渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネスト (講談社ノベルス)

  • 講談社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062990158

感想・レビュー・書評

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  • 第49回メフィスト賞。

    表紙・挿絵から女性向けにターゲットを絞った本なのだろうと思うので、メフィの傾向としては高里椎奈の跡継ぎを狙った感じなんだろうか(しかしあちらは文庫になる前のはそこまで露骨な女性向け路線を出していないのでこちらの方が人を選ぶ結果になってしまっていると思う)。
    ミステリとしてはやや小粒な出来上がりで、全体としてパンチに欠けるものの、堅実に作ってはあるので、男性のミステリマニアでも楽しめるのではないかと思う。そこまでやおいっぽい要素とかも無いので。
    次作・次次作も買ってあるのでとりあえず読もうと思います。

  • 霊媒師って設定忘れるほどそんな場面が出てこない。

  • メフィスト賞(49回)

  • 第49回メフィスト賞受賞作。
    渦巻き状の回廊がある奇妙な館、本を開けると館の見取り図という本格ガジェットにテンションが上がったが、内容は表紙のイメージのようなマイルドなオカルトミステリ。探偵役が霊媒師なのだが、ラストで使う特殊能力をなぜ最初から使わないのかと突っ込みたくなった。何か限定条件があるのかもしれないけど…
    シリーズ化して対決モノになるのだろうが、今のところ良くも悪くも軽くて薄味な感じ。

  • メフィスト賞、という言葉と表紙のBL臭(どちらも好物)にフラフラーっと惹かれて購入。

    まず、BL臭については、ほのかに香る程度です。BLも好物な私としては今後の展開が楽しみですが、一般読者を置いてけぼりにしないよう、この程度のほのかさに抑えて欲しいような気もします。メインの登場人物が全員男性な時点で個人的には十分です。

    ミステリーに関してもほどほど、ですね。
    本格的、というわけではないです。一応納得はしますが、とってもスッキリ終わった!という感覚もない。
    主人公に突出した推理能力を持たせてもいませんし、今後もほどほどにミステリーな作品が続くのでは、と勝手に想像します。

    これといってとっても良い!という要素はないですが、好物が混ざった作品は今まであまり読んでいないので、今後、このシリーズは読み続けると思います。

    通勤・通学時間や休憩時間に読む「ほどよい」作品を求める人にオススメです。

  • 霊媒師一族の末裔・アーネストと
    3年前に死んだ叔父の後を継いだ喫茶店店主・佐貴。
    二人が挑む最初の事件。


    <あらすじ>
    霊媒師・アーネストのもとに持ち込まれたのは、
    16年前、画家・藤村透基の屋敷から消えた少女・ミリの捜索依頼。
    依頼主は藤村透基の孫・月都。
    ミリは月都の姉・水里と仲が良かったらしい。
    そして水里は16年前、ミリを殺したらしい。
    だが死体はなく、ミリの素性は誰も知らないという。
    そんな水里は3年前、父である藤村志基の死後、体調を崩し臥せっているとのこと。

    依頼を引き受けたアーネスト。佐貴も同行することに。

    藤村邸に向かう途中で、同じく藤村邸に用があるという謎の探偵・鳥出をピックアップ。
    道中、喫茶店に飾ってあった藤村透基の絵が盗まれるという事件もありながら、
    藤村邸に到着。

    藤村邸には渦巻き状の奇妙な回廊があり、最深部には人形が飾られており、その人形をメンテしてる三神や、藤村透基の弟子だった人の息子・飯嶋などがいた。
    そんな屋敷をアーネスト達が散策しつつ調査していたとき、殺人事件が発生する。

    被害者は 水里の元婚約者の長岡和彦。
    遺体には紫陽花のナイフが刺さっており、そのナイフは16年前、水里がミリを殺したときに使用し、以後ミリと共に姿を消していたものらしい。

    屋敷の外には和彦が乗ってきた車があり、車中には、
    喫茶店に飾ってあった藤村透基の絵と、
    3年前佐貴の叔父が死んだ轢き逃げ事件の調査報告書があった。
    その報告書は1年前、鳥出が和彦に依頼されて作成したもので、今回島出が藤村邸に来たのも和彦からの依頼で、和彦は鳥出をオトリにして屋敷に侵入し、水里との接触を図ろうとしていたらしい。

    そんなこんなあった翌日、鳥出の死体が発見される。。。


    <オチ>
    アーネストは鳥出を憑依させ、鳥出が推理を披露する。

    ミリの正体は飯嶋で、
    すべては水里が大好きな飯嶋が起こした犯行だった。

    藤村志基は、娘の水里に贋作を描かせていた。
    佐貴の喫茶店に飾ってあった絵は水里が描いた贋作で、
    佐貴の叔父はその絵が原因で藤村志基に轢き殺され、
    飯嶋は水里を救うため藤村志基を殺した。
    そして和彦がそのネタを掴み、脅そうしてきたので殺した。
    島出は水里の真相を知りそうだったから殺した。

