黄色い本 (KCデラックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (154ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063344882

感想・レビュー・書評

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  • 絵柄が受け付けないけれど、すごい技巧だと思う。

    すごく好きで、その本の世界に入り込んでしまって登場人物と会話しちゃう感覚、昔はあったなー。

    マヨネーズという話もなんだか味わい深かった。

  • 最近、高野文子にはまっている。遅ればせながら。
    この作品も、例に漏れずよい。
    何がよいのか、表現力と語彙の不足によりうまく説明できないけれど、とにかくよい。
    一回読んで理解できないところもよい。分かりにくいのではなく、深さがある。たぶん。
    感じることと読み解こうとすること、両方が求められている気がする。そういった読書体験はとても心地よい。

  • 図書館で本を借りてきて夢中で読むということをしなかった私の学生時代と対照的。羨ましい。
    そして、自分にとって一生持っておきたいと思う本はなにか考えている。
    作品によってガラッと絵柄の変わる高野文子さん、好きです。

  • 4話収録の短編集。

    田家実地子(実ッコちゃん)は、図書室で借りた「チボー家の人々」を、テスト勉強そっちのけ、寝食を忘れるほどに読みふけている。
    本の中の登場人物と心が通じ合っていく過程を鮮やかに描く『黄色い本』

    ママとルリちゃんとエリちゃん、そしてパパ。
    幸せのひとときが愛おしい
    『CLOUDY WEDNESDAY』

    とあるオフィス。
    のんびり屋さんと見せかけて結構しっかり者のたきちゃんと、周りの同僚との暖かい距離感を描いた『マヨネーズ』

    ヘルパーの里山まり子が、訪問先で偶然出会った利用者の息子と過ごした奇妙な2時間半の記録『二の二の六』

    『黄色い本』は、実ッコちゃんの読書の仕方が本当に理想的。
    バスの中で、縁側で、机の上で、そして寝る前。
    顔の影で、ページのとこ暗くなってんじゃないの?と思うくらい顔を本に近づけて読みふける実ッコちゃん。
    大好きな本を読み終わってしまうときの悲しみと、奥付までしっかり目に焼き付けるところも、めちゃくちゃ気持ちがわかったから嬉しかった。
    実ッコちゃんのトーチャンが発する、娘への暖かい眼差しとセリフもすべて心に響いた。
    10代で、ここまで没頭できる本を見つけられるって本当に幸せなことだ。

    『CLOUDY WEDNESDAY』は、パパが藤岡弘、みたいな風貌でちょっと意外だった笑
    そんなパパが久しぶりにお家に帰って来たときにママがふと「かっこいい」と呟くシーンが好き。

    『マヨネーズ』は、とにかくラストシーンのたきちゃんがかわいくて大好き。
    しあわせはやつは、無敵。
    無敵なやつは、やさしい。
    この境地に、自分もいけたらなぁ。

    『二の二の六』は、仕事とか家事をしながら歌う(しかも懐メロ)人を他人とは思えないので、まり子さんには自信持って幸せになってほしいな…と思った。まり子さんは自分が不幸だなんてあまり思ってないかもしれないけれどね。

    そして1冊読み終わったとき、自分も何かに没頭したくなっていたのだった。
    没頭=幸せ、なんだな。

  • 読了日:多分2014年

    視線誘導のリズム、軽やかな言葉、etc…極まっている。。。
    さらにまじまじ見て、読んで、掘り下げたい。

  • 久しぶりの再読。表題作が何だかすごく胸にしみて、涙が出そうだった。以前読んだときは、とてもいいなあとは思ったが、こんな気持ちにはならなかったのだけど。これもトシのせいだろうか。

    先日読んだ萩尾望都先生の本に、漫画のコマ割について詳しく述べられていたのが頭に残っていたためか、高野文子さんのコマ割がいかにユニークか、あらためて痛感した。なにしろ、滑らかに読めない。一コマ一コマで立ち止まらざるを得ないように描かれているように思える。何と言うか、話の流れのためにコマがあるのではなくて、それぞれに奥行きがある感じ。読み進めていくうちに、主人公の実っこちゃんをはじめとして、出てくる人たちのリアルな生活感が伝わってくる。

    実っこちゃんが、高校に通いながら、家で家族と生活しながら、学校の図書館で借りた「チボー家の人々」を読んでいく。実っこちゃんは、現実と、本の中と、二つの世界を生きている。自分もかつてはそうだったような気がして、懐かしいような切ないような、なんとも言えない気持ちになった。お母さんに怒られながら布団のなかで読んでいる彼女は私みたいだ。

    本の中でジャックは死んでしまい、実っこちゃんはメリヤス工場に就職する。お父さんがすすめてくれたとおり、実っこちゃんは「チボー家の人々」を買っただろうか。またメーゾン・ラフィットを訪れただろうか。

  • 様々な人間関係の中で生じる空気感や会話の中での間が上手に表現されていて独特の世界観がある。
    少し難しい表現もあったが、面白かったのでまた読み返したい。

  • 方言の心地よさ。
    時間を気にせず、夜中まで読みふける幸せ。
    本の中の親友たち。

  • もう一度。何度でも何度でも読み返す。「好きな本を一生持ってるのもいいもんだと俺は思うがな」実ッコが戦ってるものは何なんだろうな、そんなことを何度も考える。ワタシもこんな風に本を読もう、と思う。

  • これは…こんな感じ初めてなのだ(;゚д゚)
    漫画を読んだはずが一冊の本を読書したような読後感?!

    本が好きな僕は気に入った(〃ω〃)

    正直、一回目では面白いとは思わなかった(-ω-;)
    でも二、三回と読むと何故だか面白くなってくる!まさにスルメ本!!

    何度も読めるから限られたお家のスペースにこの本を置くことに僕は決めたよ(。・ω・。)b

    内容は『元祖、日常系漫画』?

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著者プロフィール

高野文子(たかの・ふみこ)
1957年新潟県生まれ。漫画家。1982年に日本漫画家協会賞優秀賞、2003年に手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。作品集に『るきさん』『おともだち』『絶対安全剃刀』『ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事』『棒がいっぽん』『黄色い本』がある。漫画作品の他に、絵本なども手掛ける。

「2022年 『増補 本屋になりたい この島の本を売る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高野文子の作品

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