図書館の魔女 第二巻 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933667

感想・レビュー・書評

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  • 上下巻の上巻後半にあたる本巻、少し安心した。蘊蓄話で終始するかと思いきや、巻末で思いっきりエンタメに振ったのである。

    ひとつの「会話」から、鮮やかな「展開」が描かれ、畳み掛けるように「危機」が訪れ、それを思いもかけない方法で「回避」する。当然、世の事象を見事に分析することができるのが「高い塔」スタッフなのだから、前半部分で細かく張り巡らされた伏線は、多くは回収される。

    さて、ここまで読んできても未だ私は、この作品が何を描きたいと思っているのか測りかねている。「いや、普通にわかるでしょ?図書館の魔女が実現する世界の平和しょ」と言われるのを承知で言う。
    もしそうなのだとすれば、今のところ、権謀術数でしか平和は訪れない、となる。
    そもそも、この世界は著者の思うようにつくっているのだから、将棋の棋譜を完璧にすることは容易くはないが可能だろう。
    著者の描きたいのは「世界の平和とは何か」ではない、と今のところ思う。

    後半に期待したい。

    • らむさん
      kuma0504さん、はじめまして。
      私の拙い感想にいいねとフォローありがとうございます!
      kuma0504さんの本棚には丁寧なレビューが溢...
      kuma0504さん、はじめまして。
      私の拙い感想にいいねとフォローありがとうございます!
      kuma0504さんの本棚には丁寧なレビューが溢れていて、また読みたい本が増えました。
      まだ始めたばかりの私ですが、よろしくお願いします。
      2022/02/15
    • kuma0504さん
      らむさん、こんにちは。
      こちらこそよろしくお願いします♪

      私は所々書いていますが、流行小説は追わない、けれども気に入った作家はとことん付き...
      らむさん、こんにちは。
      こちらこそよろしくお願いします♪

      私は所々書いていますが、流行小説は追わない、けれども気に入った作家はとことん付き合いたい性分です。その1人に宮沢賢治がいて、
      らむさんの引用した
      「下流の方は川はば一ぱい銀河が巨きく写ってまるで水のないそのままのそらのように見えました。 ジョバンニはそのカムパネルラはもうあの銀河のはずれにしかいないというような気がしてしかたなかったのです。」に、実はハッとしました。
      賢治がいつも見ている花巻を流れる川に、(カンパネラはとし子に違いないと私は思っていますが)川の中に銀河を見つけ、そこにとし子を観たのだと思います。そこから第4次銀河鉄道の夜の改稿が始まったのかもしれません。
      有名な評論家ならば、こんなことはかなりの根拠がないと書けませんが、素人の私たちは気軽にかけます。そんなこんなを気軽に書けるブクログが気に入っています。
      ごめんなさい、お返事を書くつもりが、らむさんのレビューを見直したらつい発見したことを書いてしまいました。あまり気にしないでください。
      よろしくお願いします(^^;)。
      2022/02/16
    • らむさん
      kuma0504さん、お返事ありがとうございます!
      私も自分の読みを自由に書けるブクログに魅力を感じて始めました(^^)

      『銀河鉄道の夜』...
      kuma0504さん、お返事ありがとうございます!
      私も自分の読みを自由に書けるブクログに魅力を感じて始めました(^^)

      『銀河鉄道の夜』について、
      ジョバンニがカムパネルラと旅をした幻想世界の銀河と、現実世界の川が重なるあの文がとても好きでレビューの最後に引用しました。

      銀河鉄道に乗る前はつらい思いをしていたジョバンニの現実世界にカムパネルラとの幻想の旅の思い出が下りてきて、これからも現実世界で生きていくジョバンニの背中を押してくれているような。
      そんな賢治の優しさも感じます。

      賢治の身近にあった川に、彼が銀河ととし子を見たというkuma0504さんの読みをお聞きして、さらに賢治の寂しさとあたたかさに触れた気がしました。素敵な発見を教えてくださりありがとうございます!
      また賢治作品たちを読み返したいと思いました(^^)
      2022/02/16
  • 一巻から二巻途中まで、評判通りの高評価作品なのかどうか、わからないまま読んでいました。
    キリヒトの真の存在意義が語られ(土瓶さんは、予測していたようですが。実は、私も、キリヒトは強い子だよね、とは思ってはいました。)読むスピードが上がりました。
    これから当然始まる覇権争い。キリヒトの存在の意味にマツリカが揺らぐ。地下水路のこれからの使用方法への期待。ようやくストーリーが動き出して、きっと面白いはず。


