invert II 覗き窓の死角

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065286388

感想・レビュー・書評

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  • 2篇とも相変わらず面白かったです。
    今回は翡翠ちゃんの素の顔が少し見えたような気がします。
    器用なんだか不器用なんだか。キャラクターとしての愛着はどんどん湧いてきます。
    表紙に意味を持たせるのも好きなところでした。
    2篇目では結構な頭脳派同士の対決が見られて、倒叙のドキドキ感が良かったです。
    翡翠も犯人もミステリーマニアという設定で、ミステリーに精通しているからこそ巧妙になる仕掛けや腹の探り合いが楽しかったです。
    翡翠自身については謎も残るので、今後のシリーズにも期待したいです。

  • 城塚翡翠シリーズの3作目。2本の中編で構成された本書だが、1本目は他の方も書かれているようにドラマが先行していたので、キャラクターが実在の俳優さんに脳内で置き換わってしまった。すごいな、俳優さん。
    2本目はめずらしく犯人相手に翡翠が大苦戦する。犯人の巧妙なトリックというよりは、むしろ翡翠の自爆ではあるが。

    キャラ立ちした本シリーズだが、実のところ、ミステリとしての完成度はとても高い。論理的で、往年のミステリファンをニヤリとさせる小ネタもあちこちに散りばめられている。 
     
    しかし、世の多くの男性は、それがどんなに美人でも「あらあら、わたしったら、うっかりさん」なんて言いながら舌を出す女性がいたら、苦虫を噛み潰したような顔をしてその場を離れると思うけど…σ(^_^;)

  • アリバイ崩し、死亡推定時刻の推理、トリック
    どれも唸らされました。
    まさか実際の犯行時刻と死亡推定時刻が違うなんて。
    ドラマも良かったですし、真ちゃん最高です。

  • ドラマ化もされ、話題の城塚翡翠シリーズの第三弾。本作は短編1つ、中編1つの2編からなりますが、本のページ数の割にサクサク読めました。

    基本的に翡翠ちゃんと真ちゃんの掛け合いが小気味良いので、微笑ましさもありながらスルッと読み進めれます。

    ミステリーの内容としては倒叙ものかつ、読者への挑戦系の作品なので、推理しながら読むっていう形にはなるのですが、自分があんまり深く考えず読んでしまうタイプなので、そこは肌感が合わなかったのかなと思います。

    しかし、肝心のトリック部分は見事に騙されたなと思ったので、みなさまも推理しながら楽しんでみてはいかがでしょうか?

  • やっぱり一作目が1番好きだけど、これも良かった。翡翠と真ちゃんの絆、翡翠の過去も少しわかって、次回作が既に楽しみ。倒叙ミステリは読んでるとどうしても古畑任三郎が頭をよぎる。

  • 城塚翡翠シリーズの三作目。

    最初の章では、翡翠ちゃんのブリブリがさらにパワーアップしていて、翻弄される少年が若干可哀想な感じ。ちょっとやりすぎかもとも思うけど、このぶっ飛び方が翡翠ちゃんシリーズだよね。
    次の章では一転、「ニュートラルな」翡翠ちゃん。友情と正義に悩みながら事件解決に挑む。

    翡翠ちゃんも好きだけど、やっぱり真ちゃんかっこいいなぁ!優しくて、料理が絶品で、漫画のキャラクターみたいに強い!珈琲淹れるのも上手!ナゾなTシャツのセンスも含めて、素敵。

    そして翡翠ちゃんの過去が垣間見える今回。続きがかなり気になるなぁ。楽しみ。

  • 城塚翡翠シリーズ3作目。
    1話目、好きです。男の子がお姉さんに翻弄される様子がコミカルで良い。読みやすくて、入り口として楽しい。

    2話目はいつもの雰囲気で、翡翠的には心苦しい、まぁそれもいつものことですが。せっかくできた新しい関係が溢れていく様というのは、読み手が思う以上に切ないのだろうなと…でもメインはそこではないですね。
    どこに綻びがあり、どんな糸口から犯人を追い詰めていくのかという部分です。今回も、作中からそれらを見つけていくのが楽しい一冊でした。
    見つけきれませんでしたけど…。

  • 中々辛い物語。
    主人公の人間としての葛藤や、弟の存在、真と翡翠の出会いの経緯、警視庁の方針の謎など、更なる奥行きを見せ始める物語。
    語られていないことがあることで、更なるシリーズの展開が楽しみになる。

    世界公正仮説を信じようとするものとそうでない者の葛藤が描かれる。そして、翡翠の祈りは、戦争に対してどう通じるのかと考えると、余りにも脆くも感じる。

    その辺りまでを射程に入れて、二元論でないところまで、物語は進むのかどうなのかも、興味深い。

    ただ、推理は高度すぎて、今回は全く考えることすらできませんでした。本格の人達の評価はどうなのか、見てみたい。

  • シリーズ3作目!楽しみにしていました!
    翡翠ちゃんのかわい子ぶりっ子(死語…)のキャラに2作目はイラッとしてたんですが、今回はそれがちゃんとキャラとして演じていることがよくわかり、ちょっと安心しました。
    「覗き窓の死角」は圧巻だったな〜。物語の映像が浮かんできて、登場人物が頭の中で動いてました。
    ネタバラしの後半は、毎回よく読まないと分からなくなってしまうのですが、今回は分かりやすかったので納得の読後感です。
    ドラマ化が楽しみですね!

  • 一作目を超える衝撃はない。
    犯人視点での、探偵との推理対決。
    芝犬とお姉様の掛け合いがここでも見られて愉快。このなんともこそばゆい関係性を書くのが上手いな!という横道にそれたところで感心してしまった。
    翡翠の秘められた過去や知られざる秘密なんかはまた次回、かな。

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著者プロフィール

1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。『小説の神様』(講談社タイガ)は、読書家たちの心を震わせる青春小説として絶大な支持を受け、実写映画化された。本作で第20回本格ミステリ大賞受賞、「このミステリーがすごい!」2020年版国内編第1位、「本格ミステリ・ベスト10」2020年版国内ランキング第1位、「2019年ベストブック」(Apple Books)2019ベストミステリー、2019年「SRの会ミステリーベスト10」第1位、の5冠を獲得。さらに2020年本屋大賞ノミネート、第41回吉川英治文学新人賞候補となった。本作の続編となる『invert 城塚翡翠倒叙集』(講談社)も発売中。

「2022年 『medium 霊媒探偵城塚翡翠(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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