闇に香る嘘 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2342
感想 : 215
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062934824

感想・レビュー・書評

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  • 見が見えない主人公が、満州での戦争と中国残留孤児に関わる理不尽な国の対応を背景に、家族の存在や兄に対する疑いなどを晴らしていく小説かな。

    とても読みやすいし、目が見えない方が普段どのように生活や行動をしたり、考えたりしているかの描写が細かくて読んでいて情景がよく浮かんだ。終わり方というか、物語の顛末については、驚いたが良いストーリー。ちょっと手が込みすぎてるかな。なので、★4つで!

  • 主人公は盲目で、兄は残留孤児で、どこか暗い設定を最後は優しさで満たす結末。上手いなあ。
    設定の巧みさだけでなく、ミステリーとしての読みごたえも十分で、良くできた作品だと思う。

  • 出だしとラストがよくできているだけに、惜しい。
    表現の仕方が合わないのか、中盤は展開にイライラしてしまい、読むのをやめてしまいそうだった。(感情移入がうまくできなかった。)
    ただ、どういう結末なのか確認するために我慢して終盤を迎えると、やや無理はあるものの、感心させられた。
    この本、途中で読むのをやめてしまった読者は結構いるんじゃなかろうか。繰り返しになるが、惜しい作品。

  • んーなんでだろう。
    後天的に失明した人の絶望感がリアルだったし、結末も想像してなかった展開だったから意外性あったし、完成度は高い、とは思うんだけど。
    単純に、面白くなかったんだよなぁ。
    なんでだろう…。

    兄を偽物じゃないかと疑うきっかけが唐突すぎないか?
    何年も前から疑ってたというならともかく。
    お腹切るのに抵抗あるからドナーは勘弁、って主義のヒトは居るでしょ。
    頑なに臓器提供断ったからって、この兄ニセモノじゃね?って思考回路になるかな。
    (しかもニセモノじゃなかったし)

    あと、兄、4つ上ってことは73歳だよね。
    強靭すぎないか??

  • 怖かった。。。

  • 同年代の作家さんがこれだけの作品を書かれたことに感嘆。盲目の主人公がキーポイント。それ故に、盲目独特の情景描写にやや慣れ難かった。全編主人公視点なので、もし同じ視点で作品世界に入り込めていたのだとしら、それは完全に作者の思惑通り…?

  • 初下村。江戸川乱歩賞受賞作。文句なしに星5。視覚障害者の日常の恐怖が本当に良く描けていて良かった。(※抜粋すると、電話線が抜かれている場面。見知らぬ土地でしかも猛吹雪の中、ただ一人にされた場面。など…)その恐怖がよく伝わってきた。盲目とはこれ程のことだとは——。兄が本当の兄か判明する過程で、明かされる意外な真実には言葉を失った。この衝撃は綾辻行人さんの○○○の殺人以来…かも。他の作品も是非読んでみたい!
    追記:私が買ったのは真っ黒いカヴァーが掛けられた特別?バージョンだったが、これが主人公の視界を表しているようで、単純ではあるが大変効果的でした^^

  • 最後にどんでん返しある系。
    もっと殺伐とした救いのない終わり方するかなと思ったけど平和に丸く収まった。

  • 文庫にもうひとつ真っ黒なカバーがかけられて売られていたため興味をひいて購入。中国残留孤児が絡むお話だったが、私の母親も満州に住んでいたらしく、その当時の話を聞いたりしていたため、興味深く読んだ。

  • どう物語が展開していくか、最初は読めなかった。
    真実はどこに、と、読み進めていくのがとても面白かった。人と人のつながりを感じることができるとても良作でした。

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著者プロフィール

1981年、京都府生まれ。2014年に『闇に香る噓』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は「週刊文春ミステリーベスト10 2014年」国内部門2位、「このミステリーがすごい! 2015年版」国内編3位と高い評価を受ける。著書に『生還者』『難民調査官』『真実の檻』『失踪者』『告白の余白』『緑の窓口 樹木トラブル解決します』『サハラの薔薇』『法の雨』『黙過』『同姓同名』『ヴィクトリアン・ホテル』『悲願花』『白医』『刑事の慟哭』『アルテミスの涙』『絶声』『情熱の砂を踏む女』『コープス・ハント』『ロスト・スピーシーズ』などがある。

「2023年 『ガウディの遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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