    目次のタイトルが、ひらがな表記。本文の1行目と同じ文。マツリカが操る手話の感覚かな。手話は、言葉の塊を使うだろうから、違うかな。
    表音文字は、意味をとりにくい事の確認かな。
    平安時代の仮名文字は、音には濁点があって文字には、なかった。文字と文字を繋ぐ連綿は、言葉の区切りの事が多く、それで濁点がつくかどうか
    考えやすかったみたい。漢字略してまた繋げて、漢字に混ぜて。文字も文章も変化してます。

    • おびのりさん
      舟さんタイプでは、ありません。
      舟さんタイプでは、ありません。
      2023/09/28
    • みんみんさん
      刑事だったらなぁ笑
      主人公になれない交通課です(꒪⌓︎꒪)
      刑事だったらなぁ笑
      主人公になれない交通課です(꒪⌓︎꒪)
      2023/09/28
    • 1Q84O1さん
      セクハランまで進化したらもう更生は無理でしょうねw
      さらに、その先を進むセクハラ師匠ですから…
      セクハランまで進化したらもう更生は無理でしょうねw
      さらに、その先を進むセクハラ師匠ですから…
      2023/09/28
  • 一ノ谷を含む世界が動き始めてきた。その動きを安楽椅子探偵さながらに見極める図書館の魔女たち。さらには身内に潜む謎も明らかに。騙されてた!って苛むばかりだけど、助けてくれてありがとう、は無いのかな…。
    しかし、書き方が非常に論理的で、指話構築や方言の体系などに関する記述がやたらと深いなあと思っていたら、著者は言語学者なのね。どうりで。一言一句、言葉を大切にする気持ちは伝わってくるけれども、しかしちょいちょい挟まれると物語を読むスピードも落ちかねない。いや、おそらく読む方のこちらも真摯に向き合わなくてはいけなくて、TV観ながらとかそんな状況で読んでるから進まないんだろうなー、と少し反省する次第。

    …次巻はもうちょっとスピードアップできるかな?

  • 第二巻。
    キリヒトが気付いて、マツリカが発見し、確信した、
    地下にある忘れ去られた設備。
    側近であるハルカゼとキリンにも秘密とされた理由。

    暗闇の中、予測に基づいた探索と新たな発見と考察。
    それにより先人達の知恵と知識と謎に触れる。
    探検の後、秘密の市中の散策と約束。
    そして知ることになるキリヒトの本当の使命。
    キリヒトの悲し気な笑顔が切ない(T□T)
    マツリカ達は政治的にどう動く!

    最後のシーンは本当に切なくて、それでも二人は
    どこか似たような境遇だから、きっと通じ合っていると信じてる!
    全く、次から次へと降りかかる事件が多すぎます!
    ワクワクだけでなく、心臓に悪いドキドキが追加されて
    ますます目が離せません。

  • 面白くなってきた!独特な難しい言葉もこれもマツリカやキリヒトの世界観のひとつと肯定できるようになった気がする。。
    とはいえ、後半キリヒトの描写は想像力が追いつかない部分も。。
    3.4巻読むのはやはり根気は入りそうな気がしいる。
    そしてこれが映像化したら声優もしくはキャストは、なんて考えるのもすごく楽しい。

  • 2巻目の終盤は泣けた。

  • さらに引き込まれるシリーズ第2巻。
    複雑な政治的な駆け引き、巨人の出現、キリヒトの出自など、俄然盛り上がってきた。
    次かま楽しみ。

  • 後半で話が進んだというか、伏線でぼやけていたキリヒトのキャラクター像に焦点が当てられておお〜と思った。解像度が上がってテンションも上がる。単純にこういうキャラ・展開が好きなのだと思う。

  • いよいよ2巻中盤あたりから、物語が動き出しおもしろくなってきた。2巻前半の井戸のくだりとかはこんなに費やす必要ある?って感じでややだるかったが、中盤からの陰謀劇の開始、それに対する作戦会議から、ピンチになってキリヒトが…っていう流れは面白すぎた。ファンタジーっぽいガジェットも出てきて、物語の全体像と進む方向がなんとなく見えてきて、いよいよ本番開始という感じだった。まだ、半分だから、これからひっくり返されることもたくさんあるだろうが、これは続きを早く読みたいと思わせる面目躍如の巻だった。

  • 秘密を明かすことになってしまった
    キリヒトの、悲しい笑顔。
    その秘密と笑顔に困惑するマツリカ。


    終盤の、地下から階段を上がる数ページは
    心臓がじりじりした。

    ーーお前はずっと私の手をとっていなければならないだろう。このように。

    マツリカのこの言葉に、キリヒトはどれだけ救われ、迷うんだろう。

著者プロフィール

2013年『図書館の魔女』(第一巻~第四巻)でデビュー。デビュー作が和製ファンタジーの傑作として話題となり、「図書館の魔女シリーズ」は累計32万部を記録。著書に『図書館の魔女 鳥の伝言』(上下)がある。『まほり』は著者初の民俗学ミステリ。

「2022年 『まほり 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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