- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062990998
作品紹介・あらすじ
アカデミズムの異端児、潮田誠教授の主宰する天橋立へのバスツアーで起こった全員死亡事故の因縁を解き明かす。事故のおよそ二年前、大学関係者が立て続けに、野犬らしきものに喉元を食い破られて命を落とす。彼らは二人とも同じ研究室に所属していた。助手の永田遼子は教授が密かに研究しているらしい神功皇后について独自に調べるうち、歴史を揺るがしかねない記述をある古典籍にみつける。
感想・レビュー・書評
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高村篁や磯笛たちが日本を怨霊たちが跋扈する世界にしようと悪だくみを巡らすシリーズ。まさしく悪だくみとしか言いようがないよな、というか無辜の人々を殺しすぎだ。本当に怪しい悪辣なやつらである。この世と地獄を行き来したという小野篁の子孫だという。これが前紀ということで、後紀があってこの悪だくみを阻止しようとする人たちも出てくるんだろうな。唐突に火地という地縛霊が出てきて、日本史の蘊蓄を開陳したりする。この辺りが結局この小説の肝だったりするんだろう。というのも、神功皇后の息子の応神天皇は夫の仲哀天皇との子ではなく武内宿禰との子であり、応神天皇から天皇家は女系天皇になってしまっているというのだ。それを隠すために神功皇后は架空の人物だという説を流布させたーうーむ、そうなのか、それとも作者の解釈に過ぎないのか。作者はどうも女系天皇を認めるべきだという意見らしいが、その辺も難しいところだなあ。
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前作でシリーズ完結、今作はシリーズの前日譚。
シリーズ本編の根本にあったバス転落事故の詳細を描いているのかと思って、読み始めたが、実際には事故が起きる前の国学院大学の学生の連続死を扱っていて、本題に触れたのはラストのほんの少しだけ…これで転落事故の真実が全てであれば、とても拍子抜け。
シリーズは完結したけど、この後もずるずる引っ張るパターンなのかなぁ。 -
神の時空シリーズ本編で詳細が語られなかった、潮田教授主催のバスツアー事故につながるエピソードでした。
読み始める前は、ツアーに参加した参加者視点から、物語が語られるのかと期待したのですが、そういう方向性の作品ではありませんでした。
神の時空シリーズの前日談としても今ひとつな内容でしたし、歴史ミステリーとしても消化不良なものだったのが残念です。 -
前紀になっているので後紀が次か。摩季が生き返ったところで終了してもいいのでは?と思ったが、そこから遡って件のバスツアー全員死亡事件について語られる、、と、思いきやほとんど神功皇后話で終了、薀蓄的にもさして目新しい話はなくてテツも絡まなくてお約束ナシ肩透かし。磯笛は実はババアの女子高生コスだったという事実発覚でミョーな気分になった。
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高田崇史さんの小説で、製鉄が出てこなかったのははじめてかも。
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神の時空、前日譚。
前紀とあるから、後紀もあるのかと思ったのですけど、あったとしたらシリーズの後日談でしょうなー。
というわけで、こちら一冊で完結してます。が、シリーズ読まないと意味わからないのは、まあ、わりといつも通り。
古代天皇に対する蘊蓄話。
研究として面白いなーと思って読んでました。
まあ、今の大半の人々がそうだと思うのですが、天皇って一種の職業だと思ってるし、皇族の方々は大変だなあって思ってます。断絶するなら女系でもいいじゃない、と思うのだけど、そこんところの熱量持った人の考えはどうにもよくわからんわー。
と言うだらんとした気持ちで読み終わりました。
…正直、最終巻より面白かっ() -
2017/09/17読了