invert II 覗き窓の死角

著者 :
  • 講談社
3.87
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本棚登録 : 4821
感想 : 425
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065286388

作品紹介・あらすじ

5冠獲得ミステリ『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、発売即重版10万部突破『invert 城塚翡翠倒叙集』に続く、シリーズ3作目!

反転、再び。

あなたは探偵の推理を推理することができますか?

嵐の山荘に潜む若き犯罪者。そして翡翠をアリバイ証人に仕立て上げる写真家。犯人たちが仕掛けた巧妙なトリックに対するのは、すべてを見通す城塚翡翠。だが、挑むような表情の翡翠の目には涙が浮かぶ。その理由とはーー。ミステリランキング5冠『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、発売即重版10万部『invert 城塚翡翠倒叙集』に続く待望の第3作目。犯人視点で描かれる倒叙ミステリの金字塔!


invert
in・vert
【他】…を逆さにする,ひっくり返す,…を裏返しにする;
〈位置・順序・関係を〉反対にする;〈性質・効果などを〉逆転させる;
inverted detective story:
倒叙推理小説

感想・レビュー・書評

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  • 中編が1編と長篇が1編の2編。


    翡翠ちゃん10月からドラマ化されるんですね。
    昨日、通っている接骨院で先生の助手と受付をされている奥さんが「10月からドラマ始まるみたいですよね」と他の患者さんと話しているのが聞こえ、「えっ!10月のドラマってもしかして翡翠ちゃん?!」と思って(他のドラマもたくさんあるんでしょうけど)「私も一緒に会話」がしたくてうずうずしました。まさか奥さんが(木村多江さんによく似た綺麗な方です)が翡翠ちゃんの話はしないと思うけど気になる~!


    という訳で、3冊目にしてこの本は買いました!
    ブックオフになんかもちろん持っていきません。
    永久保存版です(ポストカード付いていたし♡)

    私もう、翡翠ちゃんが出てくると嬉しくなってきちゃうんです(私は女性です)。

    「なるほどさんです」
    「不思議さんですね?」
    読んでいるだけで癒される感じがします。
    翡翠ちゃんと真ちゃんの掛け合いも楽しかったです。

    一話目の「生者の言伝」はなんで、こんなに簡単な謎を翡翠ちゃんが解くのだろうと思ったけど(ロールケーキがナイフで切ってあるのをみただけで嘘をついているのはすぐわかると思いました)
    最後まで読むと、わけがわかりました。


    二話目の「覗き窓(ファインダー)の死角」
    これはかなり面白かったです。

    江刺詢子と言うフォトグラファーが藤島花音というモデルをいじめに遭って死んだ妹の敵を撃つために殺害しますが、その殺害の日のアリバイに、なんとミステリの趣味が合って、たまたま友人になったばかりの翡翠ちゃんを使ったために起きた詢子の悲劇。

    「たまたま、一緒に撮影をしていたから疑いが晴れたなんて…偶然さん、ですね」
    「さあ…。アリバイがあるのに、へんてこさんですよね」
    「わたしったら悪い子さん。聞かなかったことにしてくださいね」
    やっぱり翡翠ちゃんは可愛いです。
    私は女性ですがあざといなんて思いません。

    ラストの方では、
    「えーっ!○○○○が○○○したの!」なショッキングな絶体絶命のピンチの中、翡翠ちゃんがすごくわかりやすい論理で事件を解決していきます。

    「この女は危険だ。自分はとんでもない相手をアリバイ証人に仕立て上げてしまったのではないか」と詢子が思うのはあたりまえですよね。

    「人を殺して正当な理由なんて、どこにもありません」
    含蓄のある翡翠の物語。



    ※もし、この本を読んでみたいと思われた方はちゃんと1冊目から読まないと2冊目、3冊目では1冊目のネタバレがありますのでご注意ください。

    追記
    このレビュー、900冊目の切り番でした~!
    私の可愛い翡翠ちゃんがっ!!なでなで。
    あと、100冊で、1000冊ですので、頑張りますっ!

