海蝶 鎮魂のダイブ

著者 :
  • 講談社
4.02
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065275801

感想・レビュー・書評

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  • いやはやめっちゃ面白かったんだが。
    どうなるの?恋はどうなるんだい?
    と気がかりに思ってたんだけど。
    よかった、迷いながら、悩みながら、
    少しずつ乗り越えていくんだって思えたから。
    続編でないかなあ(⁠◡⁠ ⁠ω⁠ ⁠◡⁠)

  • それぞれの3.11の一冊。

    前作も良かったけれど今作も正義仁愛が熱くてたまらない、止まらない。 

    11年の時を経ての再会から始まる恋と震災の記憶の再燃。

    涙溢れ出すそれぞれが抱える3.11。

    そこに重さのレベルの違いは存在しない。
    すべきではない。

    誰の心の傷が一番深いかなんてない。

    立場違えど皆重みは同じだと強く感じた。

    愛が被災者として相手に向き合う姿、時に海蝶として向き合い成長する姿に心も目頭も熱くなる。

    独りで抱えても誰かに寄りかかってもそこに必要不可欠なのは信頼と絆。  

    ブルーの海に一直線のオレンジ色が清々しく眩しい。

  • 日本ただ一人の海上保安庁女性潜水士”海蝶“と、彼女を救ったのに海保を去った元隊員。
    二人の再会は順風満帆とはいかなかった。震災の心の傷、そして今そこにある危機・最悪の洋上事件。
    フェリー船687名の命運は海蝶・忍海愛に託された。感動のエンタテインメント「海保」ミステリー。

    面白いけど、スイスイ読めるけど・・・
    仁兄ちゃんがかっこいい!

  • 前作に続いて、震災の傷痕が痛い。
    今作では、それが一番のテーマでとても苦しいが、前作以上に良かった。

    潜水士としての活動を続ける愛が、恋をする。
    楽しい筈の恋にも、震災は影を落とす。
    そして事故・事件が起こる。

    被害も傷痕も人それぞれで、その痛みもそれぞれ。
    軽重は外からは分からない。
    震災に限らず、人が痛みを抱えているのは辛いが、
    そこから歩き出す姿を見られると、ホッとする。

  • 素晴らしかった。

    気付くと何度も息を止めていた。
    そして大きな溜息からの涙。

    物語は忘れもしない2011年3月11日の震災の描写から始まる。
    月日が流れ当時中学生だった愛は日本初の女性海保潜水士となる。

    あの日、愛を救助してくれた男性・佐崎との奇跡の再会に心躍る。
    だが佐崎は、助けられなかった命を想い深刻なPTSDを抱え海保を去っていた。

    二人の間の溝を埋める為に乗り込んだフェリー内での事故は手に汗握る展開。

    挫折しそうになりながらも海蝶としての任務を全うする愛と、家族や仲間達との深い絆に胸が熱くなる。

    慟哭と感動の一冊。

  • シリーズ2作目。

    主人公が、東日本大震災の被災者であるという設定であることから、東日本大震災の事について触れないわけにはいかないですよね。本書では、その後、救助した側に多数発生したと言われるPTSD発症者についても描かれている。

    そっか。東日本大震災では、救助した側である警察、消防、自衛隊、そして海上保安庁にも多数PTSDが出ているんですね。あまり報道されませんが、重要な事ではないでしょうか。そして、国として、そういう立場の人たちを支えていくことは必須だとも思います。

    そして、第1作目でも出てきましたが、海保のミスマープル、本作でもやっぱり出てきましたね。っていうか、もう、絶対出てくる想定なんでしょうね。

    シリーズとしては、まだ2作目。まだまだ物語は続くんですよね?

  • 吉川作品をリリース順にすべて拝読させていただいているが、久しぶりの快心作。東日本大震災の被災者と被災者救助者の深層を鋭く描きつつ、ドギツ過ぎない程よいエンタメストーリに上手くまとめている。特に救助者のPTSDに焦点を当てているところがよい。プロットが確りしていれば大事件でなくてもここまで面白い物語になる典型。

  • 海蝶の続編。愛の恋愛模様メインと休暇中に乗り合わせたフェリーでの事故。
    その相手に出会っちゃたら恋に落ちるよな~と。でもその2人だからこその葛藤。
    どうする?!どうなる?!そうきたかー!!

    勝手に実写だと誰かな~と考えて楽しい!
    読了しても余韻の残る一冊でした。

  • シリーズ第2弾。東日本大震災の際、被災者だけでなく救助にあたった自衛隊員らのPTSDも問題になった。3.11を題材にした作品は本当に心が苦しくなる。海を守る、海上保安官たちの絆の物語。最後は切ない終わりにならなくて良かった。

  • 東日本大震災のことを、多くの天災を、あらためて考えさせられた。
    このお話は小説だけれど。あの時あれからも、災害現場に駆けつけてくれた人にあらためて感謝。災害に遭われた人にとっては取り返せない日常を、思う。

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著者プロフィール

『私の結婚に関する予言38』(宝島社文庫)にて第3回日本ラブストーリー大賞のエンタテインメント特別賞を受賞し、2008年デビュー。近著に『ブラッド・ロンダリング』(河出文庫)。そのほか、「原麻希」シリーズ(宝島社)、「新東京水上警察」シリーズ、「海蝶」シリーズ(ともに講談社)、「十三階」シリーズ(双葉社)、「警視庁53教場」シリーズ(KADOKAWA)、「感染捜査」シリーズ(光文社)など著書多数。

「2023年 『警視庁捜査一課八係 警部補・原麻希 グリーン・ファントム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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