美しい家 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 91
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062935814

感想・レビュー・書評

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  • 途中までは興味深く読んでいたのに、結末が下手なホラーみたいになってしまって酷く残念。
    最後の語り手だった彼にくらい、答えのようなものにたどり着かせてくれれば、もう少し後味もよかったのに。

  • 新野剛志著:「美しい家」
    「煮詰まる」が「行き詰まる」のような意味に使われることはもはや誤用ではないのだろうか?
    謎めいた書き出しに引き込まれて読み始めながら、わずか3ページで
    「散歩は煮詰まったときにもちいる手軽な最終手段。」という文章にであってしまった。これは明らかに「アイデアが出ずにどうしようもなくなった状態」の意味で「煮詰まった」を使用していると考えられます。
    さらに終盤に
    「岩田は、錆びついた鋏の片割れを握りしめて佇む、若者を見上げた。」
    という文章があるのだけれどこの場合2つの読点「、」は要るのだろうか??
    読む時のリズムも壊す上にもしかすると意味も不明確になるのではないか?

    子供の頃スパイ学校に入れられたという謎の少女との出会いから始まる、人間の業を軸にしたとても面白いミステリーなのだけれど、上記の2点のせいでこの作者と作品を素直に受け入れられなかった。

    作品を世に出すにあたって「校閲」は上の点を見逃したのだろうか?
    それとも、これは私の知識と感覚の間違いなのだろうか?

  • 100タイトル献本キャンペーンでブクログさんからいただきました。

    名前は知っているけれど、手を出したことのない作家さんです。

    テーマは「家族」。

    ほぼすべての物語は、それを構成する登場人物ごとにそれぞれの世界をもっています。読者はそれを神の視点からながめて、世界と世界の交わりを楽しむ。それをとても強く認識させる読み心地でした。

    ひとりひとりの世界をよーく咀嚼させられた。だからこそ、後半で起こるひとつの事件は衝撃的でした。
    あらすじの文面が比較的キャッチーで、登場人物たちのバックグラウンドも平坦とは言い難いものないのに、淡々と進んでいくストーリーに違和感を覚えている途中でいきなり事故った感覚。
    でもそれは山頂ではなくて、まだ登り道なんですよね。
    「家族」に怯え、「家族」に憧れ、「家族」に惑わされる。でも結果として「家族」とはなんなのか。
    読者の家族感によって評価が大きく別れる本だろうなと思います。

    新たな書き手と出会わせてくれたブクログさんに感謝しつつ、雰囲気の違いそうな「あぽやん」シリーズも読んでみたいです。

  • 妻子と別れ一人暮らしの中谷は高校時代に行方不明となった姉を探し続けている。
    中谷はある日酔った女性を助ける。
    彼女が語った話と共通の過去を持つ青年。
    三人の思いが交錯していく。

    ストーリーの軸となる人が呆気なくドロップアウトしてしまい、軸を見失ったまま読み進めてエンディングとなったので、少し拍子抜けしてしまった。

  • 新野剛志『美しい家』講談社文庫。

    デビュー作の『八月のマルクス』と同じような路線のミステリー小説なのだが、『八月のマルクス』の面白さは無く、殺伐とした後味だけが残った。

著者プロフィール

しんの・たけし。1965年東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。旅行会社勤務を経て、99年『八月のマルクス』で第45回江戸川乱歩賞を受賞。直木賞候補となった『あぽやん』は、その続編『恋する空港 あぽやん2』とともに、テレビドラマ化され話題に。同シリーズは『あぽわずらい あぽやん3』で完結。著書は他に、『中野トリップスター』『カクメイ』など。

「2022年 『明日はきっと お仕事小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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