- Amazon.co.jp ・マンガ (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063722017
感想・レビュー・書評
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<「カエサル」という名を持つ男。>
新聞広告で知り、書評で興味を持ったコミック。
チェーザレ・ボルジアを描いた作品である。チェーザレはラテン語ではカエサル。古代ローマ帝国の礎を築いた英雄と同じ名を持つ男は、その偉大さもまた受け継ぐのか。
ルネサンス期の壮大なドラマが美麗な絵で繰り広げられる。
自分が知ったのは最近なのだが、1巻刊行は2006年、すでに10巻まで出ている。
「破壊の創造者」というパンチの効いたサブタイトルがよい。
1巻では、石工の家に生まれた学業優秀な青年・アンジェロが狂言回しとなり、この時代のピサの大学へと読者を誘う。
この巻は導入で説明的セリフも多い。
出身地ごとに形成される学生団、メディチ家やボルジア家等の名家同士のつながりや確執、都市における貧富の差など。アンジェロという世情に疎い(純真であるが、ある意味、天然で空気を読まない)若者を配したことで、この時代に馴染みのない読者も同じ視線で新しい世界にすっと入り込んでいける。
さまざま興味深い話が出てくるが、非常におもしろかったのは馬の種の話である。
フランスの学生団が乗りこなすのはデストリエールと呼ばれる種。体格がよく、従順である。重装騎兵の重量を支える体力がある。対して、スペインのチェーザレが乗るのはアンダルシアン。アラブの競走馬とスペインの土着馬の混血のこの種は、細身で気性も荒く、乗りこなしやすい馬ではない。だが、その速さと闘争心は、大きな強みとなりうる。
地域や宗教を異とする各勢力が反目し、絡み合う予兆を感じさせる展開。
2巻以降も少し、追ってみようと思う。
*関連書↓も出ているようだ。
『チェーザレ・ボルジアを知っていますか?』(講談社) -
1~6巻
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雑誌の紹介で気になっていたところ、友だちの勧めもあって、読み始めました。
友だちの警告どおり、読み始めたらなかなか止まれません。
主人公は、マキャベリの「君主論」に登場するチェーザレ・ボルジア。
緻密な時代考証を基礎としつつ、華麗さと悪魔性に満ちた世界が繰り広げられています。 -
チェーザレボルジア
イメージは高校生の時読んだ、渋澤龍彦などの本の影響で、「悪徳・背徳の華」と言う感じだったけど…
なんだかイメージがいい感じで覆されました。
天然で純粋なアンジェロとの関係は『BananaFish』の
アッシュと英二の関係を彷彿とさせました。
先が長そうですが、何度も読み返して新刊を待っています。そんなコミックは久しぶり。 -
いけめん
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この時期のヨーロッパ最大に権力を誇った男が 落ちぶれて最後には一傭兵として戦死したと言う話に惹かれて読み始めました 最後まで戦士としての己に拘った男の物語をどう読ませてもらえるか コレからが楽しみなコミックです
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最新刊(第9巻)まで読了。
面白い!読み出したら止まらなくて、読みかけの本そっちのけで9巻まで一気読み。スペイン団、ステキすぎるだろ!いかんせん世界史に無知ゆえ、物語の背景を理解しながら読むのにすんごく時間がかかってしまいましたが、イタリアの歴史的背景の説明も詳しく、巻末に監修者の解説や用語説明もあって、とても分かりやすかった。
それにしてもこの人は本当に絵がうまい。感情をほんの少しの表情の違いで描き分けてしまう。カラーのページなんか本当にきれいで、ほれぼれしてしまいます。 -
以前に塩野七生先生のチェーザレを読んで日本の歴史上の人物で言えば織田信長?か伊達政宗か?といった感じで女子高生が好きになりそうなキャラクターだな?ちょっと惹かれるぜ☆と思っていた矢先に惣領冬実先生が漫画化ということで飛び付きました。ルネッサンス期のイタリアの歴史上の有名人のあんな方、こんな方も登場し、その豪華なキャストはさながら古き良きハリウッド映画を見ているような気分です。魅力的な登場人物達の物語の行方が気になり、次巻が待ち遠しくてたまりません。せめて一年に一冊出てくれると嬉しいのですが惣領先生の史実に忠実な職人仕事を堪能させていただくためにはやむなしです。今はただ、うっかり深夜のアニメやくだらない映画化など絶対にされないよう祈っています。
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面白い!名前の聞いたことがある人がいろいろと出で来る中世のイタリアの話。たまたまWOWOWでもボルジア家のドラマやってるので合わせて見てます。
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9巻まで読みました。
チェーザレを通してルネサンスのイタリアを見る。宗教、政治、身分、人種、いろんなことがからみあって時代が進んでいく様に震えます。
コメントありがとうございます。
そうですか、先は長そうですね。
参考文献もかなりの数ですよね。
最初に挙...
コメントありがとうございます。
そうですか、先は長そうですね。
参考文献もかなりの数ですよね。
最初に挙げられている資料がイタリア語のものであることにまず驚きました。
楽しみにゆるゆる読み進めたいと思います(^^)。