三国志演義 (二) (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062922586

作品紹介・あらすじ

西暦220年、後漢王朝の崩壊により乱世が到来。やがて、その中から魏、蜀、呉の三国が生まれ、三つ巴の戦いへと発展していった「三国時代」は、陳寿による『三国志』(3世紀末)や『新全相三国志平話』(元の至治年間に刊行とされる)、芝居などの民間芸能の世界で、連綿と語られ続けてきました。そして、「三国時代」から約1000年後。いくつもの「三国志」の物語や資料を整理・編纂し、フィクショナルな物語世界を構築して、現在知られる「三国志」物語のイメージを確立したとされるのが、羅貫中の白話(口語)長篇小説『三国志演義』です。
本書は、中国文学に精通した訳者が、その血沸き肉躍る、波乱万丈の物語を、背景となっている時代や思想にも目配りしたうえで、生き生きとした文体で翻訳しました。
全120話中、第2巻は、第31回から第60回までを収録。大スター諸葛亮の登場となります。劉備と諸葛亮の出会いは「三顧の礼」を、もってようやく実現する。長坂の戦い、赤壁の戦い、虚々実々の頭脳戦、劉備の蜀攻略などなど。読みどころ満載、『演義』の前半のクライマックス。

感想・レビュー・書評

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  •  ゲームや映画に引っ張りだこの三国志であるが、これだけの需要があるのも納得できる。おそらく古今の歴史小説の中でもダントツの面白さをほこるだろう。三国志の面白さは頭脳戦にあると思う。
     印象に残ったのは周瑜の諸葛亮に対する嫉妬。我が国を滅ぼす才能故殺さねばならないと何度も勝負をかけるが軽くあしらわれてしまう。そんな周瑜のコミカルさに共感をおぼえてしまった。
     関羽は敗走する曹操を見逃してしまう。普通の人は感動するところなんだろうが、私は張飛に匹敵するバカだと思った。曹操を逮捕すると誓約書まで書いたのに。
     曹操の孟徳新書は有名人の書くビジネス本や自己啓発本と同じだろう。この手の連中は他人の本の注釈で印税を稼いでいる。

  • 諸葛亮孔明、登場。
    まだ、吉川英治の三国志しか読んでないけど、諸葛亮孔明が登場しただけでなんだかウルウル。
    事実とは異なることがあるとは聴いてるけど、小説上は本当に頑張った人なので。

    劉備がとうとう蜀を手に入れようとする。龐統たちに手に入れるのは今!と言われるが、劉備はそんなことやれないと言うが。いい人すぎるけど、あなたがしなければ、国は逆賊に乗っ取られちゃうよ!というところ…

    この三国志演義の嬉しい点
    ・登場人物の紹介あり。
    ・注釈あり(由来、間違いの指摘など各章の終わりにある。Kindleではリンクになってないのが残念)
    ・挿絵あり。
    ・地図あり。
    ・年表あり。
    ・巻末の解説あり。

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著者プロフィール

中国文学者。国際日本文化研究センター名誉教授。07 年「トリックスター群像」で第10 回桑原武夫学芸賞受賞。主な著書に個人全訳「三国志演義」( 全4巻)「世説新語」( 全5巻)「水滸伝」( 全5巻) など。20 年5 月逝去。

「2021年 『史記・三国志英雄列伝 戦いでたどる勇者たちの歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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