7.5グラムの奇跡

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065246238

作品紹介・あらすじ

国家試験に合格し、視能訓練士の資格を手にしたにもかかわらず、野宮恭一の就職先は決まらなかった。
後がない状態で面接を受けたのは、北見眼科医院という街の小さな眼科医院。
人の良い院長に拾われた恭一は、凄腕の視能訓練士・広瀬真織、マッチョな男性看護師・剛田剣、カメラが趣味の女性看護師・丘本真衣らと、視機能を守るために働きはじめる。
精緻な機能を持つ「目」を巡る、心温まる連作短編集。

『線は、僕を描く』で第59回メフィスト賞を受賞しデビュー。
同作でブランチBOOK大賞2019受賞、2020年本屋大賞第3位に選出された作者のデビュー後第1作。

感想・レビュー・書評

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  • それで今から視力検査を行います
    表示されいる「C」の方向を教えてください

    「これは    C」 「右」

    「ではこれは  C」 「右」

    「次これは   C」 「右」

    「じゃあこれは C」 「右」

    「よし!これは C」 「右」

    「それじゃあ・・・」 「右」

    「右!次も右!右!右!右!ずーっと右!」
    右しか出てこんやんか〜ヽ(`Д´)ノ

    はい!以上で検査を終わります
    1Q84O1さんの視力は1.5です!

    テキトーな検査でしたけど、私の実際の視力は1.5です!
    視力は良いんですよ(^^)v
    視力だけは…w

    ところで視力検査で使われるこのマーク「C」をなんと言うか知ってますか?
    ランドルト環といい、世界共通の視力検査用の記号なんです


    視力検査はさて置き、「目」ってものすごく大切ですね

    ちょっとしたことが原因で、子どもでも心因性視覚障害になって見えなくなる

    コンタクトレンズは透析機器やペースメーカーと同じぐらい人体に与える影響が大きく使用法を誤るととんでもなく危ない

    緑内障は根治する病気ではない
    治療を続けながら視野を温存していくしかない
    失われた視野を回復させら治療法はない

    「目」について知らないことがわかった、そして心温まる作品でした

    読書好きのみなさんは普段から活字を追って目を酷使しているかもしれませんねw
    もちろんスマホの見過ぎもダメですよ
    たまには目もゆっくり休めてあげましょう!

    • 土瓶さん
      「東」

      素直には答えたくない年頃です(笑)
      「東」

      素直には答えたくない年頃です(笑)
      2023/09/03
    • 1Q84O1さん
      ほん3さん
      いいでしょうー(≧▽≦)
      いつもお世話になっているので片目で良かったらどうぞ!どうぞ!

      ってなるかいな〜w
      そして、またこいつ...
      ほん3さん
      いいでしょうー(≧▽≦)
      いつもお世話になっているので片目で良かったらどうぞ!どうぞ!

      ってなるかいな〜w
      そして、またこいつ等が現れてるし…
      しかも今回は三匹!Σ(゚Д゚)
      2023/09/03
    • 1Q84O1さん
      「あずま」ですか?
      ブーーーッ!残念!

      素直には認めたくない反抗期ですw
      「あずま」ですか?
      ブーーーッ!残念!

      素直には認めたくない反抗期ですw
      2023/09/03
  • 視能訓練士という仕事を初めて知りました

    目を大切にしようと思いました

    たぶんこれ正解の感想なんじゃなかろうか?
    作者がこの作品に込めた想いの半分はこの二行で受け取ったはず(半分でよく正解とか言えるな)

    自分の想いがきちんと表現できる仕事が見つけられたってそれがすごい奇跡だと思ったりもした

  • 体の中で、小さいけれどとても大事な
    役割を持つ―ー眼ーー直径約24ミリ、重さ約7、5グラム。
    この機能が使えなくなったら、生活は
    一変してしまう。

    お恥ずかしながら私は最近まで、緑内障と白内障の違いを知らなかった。
    先日、自分が白内障という穴に足を踏み入れてしまったことがわかった。

    そして、この本で眼に関する様々な病気を知ることができた。今まで以上に、
    眼を大事にしなければということを教えてくれる本だった。
    私が眼科に行った後に、何とタイムリーな時期に図書館は予約本を廻したのだろうか?