    • 土瓶さん
      まことさん、こんばんは〜(⁠^⁠^⁠)

      なにか凄く楽しそうで、レビューを読んでいるだけで癒やされます(笑)

      愛ですね。愛。

      1000冊...
      まことさん、こんばんは〜(⁠^⁠^⁠)

      なにか凄く楽しそうで、レビューを読んでいるだけで癒やされます(笑)

      愛ですね。愛。

      1000冊!
      わたしは遠いなぁ。ガンバってください。
      2022/10/01
    • まことさん
      土瓶さん。おはようございます♪

      コメントありがとうございます。
      そう言っていただけると嬉しいです。
      癒されるのは、やっぱり翡翠ちゃ...
      土瓶さん。おはようございます♪

      コメントありがとうございます。
      そう言っていただけると嬉しいです。
      癒されるのは、やっぱり翡翠ちゃんが主役だからじゃないでしょうか。
      よかったら、読まれてみてください。
      私のレビューなんかよりもっと癒されますよ♡。

      1000冊はブクログこの調子で続けられたらですね。
      最近疲れてきた気がします。
      なので、翡翠ちゃんのこの作品のような癒される作品は嬉しいです♡。
      2022/10/02
  • 繁忙期のオアシス、三連休に久々の読書。倒叙ミステリの続編は、「生者の言伝」「覗き窓の死角」の二本立て。前者が1/3、後者が2/3の量感。本作でも、まんまと犯人に感情移入して、天然と作為の見分けがつかない翡翠の「あれれ」に「ぎくり」とさせられ続けた。

    わたしの思い込みを嘲笑うかのような想像を超える展開に、己の想像力の貧しさを笑う。最後のエピローグでは翡翠と真の本心が垣間見え、後味も良い。翡翠の過去をめぐる、語られない弟の存在や警察庁官僚との因縁など匂わせもあり、次回作にも期待したい。

  • 最初の中編はありきたりの展開でがっくり。ただ、城塚翡翠のぶりっ子ぶりが楽しいかも。もう一編の「覗き窓の死角」はなかなかのトリックで感心した。主人公・翡翠の心情もじんわりと伝わって来ていい。翡翠には「まったくこいつは」というところがあって、女性に嫌われるのがよく分かるが、それでも親しみがわいてくる。そうそう、相棒の千和崎真ちゃんはなかなかいい奴だ。

    • マメムさん
      初コメです。
      今作は真ちゃんの格好良さが目立ちました。2編構成で比率が後半よりなので、ちょっと後半はペースダウンしがちでした。
      初コメです。
      今作は真ちゃんの格好良さが目立ちました。2編構成で比率が後半よりなので、ちょっと後半はペースダウンしがちでした。
      2022/12/25
    • goya626さん
      マメムさん
      コメントありがとうございます。千和崎真ちゃんが探偵だったとは!そうでしたっけ?前2巻のこと、忘れてしまっているからなあ。自信が...
      マメムさん
      コメントありがとうございます。千和崎真ちゃんが探偵だったとは!そうでしたっけ?前2巻のこと、忘れてしまっているからなあ。自信がないです。今回は、翡翠のことも少しずつ分かってきましたね。
      2022/12/27
  • 推し★5 今回は鬼カワだけじゃない! 新しい城塚翡翠に会いに行こう #invert2 #城塚翡翠

    可愛いすぎて尊い…
    はぁ… 先生はとんでもないキャラクターを作り上げましたよね。
    本書で一番光っているのは、やはり翡翠です。

    やたら可愛い、そして憎たらしい。
    そんな彼女も本作ではひとつ大人になる。一番の読みどころですね。

    もちろん他の登場人物、真や犯人役、警察の面々などキャラクター付けが上手い。
    セリフ回しやエピソードなどでわかりやすく派手目に書かれているので、目の前にキャラがすぐに浮かんできます。

    トリックとしても一筋縄ではいかず、想像力と推理力が必要で決して簡単ではないです。真相を読み解く楽しさも高水準の作品でした。
    城塚翡翠シリーズはエンタメ倒叙ミステリーとして完成しましたね。

    ■生者の言伝
    面白い!
    主人公の少年のキャラや背景、プロットがよく練りこまれていて素晴らしい出来。
    翡翠、真、少年の思惑や情念が微妙にずれているところが面白すぎる。

    様々な展開が待ち受けていますが、それでも明日への一歩を踏み出せるようなラストが大好きな作品です。なんとなく一作目を思い出してしまう本作、短編でもじっくり味わうことをおすすめします。

