葬られた勲章(上) (講談社文庫)

  • 講談社
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本棚登録 : 103
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065203170

作品紹介・あらすじ

監禁、謎の母子、人気政治家の過去――アマゾンプライムで新作が進行中のジャック・リーチャー・シリーズ、待望の最新邦訳!

感想・レビュー・書評

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  • リー・チャイルド『葬られた勲章(上)』講談社文庫。

    ジャック・リーチャー・シリーズの第13作。2009年の作品。

    信じられないことに再びリーチャーが火中に飛び込むかの如く事件に巻き込まれていく。事件がリーチャーを呼ぶのか、それともリーチャーが事件を呼ぶのか……という冒頭の展開から事件は謎が謎を呼び、リーチャーが事件に巻き込まれるたのは必然だったという展開に。

    深夜のニューヨークの地下鉄でジャック・リーチャーは自爆テロリストのような不審な女性を目にする。リーチャーがその女性に話し掛けると女性は自らの頭部を銃で撃って自殺する。事件の目撃者として警察の事情聴取を受けたリーチャーに近寄る4人の男と被害者女性の弟の警察官。

    自殺した国防総省の事務員スーザン・マーク、スーザンにとある調査を依頼した謎の美女ライラ・ホス、スーザンが調査していたと思われる下院議員ジョン・サンソム……謎が謎を呼ぶ。

    もはやベテラン浮浪者と化したジャック・リーチャー。とてもヒーローとは思えない。軍隊在籍による恩給か何かで暮らしているのだろうが、スマホや携帯電話を持っていなかったり、ホテルを非正規値段で利用したりと意外にセコい。

    本体価格1,000円
    ★★★★★

  • 2023/11/18読了
    アフガニスタン戦争の裏面史的な内容が出てくる。ムジャヒディーンの戦い、ソ連との戦い、アルカイーダ、タリバン といった世界。捕虜を山羊を捌くかのようにいたぶる描写は痛い。主人公はイスラムゲリラ、国防総省のエージェント、FBI、ニューヨーク市警を相手に例によっての無敵の大活劇は痛快。両勢力が取り合う秘密写真の中身は最後まで明かされない。

  • リー・チャイルドは日本でも人気の高い作家だが意外なことに半分ほどしか翻訳されていない。デイヴィッド・マレルの作品が途絶え、ロバート・ラドラム、ロバート・B・パーカー亡き後、海外ミステリの大御所はリー・チャイルドを措(お)いて他にない。
    https://sessendo.hatenablog.jp/entry/2023/08/09/113517

  • リーチャーが、ニューヨークという巨大都市にいることに、微妙に違和感を感じたりもします。だって、彼は何故だか、そういう大都市には行かない気がしていたので。

    今回は、自殺を目撃することで、事件に巻き込まれていく訳ですが、上巻では、自殺した人物が、なぜそこまで追い込まれていたのか、まったく見当が付かない状態です。
    自殺を目撃したことで、リーチャーはアルファベットで示される連邦機関に追われるようなことになるのですが、その連邦機関も謎なんですよねぇ。

  • ▼「葬られた勲章」上下、リー・チャイルド。初出2009年。青木創訳、講談社文庫。リー・チャイルドさんの名探偵ジャック・リーチャー・シリーズの第13作。このシリーズは見事なまでに「どの話から読んでも楽しめる」ように作られているので、第何作というのがあまり受取手には意味が無いんですが。

    ▼導入はエンタメとして非常に素敵でした。ニューヨーク、深夜の地下鉄。リーチャーは自分の目の前の女性が「自爆テロを行う人物の特徴」を全て兼ね備えている佇まいであることを見て取って、声をかける・・・。するとその女性は突然拳銃で自分の頭をぶち抜いてしまい・・・。その女性は国防省で働いていた。

    ▼毎度同じくなんですが、リーチャーと個人的には全く関わりなくとある陰謀が進行している。そこに途中から「予想不能偶然因子」としてリーチャーが乱入してきて、目の前のてがかりからじわりじわりと真相に近づいていく。このあたりのミステリ構造は「新宿鮫」だってチャンドラーだってそうなんです。この黄金パターンは分かっていても楽しめるんでしょうね。

    ▼このシリーズの特色は、割とこの「葬られた勲章」が典型かもしれませんが、そこに国家安全レベルの闇が関わってきます(主人公が元軍人ですからね)。そして途中も、クライマックスも、血まみれのバイオレンスアクションで、それこそがリーチャーさんの十八番だ、という。

    ▼ネタバレですが、最後はマンハッタンの夜を「異国テロリスト」たちとリーチャーさんの孤高の対決になって、一応は当然ながらハッピーエンド。ただアメリカの国際的な「正義」という宗教自体はリーチャーは別段信じちゃい無いという虚無を残して非常に個人的な解決で終わっていきます。さすが、作者がイギリス人。

    ▼それにしてもこのシリーズのもうひとつの特色は、原題が「どの作品がどのタイトルでも全然構わないものになっている」こと。邦題の方がまだしもです。この作品はGone Tomorrowですが、他にもThe Enemy,Worth Dying For,Die Trying,Nothing To Lose…などなど。このあたりも意図的に「具体的過ぎないほうがいい」という007の映画的な論理があるのかしらん。

  • 残虐非道な女テロリストが、リーチャーの命を狙う。シリーズ屈指の傑作、待望の邦訳!

  • 初リーチャー。上巻だけではなんとも。

  • 深夜、ニューヨークの地下鉄。ジャック・リーチャーの目前で絶命した女は、国防総省に勤める民間の事務員だった。事情聴取を終えて、弟の警官と死の真相に迫ると、副大統領候補への指名も噂されているサンソム下院議員の存在が浮かび上がる。謎が謎を呼ぶ展開に一気読み必至の傑作アクション・サスペンス。

    あいにく、シリーズ第1作しか読んでいないのだが、マイクル・コナリーと一緒に並んでいたので、購入。これは当たりかもしれないと思いつつ、下巻へ。

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著者プロフィール

1954年イングランド生まれ。地元テレビ局勤務を経て、97年に『キリング・フロアー』で作家デビュー。アンソニー賞最優秀処女長編賞を受賞し、全米マスコミの絶賛を浴びる。以後、ジャック・リーチャーを主人公としたシリーズは現在までに23作が刊行され、いずれもベストセラーを記録。本書は22作目にあたる。

「2019年 『ミッドナイト・ライン(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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