鉄炮伝来――兵器が語る近世の誕生 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062921732

感想・レビュー・書評

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    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    日本への鉄砲伝来は種子島に来着したポルトガル人からという説が最も一般的だか、本書では現存する火縄銃や明や朝鮮の資料、東南アジアでの鉄砲、倭寇勢力の存在からポルトガル人ではなく、倭寇勢力が密貿易で東南アジア方面から持ち込まれたとしている。
    この部分が本書で最も重要な部分になる。
    他に火縄銃が日本で受容され、西日本から東日本への展開、火縄銃の定着による軍制や防御施設の変化、李氏朝鮮への伝播に徳川政権での管理、そして戦国時代が終わり江戸時代に移り変わる中で火縄銃の扱いが衰退するまでが書かれており、これを読むことで戦国時代の鉄砲に関してはおおまかな知識を得ることができた。
    ついでに著者が後に出版している『真説 鉄砲伝来』を読めば、本書で得た知識を補完することができるようだ。

著者プロフィール

1943年東京都生まれ。國學院大學大学院博士課程修了。国立歴史民俗博物館教授を経て、現在、同名誉教授。日本銃砲史学会理事長。
主な著書に、『瀬戸内水軍』『日本の海賊』『東アジア兵器交流史の研究』『鉄炮と石火矢』『江戸の炮術』『鉄砲と戦国合戦』『真説 鉄砲伝来』『江戸の砲術師たち』『幕末 もう一つの鉄砲伝来』『鉄炮伝来』ほか。

「2022年 『日本銃砲の歴史と技術 第二版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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