    ■覗き窓の死角
    泣いた。
    翡翠シリーズで初めての感覚。
    今までのエンタメミステリーから一皮むけた進化が味わえる作品です。

    相変わらず翡翠と真のやんちゃなやり取りに笑ってしまいます。翡翠を自由に踊らせてあげている真の優しさが素敵ですね。

    さて本作の一番の読みどころは、翡翠の信念と犯人の信念。
    お互いの戦いだけでなく、自分自身の葛藤とも戦っている描写が、読んでいて息苦しかったです。

    成長していく翡翠をみていると、幸せになってほしいな…と、親戚のおじさんの気持ちになってしまうような作品でした。

    ■推しポイント
    古畑任三郎シリーズの大ファンなんですが、その中でも一番好きなエピソードは第一話 小石川ちなみ(中森明菜)のお話です。

    ダイイングメッセージがテーマで、紙には何も書かれていないにも関わらず、犯人をズバリ当ててしまいます。本格ミステリーファンも唸らせる、鮮やかな解法がお見事なお話。

    『生者の言伝』では、このエピソードのオマージュがいっぱい入っています。
    冒頭の車内での二人のやりとりや、翡翠が少年に投げかけるセリフなど。相沢先生の遊び心が、読んでいて嬉しくなりました。

    TVドラマでは古畑任三郎やコロンボ、小説では碓氷優佳、福家警部補のように、末永く倒叙シリーズを書き続けてほしいです。

  • 城塚翡翠の人の嘘を見破る為に仕草や癖を見極めるテクニックはすごいの一言天才にしか出来ないなぁと感じました。覗き窓の死角のトリックもラッキーによって完全犯罪を阻止したが、人を殺していい理由なんてないという信念を貫く強さが垣間見えて鳥肌が立ちました。作者の頭の良さが凄すぎて相変わらず面白かった。次回作も楽しみです

  • 解決編を読んでいてもスッキリしないのは予想してた展開を180度覆されて、驚かせる事に特化させるあまりストーリーが複雑になってしまうからだろうか。「あ〜そうだったんだ!!」となるのは予想と展開の差が一定の範囲の中にある時で、あまりにそこから外れてしまうと何でもありのやり過ぎ感を感じる。

    「生者の言伝」では犯人は未成年の夏木蒼汰。犯人の視点で描かれる城塚翡翠シリーズでは疑いようのない流れ。友人の別荘に不法侵入し、突発的な事態で友人の母親を刺殺してしまう。その直後の狙ったようなタイミングで翡翠と真が別荘を訪れ、蒼汰は住民のフリをして応対する。

    無計画な犯行で隠蔽工作もなく、探りを入れる翡翠の質問にも稚拙な返答でボロボロ。推理も必要ないくらいにすんなり解決するだろう…ともすると少年が不法侵入をしてまで進めていた計画の内容がはっきりした時に同情の余地がある感じか?そう思っていると犯人はまさかまさかの…登場人物になっていない人物でした笑。それを匂わせる数少ないヒントから推理しろはさすがに難しい。。

    「覗き窓の死角」で良かったのは翡翠の過去が少しだけ明らかになり、次作もきっとあるんだろうなと分かった事。ホームズとワトソンの親密な関係、翡翠のドジっ子は素でぶりっ子はオンオフ切り替えな感じは3作品目ともなるとだいぶ分かってきました。次作も期待しています!

    • takaさん
      コメント、ありがとうございました♪
      アンシロさんの本棚を見ると、好きな
      作家さんが多いです。
      今後ともよろしくお願いします
      コメント、ありがとうございました♪
      アンシロさんの本棚を見ると、好きな
      作家さんが多いです。
      今後ともよろしくお願いします
      2023/12/07
    • アンシロさん
      コメントありがとうございます。嬉しいです☆彡

      takaさんも読んでいる作家さんがいるのですね。本棚&感想を楽しみにしています。よろしくお願...
      コメントありがとうございます。嬉しいです☆彡

      takaさんも読んでいる作家さんがいるのですね。本棚&感想を楽しみにしています。よろしくお願いします!
      2023/12/07
  • 忘れてた( ̄▽ ̄;)

    翡翠ちゃん3作目の発売日...

