ここは、おしまいの地 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065202074

作品紹介・あらすじ

「うまくいかない日々を書いていたら連載になって、本になって、このたび受賞しました。体内に「鳥居」を埋め込まれてから人生好転。あのとき死ななくてよかったなあ。(こだま)」 --第34回講談社エッセイ受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • ユーモアに自分のことを客観視していて、めちゃくちゃ好きな文章だった

  • 面白いけど気が滅入る。自分は「田舎から逃げられなかった」側の人間なので。著者のようにここでもいいかと思えるようになるにはまだ時間がかかりそうだ。一生無理かもしれない。

  • 私のお気に入り面白エピソード部分
    「私の守り神」
    蒸れてめちゃ臭い股に8×4ぶっかける女だと思われた…もう私に恥ずかしいことは何もない…
    「春の便り、その後」
    切った瞬間に臭くキャベツ、揚げても臭い鶏肉、茹でたら腐る卵
    「言えない」
    ストレスを溜めると奥歯が欠けて柄本明にリラックスを強要される
    「いちご味の遺品」
    80代認知症祖母。ハチャメチャ期に長い棒を常備する

    グッときたエピソード
    「いちご味の遺品」
    80歳を過ぎても同じようにいちごミルクの包み紙を集めていた痕跡を見つける著者。幼い頃の思い出と共に胸の奥がギュッと締めつけられるような思いに共感
    「首に宿る命」
    どのようにも生きられる。その状況を面白がりながら生きていけたら無敵に違いない。本当にそう!と共感
    「父のシャンプーをぶっかけて走る」
    "わたしはこの見た目の印象と偏見と常に戦っている"と言っていた赤ミニスカ厚底サンダル女子の生き方かっこいい

  • おとちんには興味を持たなかったが、その後も書いていたのかと手に取ってみる。うまく生きられない、でもそれが私の「生きている」だと、著者は自分を納得させられたのだろうね。書くことで過去の自分を撫でられたはず。自虐やユーモアではなく、過去の自分への落ち着けだ。読んでいて、やはり運は外向性や社交性との相関が強いと思う。あと、夫の接し方が気になった。くせえ家に一年はハードだ。よく耐えられたな。

  • 田舎で「当たり前」すら知らずに育った著者の失敗続きの半生。講談社エッセイ賞受賞作。

  • 【番外編】
    ミニコメント
    田舎の集落で生まれ、規格外の人生観をもつ家族のもと、「当たり前」すら知らずに育った著者。ユーモラスに綴る愛しき半生とは。

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/639258

  • いじめとか虐待とも名付けられるような(こだまさんはそう言われたくないだろうけど)、いくらでも重く書けるエピソードが、最高のギャグになって昇華されている。
    わたしもこだまさんみたいに、恥ずかしいことも惨めなことも、全部笑いに変えられる人でありたい。下手な芸人顔負けのセンス!

    かと思ったら、こだまさんの入院中、集落にない無印良品が何なのかわからず、「無印のパンツ」ではなく「無地のグンゼ」を買ってきて大笑いされる母を見て「夜行バスで山奥から出て来てくれたお母さんのこと笑うな」と思う場面や、
    「ちりちりのパンチパーマで、自分のことを「オレ」と言う「遠慮の鬼」。」である祖母が「孫からの贈り物だけはちゃんと手元に残していた」場面でふいに泣かせてくる。

    あとがきで、過去の自分に向けて「あなたは気が弱くて、人の意見に流されやすくて内向的だけど、悩みながらもちゃんと生きていた。馬鹿みたいに真面目だったし、「いつか覚えてろよ」と挽回する日を夢見ていた。その日々を誰よりも知っているのは現在の私である。」と書いているのも涙腺が緩んだ。 

  • 始めは笑って読みました。が、読んでいて次第に辛くなってきて…、最後には筆者の強さに感服しました。筆者は「おしまいの地」を客観視できていて、その上でどうにもならないことを受け入れる強さもお持ちなのですね。
    「川本、またおまえか」のエピソードが一番印象に残りました。

  • とても酷い体験達が、センス良くとてもユーモラスに書かれている。
    語り口が面白いので、純粋に面白い話になっている。

    『予想外の出来事に遭遇しても、その状況ごと面白がりながら生きていけたら無敵。』
    この言葉は好きです。

  • こだまさんの過去の辛い状況をユーモアのある語り口調で描いている。思わずこだまさんを応援したい気持ちを持ちながら読み進めていた。所々笑ってしまう場面があった。お父さんのポロシャツを買いに行く話を読んだときは、本当に笑えた!本を読んで笑ったのは久しぶりだ。

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著者プロフィール

主婦。ブログ『塩で揉む』が人気。同人誌即売会「文学フリマ」に参加し、『なし水』に寄稿した短編を加筆修正した私小説『夫のちんぽが入らない』で2017年にデビュー。翌年には2作目となる著書『ここは、おしまいの地』を上梓した。現在、『クイック・ジャパン』『週刊SPA!』で連載中。

「2020年 『夫のちんぽが入らない(5)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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