三国志演義 (四) (講談社学術文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062922609

作品紹介・あらすじ

西暦220年、後漢王朝の崩壊により乱世が到来。やがて、その中から魏、蜀、呉の三国が生まれ、三つ巴の戦いへと発展していった「三国時代」は、陳寿による『三国志』(3世紀末)や『新全相三国志平話』(元の至治年間に刊行とされる)、芝居などの民間芸能の世界で、連綿と語られ続けてきました。そして、「三国時代」から約1000年後。いくつもの「三国志」の物語や資料を整理・編纂し、フィクショナルな物語世界を構築して、現在知られる「三国志」物語のイメージを確立したとされるのが、羅貫中の白話(口語)長篇小説『三国志演義』です。
本書は、中国文学に精通した訳者が、その血沸き肉躍る、波乱万丈の物語を、背景となっている時代や思想にも目配りしたうえで、生き生きとした文体で翻訳しました。
最終巻では、魏・蜀・呉の三国分立態勢が確立したなかで、新ヒーロー「蜀の諸葛亮」が、魏を討つために六度の北伐をします。魏軍の司馬懿と諸葛亮の両者の激しい戦い。諸葛亮は「木牛」および「流馬」と称する大型輸送器械も発明した。死後も、「死せる諸葛、能く生ける仲達を走らす」と軍師の面目躍如です。魏、蜀が滅び、最後まで残っていた呉も、総勢数十万の晋軍に攻め落とされるのが、二八〇年のこと。司馬氏の晋が中国全土を統一、一八四年に勃発した黄巾の乱から約百年におよぶ、疾風怒濤の時代は終息したのでした。

感想・レビュー・書評

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  •  諸葛亮、姜維の北伐は蜀の権力闘争に足を引っ張られて思うようにいかない。仕事ができる有能なリーダーも周囲が一枚岩になって支えてくれなければどうにもならないのだなあと思った。姜維は文武両道キャラなのでコーエー三国志では軍師にも将軍にもなれそうだ。

     他国に攻め込む際は天子の詔を必要とする。指揮官の独断で実行することはできない。この辺り、指揮官の不満の元になることが多々あったようで、事実独断で行動しそれを正当化することもあった。このように、軍事行動における意思統一は難しいものがあったのであり、ジャレドダイヤモンドが述べていたように漢民族が世界征服出来なかったのもこの辺りに原因があるのかもしれないと思ったが考えすぎかもしれない。

  • 三国志は夢中になると聞いてはいたけど、本当。
    吉川英治さんの三国志を読んだ後、こちらを手に取る。

    晋に統一されるまでのお話。

    吉川英治版は晋に至るまでは描かれてないので、途中からは、劉禅のボンクラがどれだけ迷惑だったかがわかった。

    諸葛亮は働きすぎ。胸が痛くなる。よく頑張ったなぁ。
    でも、無念すぎる…
    諸葛亮の祁山への出撃6回は執念。
    いろんな戦法があり、それぞれ呼び名がある。
    諸葛亮頑張ってー!と応援。

    こうやって諸葛亮が頑張ってるのも、劉備の遺言のため、劉禅の強き補佐のためなのに、劉禅ってとんでもない奴に育ってしまう。大事な場面で呼び戻すんじゃない!

    趙雲、よかった。かっこよかった。おじいさんになっても強い。
    だけど、いつの間にか病死。
    趙雲だけでなく、いつの間にか病死してしてる人が結構いて、いつ病気になってたのかなぁと思ってしまう。

    姜維も頑張ってたけど、またもや劉禅のアホのせいで!
    かわいそうに…

    劉禅は司馬昭にまで呆れられ、どうしようもない奴。
    劉備が生きてたら、息子とは言え、首を斬れ!って入れてたかもね。

    最後の詩は、いろいろ思い出して切なくなる。
    すでにわかっている歴史といえ、残念でならないよ。


    ★この三国志演義の嬉しい点
    ・登場人物の紹介あり。
    ・注釈あり(由来、間違いの指摘など各章の終わりにある。Kindleではリンクになってないのが残念)
    ・挿絵あり。
    ・地図あり。
    ・年表あり。
    ・巻末の解説あり。

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著者プロフィール

中国文学者。国際日本文化研究センター名誉教授。07 年「トリックスター群像」で第10 回桑原武夫学芸賞受賞。主な著書に個人全訳「三国志演義」( 全4巻)「世説新語」( 全5巻)「水滸伝」( 全5巻) など。20 年5 月逝去。

「2021年 『史記・三国志英雄列伝 戦いでたどる勇者たちの歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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