2020年の大学入試問題 (講談社現代新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062883559

感想・レビュー・書評

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  • 二男購入。

  • 2020年の入試実施の詳細はともかく、改革を待たずとも、高校自身が、生徒と教師の対話型授業に常に挑戦していることを感じました。

  • 何が求められる可能性があるか、漠然としていたことだったが、お陰さまでみえてきた気がします。帆のないふねにならないように知識はしっかり習得し、思考力を鍛えようとおもう。しかし、嘉悦有明の生徒さんは、こんなに考えてくれてる先生がいてくれて、心強いね。

  • 2017/2/4 ジュンク堂神戸住吉店にて購入。
    2017/2/12〜2/16

    世間を賑わし、かつ、不安に陥れている大学入試改革の新しい姿を高校サイドから分析、さらに実践をされている先生の力作。本書にも出てくる、
    「モヤ」っとした不安が実に明快になる。しかし、出題されるであろう問題の例「火星人に人間をどう説明しますか?」(ケンブリッジ大学の口頭試問)など、作題はある意味簡単だろうが、受験生以上に採点者の能力が問われそうな感じだ。いずれにせよ、色んな意味で日本も変わらないといかんのだろうな。

  • 2017年1冊目「2020年の大学入試問題」読了。

    2020年はどうなるのか?センター試験は?高等学校基礎学力テスト?大学入学希望者学力評価テスト?ということがこのあと3年間は気になるので、読んでみた一冊。問題例も示されているけれど、大学入試の話というよりは、今後の教育や育てたい人材の話といった印象だった。けっきょく世の中で求められている人材像が変化すれば、評価方法も変化し、教育業界だけがいつまでも変わらないなんてことの方がおかしいということなのだろう。

    ------(以下抜粋)------
    一度限りのテストで終わってしまっては、学びのプロセスをみることができません。また、今までの知識再生型の学びに、「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」の学力まで評価するとなると、学びの課程で生徒自身が自分の弱みや強みを振り返りながら、学びの方法を改善していく必要があります。その成長が学びのプロセスにもなるわけです。

    2020年の大学入試問題・学力の3要素・ブルーム型タキソノミー・CEFRレベルの一覧(図)

    文科省が「大学入学希望者学力評価テスト」の問題として想定しているのは、PISAの問題です。

    問題の難易度ではなく、数学的思考をどこまで現実の現象と結び付けられるかというのが世界の数学的なアプローチの潮流です。
    未知の事態に遭遇したら、比較できるものを素早く見つけ出し、相違点と共通点を見出すことによって、その事態が何か理解していくのです。能力があっても、実際に使えるスキルになっていなければ役に立ちません。


    「知識」ではなく「思考」が優先するのであるか?まずが「知識」が「思考」に優先するのであるか?さあどちらでしょうか?…(アインシュタイン、大江健三郎さんのエピソード)…「知識」か「思考」かではなく、その「関係」が大切だということでしょう。

    授業において、あるテーマがスッキリと完結していなくても、その授業が思索のきっかけになるのであればそれでよいと思います。

    教師が教える側で、生徒は教わる側であるという20世紀型教育は、もはや2020年大学入試を迎えるときには、過去の遺物に過ぎなくなっているでしょう。

    「プロジェクト」というのは、もともとの言葉の意味からして、ゴールを想定するものです。そしてゴールがあるからこそ力が発揮されるという考え方に基づいています。もちろんこの場合のゴールというのは数値目標のようなものではありません。そして、ゴールは先生が設定して与える場合もあれば、子どもたちが自分で考える場合もあるのです。

    (問題例として)
    高等学校在学中に取り組んだこと、達成したこと、そこで得たものを400字以内で具体的に書いてください。

    (問題例として)
    なぜその学部を選んだのか、その理由を600字以内で書いて下さい。

    「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」としれらを評価する方法のイメージ例
    http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shougai/033/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2015/12/22/1365554_03_1.pdf

    (問題例として)
    あなたは授業中に、下記のテーマで英語のエッセーを提出することになりました。
    エッセーテーマ:
    インターネットを利用して、多くの人と友だちになることが話題となっています。このような方法で友だちや知り合いを増やすことについて、あなたはどう思いますか。あなたの意見とその理由を書きなさい。解答時間は20分です。…受験者層としてCEFRレベルのA1~B1想定しており、「社会的なテーマについて、個人の経験などをもとに、自分の意見と理由を論理的に書いて述べる」ことを求めています。

  • ちょっと手前味噌すぎて、気持ち悪い書きっぷりだけど新しい「学力評価テスト」の目指すところは分かりやすい。
    新しい人材を育成するために、今までとは違う教育をやっていこう、そのために評価システムを変えようとするのは分かる。ただ現在の議論は評価の公平性や、客観性が欠けている、というか無視しているようにみえる。これって出来あがってみたら怖いシステムになっているかも。

  • 難しい...

  • 2020年から変わる・かわる、と言われている大学入試が、何を狙い、どうして変わらないといけないのかを明確に説明している一冊です。
    これでいいのかな、、、と思う反面、今のままの暗記中心の勉強が役にたつわけがないことは誰もが同意できるところと思います。
    子育て中、孫育て中の「旧世代」の勉強をしてきた自分たちには、反省と、変わらなければならないことを痛感させられます。

  • 思索にふける
    モヤ感を残しておく
    分からないことへの耐性
    好奇心に満ちていること

    答えのない問題にどのくらい取り組んでいられるかが大事な能力
    授業で○○が分かった、授業が分かりやすかったはそこで思考が停止している
    なんか分からんから調べてみよう、話し合ってみようという気持ちになる方が大切
    分かりやすく教える授業ではなく知識への問いかけができるようにするのがAL
    学問とは学び問うこと
    2016.4

  • クリティカル・シンキングやクリエイティブ・シンキングが重要なことはとてもよくわかるのですが、その前提となる知識がなくては、やはり戦えないと思うのです。
    しかしながら、その知識の部分について、あまりにも軽視しているようで、不安になりました。
    また、著者の理系的なセンスには、かなり疑問をもちました。

    教育の方法については、いろいろと新しい手法が出てきますが、いずれも、デューイが100年前に『学校と社会』の中で言っていたことの枠を出ていないように思います。

    デューイすげぇ、と思うと同時に、古典の大切さを改めて感じています。

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著者プロフィール

「聖ドミニコ学園」カリキュラムマネージャー、経済産業省「未来の教室」教育コーチ(2019年度)、知窓学舎カリキュラムマネージャー、「アサンプション国際小・中・高等学校」教育監修顧問。「21世紀型教育機構」理事。1962年東京都出身、暁星学園に小学校4年生から9年間学び、85年早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。暁星国際学園、ロサンゼルスインターナショナルスクールなどで教鞭を執る。前かえつ有明中・高等学校校長。「21世紀型教育」を研究、教師の研究組織「21世紀型教育を創る会」を立ち上げ幹事を務めた。著書に『2020年の大学入試問題』(講談社)、『2020年からの新しい学力』(SBクリエイティブ)などがある。

「2021年 『いま知らないと後悔する2024年の大学入試改革』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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