静かに、ねぇ、静かに (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 687
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065212387

作品紹介・あらすじ

海外旅行でインスタにアップする写真で"本当”を実感する僕たち、ネットショッピング依存症から抜け出せず夫に携帯を取り上げられた妻、自分たちだけの"印”を世間に見せるために動画撮影をする夫婦――。SNS短編3部作。

感想・レビュー・書評

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  • 凄い目線で世間を見てる人だなと思った。世界に広く発信するツールのはずが、どんどん内向きになる。SNSの嫌なとこが1冊に全部詰まってた。

  • 「本当の旅」
    「奥さん、犬は大丈夫だよね?」
    「でぶのハッピーバースデー」
    の中編3作の総題が「静かに、ねぇ、静かに」。頭文字をアルファベットにすると「SNS」。
    非エキセントリックなもっちん、おまえは子供を作るなと親に言われたもっちん、オロカわいい作風を調整して芥川賞を狙いに行ったもっちん、の、良さも物足りなさも新しい良さも感じられる。
    「奥さん、犬は大丈夫だよね?」の視点人物の「見方」が好きだ。

  • 読んでいて、見たくないものを見せられている感じが……。

    こうなりたくはないけど、なる可能性はある(ーー;)

    疲れている時や体調が悪い時に読んでは駄目ですね。

    下手なホラー小説より気持ち悪くて、怖かった。

  • 3編からなる短編集。
    一発目の「本当の旅」
    これはもうホラーとしか言いようがない。
    見ていられなくなるような痛々しさ。
    私は1番この作品が好きだったな。

    解説も作品をなぞらえて、
    ウィットに富んでいて面白かった。

  • SNS三部作(と期待して読むとちょっと違うかも。虚構と現実といった感じ。)

    冒頭「本当の旅」のうすら寒〜〜い、痛々しい〜〜感じがもうたまらん。
    SNSでは「イケて」て、他の人とは違う、クリエイティビティ溢れる仲間たち、であるところの40前後男女3人組がクアラルンプールへ旅をするお話。40ってとこがリアルに痛すぎてつらい。
    SNSを、スマホを通して見る自分たちだけが本物。人生は金じゃない、大切なのはクリエイション。写真に写りこんだ冴えないおばさんも、動画の途中で外国語で文句を言ってきたおじさんも、トリミングしてしまえばなかったことになる。大丈夫、マジでチョーイケてる。

    読んでいる間ずっと心がざわざわおしりがモヤモヤ落ち着かない。でも読んじゃう。
    この痛さを真正面から真剣に描くあたり、本谷さんの悪口スキルをひしひしと感じる。
    そしてとっても後味悪い。最後の最後までやってくれるわねという感じ。恐れ入ります。

    3話とも、SNSというよりは何かしらに依存する話かなあ。本当の自分、とは。

  • 3つの話からなる短編集

    正直なところ共感だったり、かと言って反感だったりも特になく、ただ不思議な世界観の話だったなぁと言う感想。

    強いてあげれば最初の『本当の旅』が、今っぽいなと。
    40代の男女が旅行をするも、常にスマホをいじる。
    目の前の出来事よりも、加工して投稿することに重きを置いている様はありがちかな。
    何が大切なことなのか、価値観は人それぞれだけど改めて自問する作品でした。

    あとの2作はちょっと私には結末がよく分からなかったです。

  • 日常から逸脱していない所がさらに不気味さを際立たせていました。SNSに夢中になるグループの話がゾッとしました。

  • 様々なモノに依存する人々のお話。もう気持ち悪くてイタくて見てられない……!なのに先が気になってどんどん読み進めてしまう中毒性。いい意味で不気味な一冊でした。誰かの日常を盗み見たかのようなリアルな読後感です。

  • SNS三部作!と背表紙に、わざわざ書くのがあんまりわからなかった。

    でも、本谷さんの作品の何とも言えない不思議な雰囲気は好き。

    「本当の旅」のあの若者感が凄く妙で、本当にいそう。その内面も上手く表されていて、すげえなって単純に思った。

    「奥さん、犬は大丈夫だよね?」は、何だろ、これもまたこんな感じの関係ありそうで。
    最後がこんな展開になるとは予想としてなくて…。

    「でぶのハッピーバースデー」の“印”って考えは、ちょっと分かるな。うん。
    何だろ、そこから逃れたいけど逃れられない。
    何でも無いはずで、自分だけがそう思ってるだけで。
    あと、それを言い訳にしてしまっている自分もいて。

    ねぇ。

  • でぶ、どうしようもないな。

    どうしようもない人たちを書くのが上手だな。

    解説も笑った。取り込まれてる感がある。

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著者プロフィール

小説家・劇作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

本谷有希子の作品

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