- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062923033
作品紹介・あらすじ
20世紀初頭、マックス・ヴェーバーと並び称されたドイツの経済学者、ゾンバルトが1911年に著した代表著作。
ゾンバルトは、ヴェーバーが「近代資本主義の発展にはプロテスタンティズムの経済倫理が大きく影響している」と論じたのに刺激を受けて、本書を執筆したという。しかし、その結論はヴェーバーとは全く異なり、プロテスタンティズムは資本主義をむしろ阻害するものであり、ユダヤ人のほうが資本主義の発展促進につくした――と述べている。
詳細なデータ分析によって、国際的な経済の中心地の移動と、ユダヤ人の人口移動との関連を明らかにし、さらに、ユダヤ人がこうした役割を果たしたのは、ずっと以前からであることを、歴史をさかのぼり、その宗教生活を探ることで解明していく。
こうしたゾンバルトの「ユダヤ人論」は、朋友にしてライバルのヴェーバーはもちろん、ユダヤ主義、反ユダヤ主義の双方からも批判を浴びた。しかし、「ユダヤ人と資本主義の適性」を論じた本書は、ユダヤ系資本の力の大きさがあらためて見せつけられる現在こそ、大いに読まれるべきものであろう。
〔1994年、荒地出版社刊の同名書籍を、一部割愛して文庫化。原著:Werner Sombart, Die Juden und das Wirtschaftsleben,1911〕
感想・レビュー・書評
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展示期間終了後の配架場所は、1階文庫本コーナー 請求記号 332.06//So36
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第1部 近代国民経済形成へのユダヤ人の関与
第一章 調査方法―関与の方式と範囲
第二章 16世紀以来の経済中心地の移動
第三章 国際商品取引の活性化
第四章 近代植民地経済の創設
第五章 近代国家の建設
Ⅰ 御用商人としてのユダヤ人
Ⅱ 財政家としてのユダヤ人
第2部 ユダヤ人の資本主義への適性
第八章 問題点
第九章「資本主義的経済人の機能」
第十章 資本主義へのユダヤ人の客観的適正
Ⅰ 空間的な拡散
Ⅱ 異質性
Ⅲ 半端な市民性
Ⅳ 富
第十一章 ユダヤ教の経済生活に対する意味
Ⅰ ユダヤ民族にとっての宗教の重要性
Ⅱ ユダヤ教の源泉
Ⅲ ユダヤ教の基本理念
Ⅳ 維持の思想
Ⅴ 生活の合理化
Ⅵ イスラエル人と外国人
Ⅶ ユダヤ教とピューリタニズム
第十二章 ユダヤ人の特性
Ⅰ 問題
Ⅱ 解決への試み
Ⅲ 資本主義に奉仕するユダヤ人の性質
シティ、ウォールストリートを席巻するユダヤ国際金融資本をゾンバルトは知る由もないが、主要な資本主義国家の金融の中枢に存在するネットワークを形成するに至る歴史的経過、また、ユダヤ教の富に対する教えは、とても勉強になりました。 -
原題:Die Juden und das Wirtschaftsleben (1911)
著者:Werner Sombart (1863-1941)
訳者:金森誠也・安藤勉
底本:『ユダヤ人と経済生活』(荒地出版社、1994年)(ISBN 4752100843)。
※抄訳だそうです。
【目次】
目次 [003-006]
凡例 [008]
はじめに [009-024]
第一部 近代国民経済形成へのユダヤ人の関与 025
第一章 調査方法―関与の方式と範囲 026
第二章 十六世紀以来の経済中心地の移動 040
第三章 国際商品取引の活性化 062
第四章 近代植民地経済の創設 073
第五章 近代国家の建設 105
I 御用商人としてのユダヤ人 108
II 財政家としてのユダヤ人 112
第二部 ユダヤ人の資本主義への適性 127
第八章 問題 128
第九章 「資本主義的経済人の機能」 133
第十章 資本主義へのユダヤ人の客観的適性 150
I 空間的な拡散 151
II 異質性 159
III 半端な市民性 162
IV 富 170
第十一章 ユダヤ教の経済生活に対する意味 191
I ユダヤ民族にとっての宗教の重要性 192
II ユダヤ教の源泉 201
III ユダヤ教の基本理念 216
IV 維持の思想 230
V 生活の合理化 250
VI イスラエル人と外国人 284
VII ユダヤ教とピューリタニズム 300
第十二章 ユダヤ人の特性 313
I 問題 313
II 解決への試み 337
III 資本主義に奉仕するユダヤ人の性質 361
解説(一九九四年九月 金森誠也) [372-390]
生涯の素描/『近代資本主義』と『ブルジョワ』/『ユダヤ人と経済生活』第一部の要点/第二部の要点/第三部の要点/ゾンバルトのユダヤ人論への批判/
学術文庫版訳者あとがき(二〇一五年 春 金森誠也) [391-397]