    実は藤村志基の死後すぐに水里は自殺していて、
    人形師であり霊媒師でもあった三神が水里の遺体に命を吹き込んでいた。

  • これはBLですか?いいえ、意外にコテコテな王道の館ものです!(嬉)
    というわけで、お耽美な雰囲気漂う美青年が描かれた装丁と、数多の色モノ作品を輩出してきた「メフィスト賞受賞作」とあって、非常〜に身構えながら手に取った今作。
    ところがどっこい、目次の次に現れた見取り図を見て購入を即決。一部の女子層狙いすぎィ!なキャラも霞むような、素晴らしき見取り図です。で…でんでん虫…!←読んだ人には分かって頂けるかと(笑)

    周木先生とといい殊能先生といい、メフィストの作家の見取り図って、本格・新本格の王道の見取り図を越えようという気概が感じられる館がチョイチョイ出てくるから、見逃せないのよな〜。
    かつてミステリに胸踊らせた少年達が、キラキラお目々を光らせて、「こういうのどう?見たことないっしょ?!」って胸を張ってる姿が見える気がするのよね〜(笑)。

    閑話休題。本編内容と感想です。
    〜ここから概要〜
    数年前に失踪した友人を探して欲しいという依頼を受け、人里離れた山奥の屋敷を訪れたアーネストと佐貴。奇妙な館に住む奇妙な住人達と、招かれざる奇妙な訪問者達が出会ったその日に、悲劇の火蓋は切って落とされた!
    でんでん虫← な館の最深部で死体となって発見された男は、いかに密室とかした部屋の中に運ばれたのか?
    そして、謎を追究していたある人物も、翌朝同じ状態で遺体となって発見されるが…。
    〜ここまで概要〜

    キラキラな外見に、てっきりツンデレ英国紳士なんだろうと見当をつけて、実際にその傾向はあったんですが、どうもこの霊媒探偵、第一作目にしては印象が薄い。
    かえって、もう一人のホームズポジションを途中まで務めた彼の方がしっかり探偵してましたね。いや、職業が探偵だったからそりゃそうか…。

    しかも、最後の犯人指摘もびっくりな手法を使ってましたからね〜(°_°)アーネストは、もしかしたら「名探偵」ではなく、「超優秀なワトソン」の役割を今回は演じていたかもしれません。
    だって、犯人に推理の穴を指摘されて、「うーん困っちゃったな〜」ってなった結果、「彼」に後を委ねたわけですからね〜(笑)。続刊以降、名探偵として成長していく彼の姿が楽しめるかもしれません( ^ω^ )
    アーネストのお友達・佐貴くんも、しっかり探偵に閃きを与えるワトソンの仕事をしっかりしてましたな〜( ^ω^

    でも、あの黒幕はちょっと演出が凝り過ぎな気がする〜(笑)。
    周木先生のシリーズの黒幕もそうだけど、名探偵とのファーストラウンドものといえば、やっぱり「すべF」の犀川先生VS真賀田博士のインパクトには及ばないのよねえ(贔屓丸出し)。

    兎にも角にも\(^o^)/
    被害者の為に黙祷を捧げ、死者を慰めるように体温を失った手を握る、ツンな仮面の下に繊細な優しさを持つ新たな名探偵候補の登場を、喜んで歓迎いたします。
    あ〜あ、また追っかけるシリーズ増えちゃったよ〜\(^o^)/←嬉しい

  • ”渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネスト”風森章羽著 講談社ノベルス(2014/05

    発売)
    (表紙:雪広うたこ)

    ・・・第49回メフィスト賞受賞作。霊媒師アーネストが受けたのは十六年前の少女消

    失事件の依頼。くせのある住人達がいる、奇妙な人形が飾られている屋敷を捜索する

    アーネストと友人の佐貫だが、新たな殺人の幕があがってしまう。

    ・・・霊媒能力はおまけ程度。なくても解決できています。となると霊媒という胡散

    臭さは薄れるのですが、霊媒師を主人公にしている意味も薄れるんですわな。
    回廊の謎も私の苦手な”建築業者を呼べばわかるやろ!”ってな物でしたし、ちょっ

    とおすすめしにくい作品でした。

    ・・・事件の黒幕なんかは多少いい味を出していたのでキャラクター偏重の作品にも

    感じられました。

    ・・・シリーズ第二弾”清らかな煉獄”が2014年秋発売予定。

  • 普通にデビュー作としては面白いミステリーでした、起こる事件と謎、そして館。いい感じ。あと、後ろであと引く影の真犯人…最近こういうの多いなあ。なんというかそういうのばっかりって意外にさめていくんですよね。やっぱり探偵対犯人が本格ミステリーは理想。

  • 主役であろうはずの“霊媒探偵アーネスト”が終盤になるまであまり表立って来ないのでジレジレ。しかも謎解き自体はアーネスト君ではなく、もしかして結局の所あの人?という事か?霊的な物もあまり無く。とは言え、謎が解け犯人が分かってからエンドまで怒涛の展開は面白かったです。次回に向けての含みもあり、期待できそうです。

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著者プロフィール

3月7日、東京都調布市生まれ。『渦巻く回廊の鎮魂曲 霊媒探偵アーネスト』で第49回メフィスト賞を受賞し、デビュー。ほかの著作に、『私たちは空になれない』などがある。

「2023年 『獏の掃除屋』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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