    急ぎ購入し、先程読み終えました。

    「生者の言伝」「覗き窓の死角」の二作がおさめられていましたが、個人的には「生者の言伝」の方がインパクトは強かったです。

    叙述物としては「殺戮にいたる病」(我孫子武丸)が最高峰だと思っていますが、本シリーズにはそれに加えて翡翠ちゃんの魅力が加わりますから、発売を楽しみにしていた方も多いのではないでしょうか。

    勿論、私も翡翠ちゃんの魅力に取り憑かれた1人の読者です。

    そんな翡翠ちゃんが今までと違った側面を見せてくれるのが、書き下ろされた「覗き窓の死角」。

    ここには悩む1人の少女としての翡翠ちゃんが描かれています。

    これもまた翡翠ちゃんなのでしょうが、やはり圧倒的にぶっ飛んでいる方が魅力を発揮できる気がしました。

    invert Ⅱと題された本作、当然ながら見事に騙された訳ですが、単なる叙述物を超える翡翠ちゃんにまた会えるといいなぁ。

    来月スタートのドラマではどんな翡翠ちゃんに会えるのでしょうか。

    楽しみに待ちたいと思います。



    5冠獲得ミステリ『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、発売即重版10万部突破『invert 城塚翡翠倒叙集』に続く、シリーズ3作目!

    反転、再び。

    あなたは探偵の推理を推理することができますか?

    嵐の山荘に潜む若き犯罪者。そして翡翠をアリバイ証人に仕立て上げる写真家。犯人たちが仕掛けた巧妙なトリックに対するのは、すべてを見通す城塚翡翠。だが、挑むような表情の翡翠の目には涙が浮かぶ。その理由とはーー。ミステリランキング5冠『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、発売即重版10万部『invert 城塚翡翠倒叙集』に続く待望の第3作目。犯人視点で描かれる倒叙ミステリの金字塔!


    invert
    in・vert
    【他】…を逆さにする,ひっくり返す,…を裏返しにする;
    〈位置・順序・関係を〉反対にする;〈性質・効果などを〉逆転させる;
    inverted detective story:
    倒叙推理小説

    著者について
    相沢 沙呼
    【相沢沙呼(あいざわ・さこ)】
    1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。『小説の神様』(講談社タイガ)は、読書家たちの心を震わせる青春小説として絶大な支持を受け、実写映画化された。
    シリーズ前作『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は、第20回本格ミステリ大賞受賞、「このミステリーがすごい!」2020年版国内編 第1位、「本格ミステリ・ベスト10」2020年版国内ランキング 第1位、「2019年ベストブック」(Apple Books)2019ベストミステリー、2019年「SRの会ミステリーベスト10」第1位、の5冠を獲得した。

  • うひゃあ

    倒叙ミステリとしてはすんばらしい出来、それは認めます
    トリックも驚き!ってほどではありませんでしたが及第点はなんなくクリアの緻密さ
    まだまだ奥行きがありそうな登場人物たちに、ちょっとづつ明らかになる城塚翡翠の生い立ち
    次回以降も気になるなーる!

    でもちょっと疲れちゃったかも
    彼女のキャラクターにw
    いやね分かるんですよ
    このキャラクターあってこそだってのは
    そしてこのキャラを「演じて」いる理由こそが彼女の持つ謎なんだろうなってことは

    でも3作目にしてはっきりと認識しました
    うひゃあ苦手だ〜って
    真に受けんなよ!って突っ込まれるんだろうけど…
    だめ、無理

    でも、真ちゃんが好きだから次も読む〜(おい!)

    • みんみんさん
      ドラマも見てるんかいʕʘ‿ʘʔ
      ドラマも見てるんかいʕʘ‿ʘʔ
      2022/11/20
    • ひまわりめろんさん
      ドラマは見てないよ〜
      今クールはなにも見てないかな
      ドラマは見てないよ〜
      今クールはなにも見てないかな
      2022/11/20
  • 翡翠ちゃん第三弾。
    第二弾同様に倒叙形式となっている。

    特に面白いなと思ったのは、ミステリの話を交えて展開していくニ話目の「覗き窓の死角」。
    翡翠ちゃんと犯人は、お互いミステリ好きということで意気投合。そして互いの素性を疑い始めた頃、ミステリマニアとして相手の行動を推理する。
    例えば、追い詰められつつある犯人が翡翠ちゃんに対して、
    ・仕向けられた
    ・ただの探偵かぶれが、こんなことできる?偶然?
    ・「人間心理の脆弱性を突くような巧緻な誘導」だ……と感じるところは、ミステリ好きとして何となくにやけてしまう。

