- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062881388
作品紹介・あらすじ
長寿社会のゆくえを科学する。老化予防から福祉・介護制度、医療体制まで、この1冊でわかる。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
・超高齢社会を自立して生きていくための第一歩は、いかに「歩ける能力」を維持していくか。
-
漠然としか認識していなかったこの国の一面を、くっきり明確にしてくれる一冊です。「高齢化社会」と「高齢社会」と「超高齢社会」の違いにはじまって、高齢者を対象にとるべき対策<病気予防>と<介護予防>の区別とその境界年齢、
はたまた性差によって異なる陥りやすい疾患、などなど、統計データを駆使し、現状から今後の動向までクリアに解析。グラフの意味を知れば、(その意味する内容の重さはさておき)その曲線が美しくさえ見えてしまいます。
今ある長寿は、戦後50年以上かけて実現した医療・衛生面と栄養面の向上の賜物。
でもどんなに予防しても必ず必要となる介護について、制度や運営の構築に50年かけてはいられない。客観的でコンパクトな解説に、ぐいぐい引き込まれました。 -
長生きは良いことだ、と当然のごとく思っている人には痛恨の一冊。
長生きした際の老後の心配、独り身の心配などが浮き彫りになってくる。 -
右肩上がりの経済が絞み始め、収入が落ち込む。過去の大量消費文化にどっぷりと浸かった日本人は巨額な医療費・介護費をはじめとする現在と今後の社会負担の凄まじさとそのリアリティに愕然とし、ただただ戸惑うばかり。今後、超高齢化社会を迎え、この国の膨大な借金と急増する高齢者の借金をどうするのか。間違いなく言えるのは、これまでのような低負担中福祉はもはやありえないということ。巨大な借金と少子高齢化の中で中負担低福祉なのか高負担中福祉なのか、どちらかを選択しなければならない待ったなしの時期に来ている。身の程を弁え息の長い高齢社会を目指しての合意形成が求められている。
-
泣けてきました。嘆いても仕方ないのですが、泣けてきました。
なぜなら、今は「こうすりゃいいじゃん」と思うことも、その時が来たら、きっと苦しくて辛いだろうと想像してしまうからです。
如何にして生きようか、ファイトも湧いて来ました。足靴を大切にします。ありがとうございます。 -
75歳以上の高齢者になると、「どういう変化・問題が生じるのか?」を医学的かつ生活の質の視点から、多面的に述べられている。
病気予防と介護予防の健診の指導ポイントは、「やせること」と「太ること」の全く逆。75歳を超えると、健康リスクの分布が変化するらしい。
「歩ける」力(秒速1m以上)を維持することが、認知症やサルコペニア(筋肉量減少症)予防、そして「生きがい」のために、重要なポイントとのこと。
本書に書かれている科学的根拠を持った実践を、全ての高齢者が享受できるまちづくり、これこそが地域包括ケアなのだろうと思った。 -
高齢者が増える社会を、前期高齢者増加時期と後期高齢者増加時期に区分して、身体機能の変化に即して今後考えるべきことが述べられている。前期は多くの人が健康だが、後期になると体が衰える可能性が高い。男性は血管系疾患が多く、女性は転倒等の外傷により、要介護状態に陥る。対策は性別によって異なるが、運動は大切ということだった。
団塊世代は日本の高度成長と共に生きてきた人たちであり、価値観は多様化する。そうした人たちをマスで捉えるのではなく、個別ニーズに対応する、というのが企業が向きあう高齢化社会なんだろう。 -
高齢社会を非常に科学的に、データ的に解説してくれる。特に予防介護の項は勉強になる、これでもか、というくらい実証実験のデータをもって、認知症の発生率やその予防介護の効果を解説。
こんなに超高齢社会の予防に向けてのデータ(10年単位の長期的実験)を日本はしてるのかーと、勉強になる。
介護予防て遺伝子とかデジタルデータで見れるようになったらすごいビジネスだよなー、マジで。(あなたの5年後の歩行障害の発生率何パーセントで、認知症の発生率何パーセントとか。)運動機能の低下予測はナイキあたりが出しそうだが…