ミチクサ先生 下

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  • 講談社
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065257432

感想・レビュー・書評

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  • 図書館本。 伝記ではないけれど、金之助の言動が細かく書かれていて、身近な人に感じられました。

  • 下巻です。

    私が今まで持っていた漱石像とは大分違っていたので少し戸惑いました。
    青年時はともかくとして、それ以降は神経質で気難しい癇癪持ち(妻も悪妻で有名ですよね)だと思っていたのに、本書の漱石は最後まで慈愛に満ちた紳士、でした。江戸っ子らしさもなかった。

    元々の先入観が拭えなくて読後直後はどうしても違和感が残りましたが、まあこういうとらえ方もアリなのかな。
    寺田や子規との友情は本物だと思うし、こういう一面もあったのね、と受け入れた方がいいかなと今は思っています。

  • この本を読んでから社会で明治時代の作家の名前や作品を勉強していたらもう少しつながりとかがわかって面白く授業を受けれたのになぁと思う。夏目漱石が日本の純文学を広げる一人者であることがよくわかり、後の芥川龍之介に引き継いだ件が感慨深い。それにしてもこの時代巨匠といわれる作家が次々に生まれ、なにより昔の日本人は勤勉だったんだなと思う。まぁ、悪たれはこの時代にも多くいたんだろうけど勉学に励む人の多さに感心するばかりだ。
    小説としては幾分「夏目漱石とは」みたいな説明的なところも多く、読んでて眠たくなることもあって面白いかといわれると、上下巻トータルしてもやっぱり資料集を読んでいるような気分でワクワクはなかったかな。
    実際夏目漱石の本を読んでも面白いと思ったことがないんだけど、この本を読み終えて、荒þに読み直してみると気づかなかった発見があるかもしれない。ただ、読むにしても現代用語で表現しなおされたものがあるなら読んでみたいけど、昔の候だの、ゐるだのと読み疲れるようなものはいまさら勘弁。
    娯楽で読みたいのであって勉学で読みたくない笑

  • あー、漱石没、47歳という若さで。
    胃腸は悪かったみたいだけど、糖尿病も併発してたのね。
    最期は吐血に次ぐ吐血で、でも皆に(門下生、子どもたち実に6人くらいの子沢山だったのね。)見送られて安らかに逝ったのが救いだわ。
    明暗が絶筆となってしまったのは周知のこと。
    子規の妹の律の専門学校の資金を用立てたり、里子に出された養父に(充分養育代は払ったのに)幾度と無心されその度用立てたりで(引っ越しも多かったらしい)けしてお金に余裕があったわけでなさそう。
    意外だったのは森林太郎(鴎外)と交友があってお互いの才能を認め合い手紙も出し合ってたりした仲だったとは。
    ”三四郎”に触発されれ”青年”を書いたとか。
    同じ時代を生きていた二人だものね。
    47歳という短い人生で(作家としては更に短い)あんな多作で名作を残せたのも、朝日新聞社の池辺三山という今でいう編集者的な人の出逢いも見過ごせない。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50268787

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著者プロフィール

1950年山口県生まれ。’81年短編小説「皐月」でデビュー。’91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、’92年『受け月』で直木賞、’94年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で吉川英治文学賞、’14年『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』で司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞する。’16年紫綬褒章を受章。著書に『三年坂』『白秋』『海峡』『春雷』『岬へ』『駅までの道をおしえて』『ぼくのボールが君に届けば』『いねむり先生』、『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』『いとまの雪 新説忠臣蔵・ひとりの家老の生涯』、エッセイ集『大人のカタチを語ろう』「大人の流儀」シリーズなどがある。

「2023年 『ミチクサ先生(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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