伽藍堂の殺人 ~Banach-Tarski Paradox~ (講談社文庫)
- 講談社 (2017年9月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062937559
作品紹介・あらすじ
"堂"シリーズはついにここまできたか 解説 村上貴史(ミステリ書評家)
島と二つの異形建築。"瞬間移動"殺人と謎の教団。新たな"館"本格ミステリ第四弾! 奇跡と不吉の島。"堂"不可能殺人!
謎の宗教団体・BT教団の施設だった二つの館の建つ伽藍島。リーマン予想解決に関わる講演会のため訪れた、放浪の数学者・十和田只人と天才・善知鳥(うとう)神、宮司兄妹。その夜、ともに招かれた数学者二人が不可能と思われる"瞬間移動"殺人の犠牲となる。秘められた不穏な物語がさらに動く"堂"シリーズ第四弾。
感想・レビュー・書評
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トリックの発想がえげつなすぎ。孤島の館で発生した密室殺人、不可解な状況で発見される死体。堂シリーズの第四弾!
本作の主人公である女学生が、孤島で開催される数学講義に招待された。数学者たちが集まる二つの館で講義が始まるが、いつの間にか人が消えてしまい…
トンデモ館で発生した密室殺人を解決すべく、推理を繰り広げる本格ミステリー。
よくもまぁこんな館、仕掛けを思いつきましたね。眼球堂、双孔堂、五覚堂と、ほぼありえない建物で困難なトリックだと思ってましたが、一応の現実性はありました。
しかし、さすがに今回は無理でしょw でもそこが最高!
相変わらず数学の講釈はついていくのが大変ですが、世界観や登場人物のキャラクター描写は素晴らしい。数学者の鬼才ぶりというか、変態ぶりが萌える。今後の展開が楽しみになる結末もいいですね、本シリーズがますます面白くなってきそうです。
理系、建築が好きな人には是非お勧めしたいミステリーです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
衝撃!
トリックは勿論、その他これまでのシリーズを読んできた人にはちょっと信じられない内容。
ストーリーについては、これ以上語らないほうが良い気がするのでとにかく凄かった、ということだけ。
理系ミステリーは、これまで自分の中の知らなかった知識を与えてくれる。難しくて全てを理解できなくても、今までとは違う思考方法を見つけることができたり面白いと思ったことは積極的に調べてみたり。 -
堂シリーズ第4弾。
いやートリック、エピローグ、面白かった。
意外なトリック、意外な犯人。
犯人の動機は勿体ない気がしました。
あとは神が自然を操るように見えるシーンや実際のトリックの細かい部分はもう少し丁寧でもよかったかなーと。
今回も数学用語についてネットで調べながら読み進めました。この読み方がすごく面白いし、知的好奇心が満たされ、文系の自分にはとても楽しい!
次作が楽しみ!大きなストーリーの中でも動きがあり、早く先が読みたい。
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■奇跡と不吉の島ーー"堂"不可能殺人!
謎の宗教団体・BT教団の施設だった二つの館の建つ伽藍島。リーマン予想解決に関わる講演会のため訪れた、放浪の数学者・十和田只人と天才・善知鳥神、宮司兄妹。その夜、ともに招かれた数学者二人が不可能と思われる"瞬間移動"殺人の犠牲となる。秘められた不穏な物語がさらに動く"堂"シリーズ第四弾。 -
数学者の講演に招待された宮司兄妹(兄は招待されてないけど)たち。その舞台はBT教団の施設がある伽藍島。そこで起こる不可解な殺人事件。
毎度のことながら、こんな建物実際にあるのか?!っていう奇天烈トリックだけど、そこが毎回楽しみになってくる。現実に作れるんだろうか…?
なんで全員一緒に探しに行くのか、二手に分かれて探しに行けばいいのでは?というツッコミしたくなる感じだったけど。
そして、少しずつ明かされていく宮司兄妹の謎も気になる。 -
えぇ……。そんな展開ありかよ……。
やってくれたなぁ周木律。
シリーズの折り返し地点にして物語の転換点となる第四作。
堂の仕掛けを楽しむシリーズ第四弾。 -
堂シリーズ四作目。 前作のラストにて物語の重要パーソンになりうる数学者・藤衛が逆転無罪判決を受け出所、そこからの不穏流れが今作の事件にも漂っている。 十和田、善知鳥、宮司姉妹、それぞれの過去や因果を仄めかす本作は一つの事件としては勿論解決を施されたがシリーズ作としてはまだまだ先の見えない、寧ろ一層見えなくなってきたのが今回の伽藍堂での事件である。