人、例えば書物、仮想空間、インターネットのSNS上etcでさえもそうだ。ライプニッツのいうところのモナドロジー的な世界観の中にいる。個々は出入りの窓のない単子であるにもかかわらず、全体として調和されている。その要素をなんらかの特別な方法で強制的に変化させてみたらどうなってしまうのかというのが今回の話の中核となる問題設定である。そして、あえて教訓めいたことを無理やり述べるとどんな自分にとってつらい出来事も自分を、ひいては世界を構成している重要な要素なのだということになるだろう。

  • アララギ君と忍のいちゃいちゃでしかなかった。八九寺との絡みを楽しみにしていたから残念。忍ちんは本当にアララギ君のこと好きなんやね。一心同体。それでもアララギ君は他の女性といちゃいちゃ。それを見せつけられるって嫌だなぁ。あっだから寝てるのか。アララギよ、タラシって自覚しろ、認めろ、文字にして晒せ、マジで。

    ちゃんと八九寺が主人公の話も読んでみたいな。短編でいいから。真宵ちゃんからみたアララギ君の行動とかそれに対しての気持ちとか。でも結局好きで落ち着くんだろうな。アララギ君に出会えて幸せって言っていたから。

    忍野メメかっこよすぎ。惚れてしまうやろー
    忍野メメの放浪記とか書いて欲しい

  •  そ、そんなデタラメな方向に来るのかあああああ……と驚嘆。
     他の巻(これ以降の巻はまだ未読ですが)とは明らかに別ジャンルのものと言っていいんじゃないか。時間遡行にパラレルワールド……、なんでもアリだなぁというところで、トンデモ展開が来ても逆にそんな驚かなかったりして。
     何より、真宵巻というよりも忍巻になっていましたね。真宵好きとしては物足りなかったりして。面白かったですが、なんか別物感がしてしまったような。

  • 八九寺回のはずが、本人ほっとんど出てこない。完全なる忍ターン。会話劇が楽しめて面白かったけど、これは鬼物語しのぶタイムは逆にまよい回にしてもらわないと釣り合いが取れないよ!しかし、他の女を愛してるけど一緒に死ぬならお前を選ぶなんてダメセリフを言っても許されるのは、今時阿良々木君くらいだね!

  •  化物語セカンドシーズン第2弾。猫物語の裏で起こっていた、暦と八九寺に関係する事件の一つの物語。キョンシーの意味は、ちっとばかし斜め上をいく感じ。
     猫物語以前のいつものノリで進む中で、忍の色々な一面を垣間見ることができる。読んだら、きっと忍ファンになる人続出ってな感じの作品です。

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著者プロフィール

1981年生まれ。2002年、『クビキリサイクル』にて第23回メフィスト賞を受賞してデビュー。デビュー作を含む「戯言シリーズ」は若い読者に大人気となる。2006年刊行の『化物語』は〈物語〉シリーズとしてシリーズ化され、アニメ化・ゲーム化され様々なメディアミックスが行われている。矢継ぎ早に刊行するすべての本が常にベストセラーとなり、当代随一の「物語師」として活躍中!

「2014年 『「偽物語」PremiumアイテムBOX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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