天子蒙塵 第三巻

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065118153

作品紹介・あらすじ

新天地から始まる果てしなき道へ。
「馬賊の歌」も高らかに、日本を飛び出した少年二人、妙齢の美男美女は駆け落ちか。
満洲の怪人・甘粕正彦、男装の麗人・川島芳子も加わり、新たな登場人物たちが、それぞれの運命を切り拓くため走り出す。
満洲ではラストエンペラー・溥儀が執政として迎えられ、張学良は妻子を連れヨーロッパへの長い旅に出ていた。
日中戦争以前に何が起こっていたのか?
伝説のベストセラー『蒼穹の昴』シリーズ第5部。著者ライフワークはいよいよ昭和史の「謎」に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 川島芳子や吉田茂、ムッソリーニにココ・シャネルなど・・・有名人がちょくちょく絡んできたのが興味深かった。
    新たな展開として、日本を飛び出して満州へやってきた二人の少年や駆け落ちカップルの物語も始まり、ここに来てまた面白くなってきた。

  • 白虎張張作霖の長子、張学良の出番が多めの3巻。。溥儀との対比が面白い。溥儀のほうはダメっぷりを描いて行く事ですでに知っている終局に向けて心の準備ができる。阿片でどれぐらいの人材がダメになったのかと、つい想像してしまう。他にも孫文の後継者、蒋介石や、毛沢東の名前がではじめる。イタリアでのエッダ・ムッソリーニやココ・シャネルとの絡みが面白い。とはいえ、イタリアで何をしていたのかは不明らしいというのが、著者のエッセイかなにかで読んだような記憶が(JALのフリーマガジン?)2001年にハワイで亡くなられた時に、いろいろとメディアで取り上げられていたので記憶に新しい。

  • この本を読んでいて、敗戦を経てもなお、日本人はこの頃から全く変わっていないのだなと思った。ここに描かれる一部の日本人の姿が、今の日本の、特に政治家(安倍・菅政権の閣僚)や官僚と全く同じ印象なのだ。
    また更に、最近話題になった大阪大学の研究結果ー日本人は世界の中でもとりわけ意地の悪い民族であり、それが社会経済活動を阻害する要因考となっているーが思い浮かんだ。
    特に206~207ページの日本人考が心に残った。信念も良識もない天邪鬼で卑怯な恥知らずが大風呂敷を広げてこうだと言い切る大言壮語を信じてしまい、彼らの誘導するままに流されてしまう…とても腑に落ちてしまった。
    私ももっと現実を見て、私なりに状況を見極めて、冷静に考えないとなと思った。

  • 物語としては面白いのはもちろんだが、この時代のことをもっと知りたくなった。

  • 漢卿が問う。
    流民の子に生まれ、馬賊の頭目から身を起こした張作霖が、どうして東北王の王座に就かず漢土をめざしたのか、中原の王者となって北京政権を掌握したあの時に、どうして紫禁城の王座につかなかったのか

    王道論が面白い。
    そう、張作霖は知っていた、自分は「覇者」であって、天命を受けた「王者」ではないことを。そして、漢卿も気付いていた、二世代では「王道」に程遠いことを。
    だから、ゆえに、張作霖は、王座に近付くにつれて、幸せそうでなくなったのかもしれない、漢卿も、心も体も阿片に任せざるを得なかったのかもしれない。そして、逃げ出さざるを得なかった。

    本来あるべき「王道」は、どの巻が忘れたけど、皇帝の名前の一文字目の世代、九代めの「奕」から「載」→「溥」にしたがって、力が弱まっていくとの説はその通りかもしれない。1つの民族の栄枯盛衰、あるいは寿命なのかもしない。明朝も江戸幕府もそのくらいだったし。

    戦争は進化する。白色人種の覇者たる米国と、有色人種の代表たる日本が決戦をし、——
    これは、あきらかに後付けだよね。当時、そこまで考えていたとは思えないけど。どうでしょう。

  • シャネルや吉田茂、、、他にもいろいろ出てきて、何が何やら〜な感じになってきた

  • タイトル通り、廃帝・溥儀と、亡命者・張学良という二人の漂泊する貴人が主役を務める第3巻。溥儀編は重苦しいものの、張学良編はようやく雌伏を終えようとしており、盛り上がってきたところ。

  • 不知為何,溥儀的橋段我都比較喜歡,武藤大將被陰謀除掉了很令人悲傷。但是轉到張學良的橋段,不知為何就是失之平淡,亮點不多也有些缺乏說服力。預言到要他去兵諫,可是並沒有之後的榮光阿,這讓我覺得預言和龍玉又把這個故事卡住了。而和文秀同年登第的探花王逸說他在湖南教一個學生,當然馬上就知道是誰了,李春雷馬上直覺這是天命所在似乎有點太過牽強。第四集究竟會把龍玉安排成如何呢,似乎無法逃離歷史的框架。

    袁金鎧這個蝙蝠角色的塑造反倒讓我覺得比較有趣,他在火車上和川島芳子的橋段也令我印象深刻。火車上還有逃往新京的小孩和私奔的情侶,似乎故事也會繼續發展。志津則去拜訪曹長的故鄉,這時才提到他之前受天皇之託調查真相,回頭想想閱讀前四部已經是很久很久以前了,一點都沒印象....有點緊張地要邁入第四卷,最在意的還是溥儀的描寫和龍玉的去向。

  • 希望の地を目指し海を渡った少年二人。新天地から始まる果てしなき道へ、運命に導かれ、それぞれの楽土を目指す。

    一方新たに満洲の怪人・甘粕正彦、男装の麗人・川島芳子、欧州に吉田茂が登場。
    昭和史最大の事件「日中戦争」前夜、大陸に野望を抱き、夢を摑もうとする者たちが動き出す。

    大きな事件は起こらないものの、登場人物が入り乱れて全体感が掴みにくくなってきた。

  • 2019/7/1読了。ようやく浅田節が聞こえて来た。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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