    Оの一カ所があいている。片眼をふさぎ
    上、横、下・・・・と簡単だからと馬鹿にしてはいけない、この検査。記憶に残る限りでも、何度やったことだろうか。
    でも大事にしなくてはいけないことなのだと今さらながら思う。

    • ポプラ並木さん
      アールグレイさん、おはよう。眼って大切。五感の中でも一番かもしれない。それが7.5グラム×2。進化の過程で「見る」というのが重要だよね。何気...
      アールグレイさん、おはよう。眼って大切。五感の中でも一番かもしれない。それが7.5グラム×2。進化の過程で「見る」というのが重要だよね。何気なく酷使している眼。生きている間は大切にしたいです!
      2022/06/08
    • アールグレイさん
      ポプラさん♪こんばんは★

      コメントありがとうございます!
      この本はどなたか達がレビューのコメント欄で話されているのを読ませて頂き、知った本...
      ポプラさん♪こんばんは★

      コメントありがとうございます!
      この本はどなたか達がレビューのコメント欄で話されているのを読ませて頂き、知った本です。ポプラさんとさてさてさんではなかったかしら?
      緑内障って大変な病気なのですね。本当に私は緑内と白内、知識がなかったのです。この歳でお恥ずかしい限りです。ポプラさんも検診などはしっかり受けて下さいね!
      和\(・o・)/
      2022/06/08
    • ポプラ並木さん
      健診!検診!了解~
      健診!検診!了解~
      2022/06/08
  • 珠玉の一冊。
    北見眼科医院のスタッフと患者さんの物語。
    北見眼科医院の皆さん、本当に優しい。
    良し悪しはともかく、生活の中に譲れないこだわりがあるのが人間。
    それをチーム北見がやさしく溶かしていく。

    人生を作るのは自分の手と行い。
    自分の手で積み上げてきたものは、形は変わっても、その手触りは消えていったりしない。
    丁寧に生きようと思うことで変わっていくものはたくさんあると…
    いつもこれからが大事なんだと。
    読破するのに、いつもより時間がかかった。


  • 新人視能訓練士の野宮が、不器用ながら瞳と向き合っていく、連作短編集。

    ハートウォーミングで泣けた。

    医療モノは多いが、眼科が舞台なのは珍しい。

    しかも主人公は、医師ではなく視能訓練士。
    診断を下のではなく、専門的な機器を使いこなし、検査をしていく立場から、患者と向き合っていくのが新鮮。

    優しく、頼もしいメンバーが集まる、北見眼科医院。
    患者との向き合い方が誠実で、心あたたまる。

    繊細な心の機微が丁寧に描かれ、その揺れ動きに毎回泣けた。

    主人公の成長物語。

  • 瞳が魅せる世界の一冊。

    目のスペシャリスト、眼科医、視能訓練士が教えてくれる瞳の世界は今作も静かながらも美と力強さで魅せてくれる世界。

    7.5グラムに秘められているのは見えるという奇跡。

    当たり前に思うことが実は奇跡。

    そう教えられると言葉にならない想いがただ静かに溢れる。

    つくづく自分という存在は奇跡の集合体なんだな。そしてその一番小さな奇跡を一番表面で輝かせることができる、それが瞳なんだな、と。

    心と瞳は直結している…瞳は口ほどに心を映し出す…そんな思いも拡がる。

    今ある輝き、小さな奇跡に目を閉じて感謝したくなる。

  • 小説には色々な主人公がいますが
    不器用で誠実、いっぱい考えるんだけど上手く言葉にできない…そんなな主人公が好きです(^ ^)

