親鸞 激動篇 下

著者 :
  • 講談社
3.75
  • (30)
  • (72)
  • (50)
  • (7)
  • (2)
本棚登録 : 373
感想 : 49
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062910071

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • お救い下され、阿弥陀さまではない。
    念仏とは、自分がすでにして救われた身だと気づいたとき思わず知らず口からこぼれている念仏なのだ。

    十悪五逆の徒であっても、救われるのか。
    念仏する者は、今、その時、新しい人間に生まれ変わる。
    念仏に出会わなかった人は、死んでのちに救われる。

  • 久しぶりに読んだ時代小説だったけど、範宴の、綽空の、善信のそれぞれの人間だからこそ抱える苦悩が描かれていて、面白かった。生まれ変わったことを心に刻むために改名したそうだけど、ひとつの名前でそのまま生涯を終える人も多分にいる。どう生きるのが正解か、それは人それぞれだけど、ひたむきに悩み生きた人の考え方は、現代にも通じるものがあると感じた。

  • すごーく面白かった!
    それにしても親鸞が自分の子供を1人友達にあげちゃうのが・・・優しいんだか冷たいんだか。
    仏教のことは愛していたけど自分の子供たちのことは本当に愛してたんだろうか?

  • 2012/8読了

  • 親鸞の生涯を描いた第二部。本激動篇は流刑者として越後に流され家族とともに暮らした時代を描く。本作品の特徴は二つ。鎌倉時代初期の国司、守護等多くの支配者が知略と武力をつくして争う混沌とした時代を的確に描写。そしてその時代に生きた人々を救うため、親鸞がいかにして念仏者として道を究めるか。仏とは無縁の私でも理解出来るよう平易な例えがちらほらと。さすがの五木作品。「人に語るとは教える事ではない。人に・・する事である。」なーるほど説法の極意!煩悩多き私にはうってつけ。

  • 関東に移った後の親鸞の活躍の話。物語としては非常に面白かった。
    前の話で出てきていた黒面法師や、つぶての弥七、犬麻呂など以前京で親鸞の周りにいた人が勢揃いしてまた活躍する。ちょっとできすぎの感があるが、話として面白い。
    ただ、やはり宗教の話が所々エッセンスとして入っているので、宗教とはそういうものか、ということを感じることができた。
    でもやはり宗教も世の俗世の影響を受けて育ってきたことがよくわかった。
    ただちょっと終わり方があれ!?という感じで終わっちゃったなあ・・・・
    これは本当に宗教の話はほんのちょっとで後はその生い立ちからの奇跡の話で物語としては丸でした。

  • これぞ歴史小説のお手本と思いました。
    史実と史実の間をいかに物語として面白くつなぐことができるのか、というのが自分の歴史小説の評価基準ということも再認識しました。
    親鸞の場合は史実上、具体的なエピソードが少なく、前作「親鸞」及び「激動編 上」では完全なフィクションに近く親鸞が活躍しすぎるように思いました。
    「激動編 上」の時間進行や創作エピソードてんこ盛りから、激動編は法然の死までになるのではないかと思っていましたが、下巻は時間経過が加速し、越後での登場人物を大胆にも一旦リセットして、関東での布教活動を通じて、親鸞の念仏信仰への探求と煩悶が見事に描かれていました。
    親鸞の帰京、黒面法師との決着などが語られる最終編が出てくれるのではないかと期待しています。

  • 親鸞が流刑先の越後を出て関東に「専修念仏」の教えを広めるために旅立つ。法然上人の念仏は「聖人が凡夫をすくう念仏」で、親鸞の念仏は「凡夫同士が共にすくわれようとする念仏」ということだが、凡夫の私にはよく分からなかった。

  • ん、、、
    この巻に来て
    ちょっと 端折ってまとめた感が否めない。

    例えば
    法螺坊 六角 長次 との別れ 鉄杖の自死
    あの不幸が続いた村でのお経をいきなりやめた事などは
    事後に何かに絡めてもう少し書きたかったのではないのか、とか。

    とはいえ 4巻楽しませていただきました。
    続編を楽しみに待っています。

  • 913.6 イ (2) 登録番号8841

全49件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1932年、福岡県生まれ。作家。生後まもなく朝鮮半島に渡り幼少期を送る。戦後、北朝鮮平壌より引き揚げる。52年に上京し、早稲田大学文学部ロシア文学科入学。57年中退後、編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞受賞。ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『百寺巡礼』『生きるヒント』『折れない言葉』などがある。2022年より日本藝術院会員。

「2023年 『新・地図のない旅 Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

五木寛之の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
和田 竜
池井戸 潤
池井戸 潤
池井戸 潤
東野 圭吾
伊集院 静
落合博満
五木 寛之
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×