山海記

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 93
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065149942

感想・レビュー・書評

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  • 主人公と一緒に旅をした気になった。主人公と一緒に過去の出来事や旧友を偲んだ気になった。
    とても大きな喪失の後、旅に出ずにはいられない気持ちはとてもよくわかる。

    愛読していた著者が被災され、どのようなことを感じ、どう行動され、どうなっていかれるのか。
    私小説を愛読していた読者は待ち望んでしまう。はしたない感じはするし、人ごとのように作品を読んでしまうのは違う感じはする。
    その反面わかった気になるのも違う感じがする。
    本当の意味で共有できないのに共有しなきゃとプレッシャーがかかる。
    だから、この本の感想もなんか書きにくい。
    お気楽感想しかいつも書いてないから書きにくい。

    日本というのは本当に災害の多い国。昔から。諦めのいい、我慢強い国民性(ほんまか⁈)はそんなところからもくるのだろうか。
    十津川には2度行ったことがあるが、なかなか遠い。
    大和八木から新宮に抜ける路線バス乗ってみたい。




  • 災害の記憶たどる巡礼の旅(評/千葉一幹=大東文化大教授)
    <書評> 山海記:どうしん電子版(北海道新聞)
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/302656?rct=s_books

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    東北の大震災後、水辺の災害の歴史と土地の記憶を辿る旅を続ける彼は、その締めくくりとすべく、大震災と同じ年に台風12号による記録的な豪雨に襲われた紀伊半島に向かった。バスの車窓から見える土砂災害の傷跡を眺める彼の胸中には、クラシック好きで自死した友・唐谷のことなど、さまざまな思いが去来する。現代日本における私小説の名手が、地誌と人びとの営みを見つめて紡ぐ、人生後半のたしかで静謐な姿。

    東北の大震災後、水辺の災害の歴史と土地の記憶を辿る旅を続ける彼は、その締めくくりとすべく、大震災と同じ年に台風12号による記録的な豪雨に襲われた紀伊半島に向かう。天嶮の地、大和は十津川村へと走るバスの車窓から見える土砂災害の傷跡を眺める彼の胸中には、かつてこの道を進んだであろう天誅組の志士たちの、これまで訪れた地や出会った人、クラシック好きで自死した友・唐谷のことなど、さまざまな思いが去来する。バスはいよいよ十津川村へと入っていき、谷瀬の吊り橋前で休憩停車する。ここで途中下車した彼は吊り橋を渡る。風に揺れる橋の上で彼は、電気工だったころのこと、中学生時代のことなどを心のなかで唐谷に語りかけるのだった。
    二年後、小説の彼の足取りを辿るように、病の癒えつつある「私」はふたたび谷瀬の吊り橋の上に立っていた。橋を渡りながら、「私」は宿のおかみさんと話をした北海道の新十津川町のことを思い出し、唐谷への友情にひとつの答えをみつける。
    現代日本における私小説の名手が、地誌と人びとの営みを見つめて紡ぐ、人生後半のたしかで静謐な姿。
    http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000320758

  • <読了>#山海記 #佐伯一麦
    少し辛い読書時間になってしまった。
    奈良の十津川村の水害の跡を訪ねるバス旅
    そこに、東北震災の悲しい記憶を重ね合わせ
    さらに、地誌のような歴史やそういうのを入っていく
    肩が凝る話しだった。
    読む本の選択を間違えたかな。

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著者プロフィール

1959年、宮城県生まれ。84年、「木を接ぐ」により海燕新人文学賞、91年、「ア・ルース・ボーイ」で三島由紀夫賞、「遠き山に日は落ちて」で木山捷平文学賞、『鉄塔家族』で大佛次郎賞、『山海記』で芸術選奨・文部科学大臣賞文学部門を受賞。ノンフィクションに『アスベストス』、エッセイに『Nさんの机で ものをめぐる文学的自叙伝』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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