    そして犯人の極めつけのセリフ、
    「あまり、あたしのことをナメない方がいいわよ」
    と。
    「いやいやあんたもな。翡翠ちゃんをナメんなよ!」…なんて翡翠ちゃんの肩を持ちたくなる。
    倒叙なら少しは犯人の心境に同情できそうなものだけれど、私はこのキャラが好きになれず。
    なんで翡翠ちゃんはこの人物と友だちになって嬉しかったのだろうか…。
    それにしても「ナメんなよ」って嫌な言い方だわ…ナメんなよ猫を思い出すのは私だけだろうか^^;

    タイトルの「覗き窓」とは、“窓”であるし、犯人のカメラの“ファインダー”でもあるのかな。
    そこから見えてくる真相なのかなと。
    表紙の絵もアレが“覗いて”いてうまいですよね…(※お口にチャック※)
    しかし今回あまり夢中になれなかったのは、翡翠ちゃんの魅力が発揮されていなかったようにも思うし、伏線回収に向けて話がうまくでき過ぎていたように思うし、私が飽きてきたのか…ごめんなさい(*>ㅅ<)՞՞

    • なおなおさん
      おはようございます!

      「こんにゃろ〜」に続き、「ナメんなよ!」なんてつい心の声が出てしまいました^^;
      でも口にしたことはありません、たと...
      おはようございます!

      「こんにゃろ〜」に続き、「ナメんなよ!」なんてつい心の声が出てしまいました^^;
      でも口にしたことはありません、たとえ思っていても…(▼▼メ)
      2023/12/10
    • かなさん
      なおなおさん、おはようございます!
      「なめ猫」懐かしいですっ(*'▽')
      当時いろんなグッズがあって
      「なめ猫」のカードとか、文房具と...
      なおなおさん、おはようございます!
      「なめ猫」懐かしいですっ(*'▽')
      当時いろんなグッズがあって
      「なめ猫」のカードとか、文房具とか、持っていたかも~♪

      遠田志帆さんが手掛けた表紙の作品もそろってきましたね!
      私はこの作品の表紙が一番好きです(*^^*)
      2023/12/11
    • なおなおさん
      かなさん、こんにちは。
      かなさんがなめ猫グッズを持っていたと!?
      ごめんなさい……イメージがわかないのですが^^;
      私はなめ猫グッズ(缶ペン...
      かなさん、こんにちは。
      かなさんがなめ猫グッズを持っていたと!?
      ごめんなさい……イメージがわかないのですが^^;
      私はなめ猫グッズ(缶ペンケースだったかな)を親に捨てられたので、今でも思い入れがあるんですよね。なので「ナメんなよ」と聞くとなめ猫を真っ先に思い出すのです。
      私もこの表紙が気に入りました。翡翠ちゃん、きれいですよね(^^)
      2023/12/11
  •  霊媒探偵として警視庁と連携して捜査にあたる権限を持つ城塚翡翠の活躍を描く連作中編ミステリー。
     『城塚翡翠』シリーズ3作目だが、翡翠の連作倒叙集『invert』シリーズとしては2作目となる。

     なお物語は主に、翡翠と対峙することになる犯人側の視点で描かれる。
             ◇
     夏木蒼汰は呆然としていた。
     目の前には悠斗の母親らしい女性が倒れている。彼女の腹部のあたりには血溜まりができていて、もう息絶えているのがわかる状態だ。そして、自分の手は血まみれの包丁を握りしめていた。
     外は嵐のような豪雨で、まさに風雲急を告げるかのようだ。

    蒼汰は15歳にして人生に絶望してしまった。学校ではいじめの対象にされ、家では母親から虐待される日々。
     どこにも安らぎの場所を見出だせない蒼汰は、ある決心をして家出を決行。悠斗という友だちの親が所有する別荘に忍び込んだのである。

     蒼汰の計画を実行する場所を探すには山奥にあるこの別荘は最適だ。別荘への行き方や合鍵の置き場所は悠斗から聞いて知っている。そして何より、今の時期は別荘を使う予定がないことも聞いていた。
     だから無事に忍び込めたあとは安心したのか、蒼汰は2階のゲストルームで少し眠ってしまっていたらしい。

     目覚めたのは階下の物音に気づいたからだった。蒼汰は慌てて隠れようとして派手に転倒。その音を聞いて駆けつけた悠斗の母親と揉み合いになったところまでは覚えている。
     そして我に返った蒼汰の前には、その悠斗の母親の死体が横たわっていた。