    前作では日本画、今作では視能訓練士の話し。
    なかなか意表を突いた題材ですね。

    わたしは小学生の頃に視力が悪くなり、ずーっとメガネ!その後何年かコンタクトをして今はまたメガネなのですが…かれこれ50年ボヤけた世界にいるわけですね(@_@)
    何年か前から飛蚊症ですでに白内障の兆し…
    目薬を忘れがちで眼科で毎回叱られてます(u_u)

    この作品読んで反省しましたm(__)m
    目を大切にしましょう‼︎
    本読めなくなったら困るし‼︎



    • 松子さん
      みんみんさんのレビューが読めなくなったら悲しいので、大切な目、絶対絶対お大事にしてください!_:(´ཀ`」 ∠):
      みんみんさんのレビューが読めなくなったら悲しいので、大切な目、絶対絶対お大事にしてください!_:(´ཀ`」 ∠):
      2022/09/24
    • みんみんさん
      松子さんありがと〜。゚(゚´Д`゚)゚。
      老化に負けないわ‼︎
      松子さんありがと〜。゚(゚´Д`゚)゚。
      老化に負けないわ‼︎
      2022/09/24
  • 眼科医院で、視能訓練士として働く野宮くんの姿を患者さんとの関わり方や仕事への取り組み方を5話でまとめている。
    1話1話の内容が、とても濃くて考えさせられたり、感涙したりだった。

    頼りがいがある感じではないけれど、野宮くんならどうにかしてくれるかも…という優しさと真面目さが、みんなを楽にさせている気がする。

    そして、心を閉ざしてしまった人に、不器用だけど声をかけ誰も気づかないようなことにも目が届く。

    視能訓練士という仕事に実直に取り組んでいるからこそなのだろう。

    今まで、眼科へ行っても流れるように検査をしてきたが、ひとつひとつがとても重要な検査であったと知り、納得した。
    そして、目が見えるという当たり前のことが、崩れたとき、世界は別ものに変わるということがわかった。

    この5話の中で、心因性視覚障害の話があるが、子どもがなるとなかなか見極めることが難しいと思う。
    それでも、野宮くんのような視能訓練士がいることで安心して検査を任せられるのだろう。

  • 7.5グラムの重さの球で、そのメカニズムも明らかにされていないまま、私たちは「見える」ことを当たり前かのように享受している。

    “見えるということは、この世で、最もありふれた奇跡なのだ。”(209ページより引用)
    そんな奇跡を、ありがたいことであると改めて受け止める必要があるなと思った。

    最近、弱視の女の子が主人公のドラマ「恋です!」を視聴していて、目の見えない世界について関心を持っていたところだった。

    この本でも、視能訓練士という職業も知らなければ、身近な目に関するさまざまな病気についても無知だったことに気付かされた。

    目は、一度悪くなると、自然に良くなることはこの現代社会ではまずありえない。
    目をなるべく酷使せずに休めて、定期的に眼科に行かねば…とも思わされた。

  • 主人公は大学卒業後、眼科開業医の医院に、視能訓練士として働き始める。
    どちらかというと不器用で技師には向かないと言われた主人公。
    そんな彼は、眼科医、先輩技師、看護師など、医院の明るく頼もしいスタッフの元で、視能訓練士として成長していく。
    ハートフルな連作短編集だ。
    視能訓練士は初めて聞く名前だが、ざっくりいうと目の専門の検査技師らしい。そしてタイトルの7.5グラムは人間の眼球の重さ。個人的に眼科にはあまり縁がないので、登場する検査方法、機材、病名は馴染みのない言葉ばかりだが小難しいとは感じない。
    主人公の真っ直ぐでピュアな性格が、物語を、優しく、心温まるものにしてくれる。更には瞳には感激の涙もオマケてついてきた。満足。

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著者プロフィール

1984年生まれ。水墨画家。『線は、僕を描く』で第59回メフィスト賞を受賞しデビュー。同作は、2019年ブランチBOOK大賞受賞。2020年度本屋大賞第三位に選出された。

「2021年 『7.5グラムの奇跡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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