図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 3089
感想 : 204
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933650

感想・レビュー・書評

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  •  物語からも、文章そのものからも、筆者の「言葉」への拘りが感じられます。耳慣れない単語が散見され、内容もしっかり読みこまないとなかなか飲み込めないのですが、文がリズミカルで読みやすいので、難しさはさほど苦になりません。人物や風景の描写が詳細過ぎて少し疲れますが、その分、ワンシーンワンシーンを詳細に想像することが出来て、筆者が思い描く世界の精緻さに感心することしきりです。
     味方側の登場人物たちは皆好感が持てますし、キリヒトとマツリカが手を繋いで歩きながら「お喋り」している様を想像すると、まぁなんとも微笑ましい(笑)
     文庫に収録の世界地図と、第二部以降のサブタイトルを見る限り、話のスケールはどんどん大きくなっていきそうなので、次巻以降にも期待です!

  •  魔法も超能力もなしにファンタジーが成立するか?

     著者の目論見はあざやかに達成されています.ひさびさに一気読みしたフィクションです.


    2017.11

  • ■権謀術数が渦を巻く、超スリリングな外交エンターテインメント!

    鍛冶の里に生まれ育った少年キリヒトは、王宮の命により、史上最古の図書館に暮らす「高い塔の魔女(ソルシエール)」マツリカに仕えることになる。古今の書物を繙き、数多の言語を操って策を巡らせるがゆえ、「魔女」と恐れられる彼女は、自分の声を持たないうら若き少女だった。超弩級異世界ファンタジー全四巻、ここに始まる!

  • 図書館の魔女一 高田大介
    20180707読了。
    今年53冊目今月2冊目。

    #読了
    #高田大介
    #図書館の魔女一

    これは面白い!文体がまどろっこしかったり、修飾が重くて読みこなれなかったりするけど、期待大。
    マツリカの観察力、応用力、深慮遠謀。キリヒトの感覚の聡さ、予見力適応力。二人の能力と徐々に絆が構築されるところまでが描かれる。

    たまらず二巻目購入。
    マツリカの別個の事項を紐付けして補完し、新しい結論を組み上げる力はどちらかというと自分に近い。
    キリヒトの予見力適応力、五感の聡さは妻に似ている。

    いい組み合わせだと思う。

  • 最初の60%くらい、主人公が故郷を出て、図書館で働くことになる1日がひたすら綴られる。でも冗長な感じは全くなく、今後の壮大な物語展開に大いに期待を抱かされるような約束事が、丁寧に、でもある程度謎に包まれながら明かされていく。それだけでも十分、嫌が応にも期待に胸高鳴る。他国との微妙な駆け引きやら、自国の地価に埋もれた歴史の謎やら、一大叙事詩たる魅力が満載。まだ何ともいえないけど、あまり血生臭い攻防ではなく、知略によるせめぎ合いが繰り広げられそうな予感に興奮。続きが楽しみ。

  • 『「言葉はそれ自体で丸ごと一つの言葉だ」と思っていたのだ。ところが字を学んで、字で言葉を書いてみるとすぐ判ることだが、言葉は音の組み合わせで出来ていて、それぞれ何も意味のない音をいくつか然るべく並べてやると、その音の組み合わせに何処からともなく意味が与えられており、いつの間にか言葉に成っているのだ。

    どの瞬間にただの並んだ音が言葉になるのか。それが不思議で、ゆっくり唱えてみたり、ゆっくり書いてみたりして、ただの音の並び、ただの記号の塊が、言葉になる瞬間を突きとめようと骨を折ってみた。

    ところが何度やっても駄目なのである。どんなにゆっくり書いてやっても、どんなにぶつ切りに発音してやっても、少年の隙を突いて意味が、言葉が滑り込んでしまう。何度やってもただの音が言葉になる瞬間、ただの記号が語になる瞬間を突き止められない。』

    2008.10.15に森博嗣の『すべてがFになる』を読んでから9年、ついに1〜50回までの受賞作を読破するラスト一作。途中、森博嗣、清涼院流水、古野まほろ、西尾維新、高田崇史、乾くるみ、とどハマリしてしまい何度も戻ってこれなくなったが、ようやく最後の作品の第1巻に辿り着く。達成感と少し寂しい…。

    まだ導入だけど、面白い。早く続きが読みたいなぁ〜。

  • 1巻まるまるで導入部といった趣。
    冗長な部分も多くて、前半は皆さんの「おもしろかった」という感想を支えに辛抱強く読んだ。
    後半、キリヒトが図書館で暮らし始めたあたりからスピードが上がってきた。マツリカが、『GOSICK』のヴィクトリアのような印象。がんばれ、キリヒト。
    次巻以降に期待。

  • 感想は4巻に。

  • 本読みに評判が良いらしいとのことで軽い気持ちで手に取ったが、面白さにシリーズ既刊全巻一気読みしてしまった。
    話としては冗長な部分もあり難解な熟語や言い回しも多々あるが、それでいて不思議とすっきりとしている。端的な描写やあまり文学的でない表現がそうさせているのかもしれない。とても好みの読み味。
    地の文で日本語をしっかり味わえるのに加え、言語学者である著者の“言葉”に関する知識や、本というモノに対する思いが核となるストーリーは、本好き日本語好きにはたまらない。
    和と洋、世界各国の文化を織り交ぜたような独特の世界観やリアリティのある国家国交情勢に、だんだんと引き込まれるような魅力を持つ登場人物たちもよく練り上げられている。硬め重めの作品がお好きな方にはぜひ一読してもらいたい。

  • とりあえず、1巻を購入。読み始めた時は、あまりの説明の多さに挫折しかけ、もう続きは読んであげない、と思った。しかし、読み終わる頃にはすっかり魅了されていた。続巻を一息に買い込んだのは言うまでもない。
    朝まで夢中になったのは久しぶり。
    1巻でうんざりした説明は、物語の単なる背景ではなく、後々の話にちゃんと繋がっている。
    文学の議論より話を進めて!と思うところはあったけど、異世界でなく言葉によって創り上げられたファンタジー、素晴らしかった。

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著者プロフィール

2013年『図書館の魔女』(第一巻~第四巻)でデビュー。デビュー作が和製ファンタジーの傑作として話題となり、「図書館の魔女シリーズ」は累計32万部を記録。著書に『図書館の魔女 鳥の伝言』(上下)がある。『まほり』は著者初の民俗学ミステリ。

「2022年 『まほり 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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