     とにかく、どうするかは手についた血を洗ってから考えようと蒼汰が階下に降りたとき、玄関のインターフォンが鳴った。続いてモニターから窮状を訴える若い女性の声が、甘くて可愛らしい響きをもって聞こえてきたのだった。
       (第1話「生者の言伝」) 全2話。

         * * * * *

     倒叙形式ですが、謎が最後まで明かされない作りになっていて、なかなか読み応えがありました。収録2話の概要を紹介しておきます。


    第1話「生者の言伝」

    舞台は山中の別荘。人生に絶望した15歳の少年がひとり向き合うのは女性の刺殺死体。外では日が落ち吹き荒れる嵐。

     と、なかなかハードなサスペンスミステリーの雰囲気たっぷりの出だしです。
     しかも、主人公の蒼汰の置かれた状況は同情に耐えないほど悲惨です。

     学校でも家庭でも虐げられ、一大決心をして逃げ出せば友だちの母親を死なせてしまったという悔恨に苛まれる。

     うわー、これはつらい話になりそうだなあと覚悟しましたが、翡翠の登場で風向きが変わってきます。

     いつものブリブリ全開で純情な少年を惑わし籠絡する翡翠。そのやりとりはコメディそのもので笑えます。
     キレイなお姉さんに翻弄されながら真っ赤になって照れ、鼻の下を伸ばしてデレと忙しい蒼汰。そしてウブな少年をもて遊びつつ蒼汰のプロファイリングをする翡翠。
     最終的には、蒼汰が懸命になって隠そうとしていた事件ばかりか彼の計画まで見抜いた翡翠が、驚きの真相を解明します。

     胸がすっきりの第1話でした。


    第2話「覗き窓ファインダーの死角」

     ある日の午後。カフェでティータイムを楽しんでいた翡翠は、1人の女性に声をかけられます。その女性の名は江刺詢子。プロのフォトグラファーです。

     詢子は翡翠の自然な佇まいから放たれる美しさに惹かれ、さらに翡翠が読んでいたミステリーのファンでもあったことで、つい話しかけてしまったのでした。
     意気投合した2人は名前や職業、連絡先等の情報を交換するまでになります。
     翡翠にとって仕事絡みでない、生まれて初めての友人でした。

     ところが、詢子はかねて練っていた殺人計画に翡翠を利用しようとします。具体的には翡翠にアリバイの証人になってもらおうとするのですが……。

     本作は翡翠ファンにとって、かなり読む価値があると思います。

     理由の1つ目は、翡翠の素顔がかなり明かされるということです。

     超然とした感じがする翡翠ですが、同性に嫌われることや、そのため友だちができないことを気に病んでいることがわかります。詢子を信頼し心のうちを見せてしまう場面は、これまでの翡翠像とは明らかに異なります。
     そして初めてできた友だちを追い詰めねばならないことに動揺し、葛藤する翡翠の様子は痛々しいほどでした。

     他には、真に対する甘えや依存心は素から出たものであり、ともすれば無防備に思えるようなところも素の翡翠であって、微笑ましく感じました。
     

     理由の2つ目は、翡翠の生い立ちの一端が明かされるということです。

     幼い頃に両親を亡くしていること。
     その後、弟とともにロンドンで育ったこと。
     弟はロンドンで亡くなり天涯孤独になったこと。
     さらにこれらプライベートの事情は真でさえ知らないこと。
     きっと続編以降で、翡翠と警察官僚との関係や、翡翠が殺人に対して見せる厳しい拒絶姿勢、さらに真との出会いのいきさつなども、徐々に明らかになっていくのでしょうね。(早く読みたいです。)


     翡翠の背景が見え始めたことで、1人の人間としての存在感を感じるようになってきました。その意味では、謎解き以上に楽しめる作品だったと思います。

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著者プロフィール

1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。『小説の神様』(講談社タイガ)は、読書家たちの心を震わせる青春小説として絶大な支持を受け、実写映画化された。本作で第20回本格ミステリ大賞受賞、「このミステリーがすごい!」2020年版国内編第1位、「本格ミステリ・ベスト10」2020年版国内ランキング第1位、「2019年ベストブック」(Apple Books)2019ベストミステリー、2019年「SRの会ミステリーベスト10」第1位、の5冠を獲得。さらに2020年本屋大賞ノミネート、第41回吉川英治文学新人賞候補となった。本作の続編となる『invert 城塚翡翠倒叙集』(講談社)も発売中。

「2022年 『medium 霊媒探偵城塚翡翠(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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