ダーク・アワーズ(下) (講談社文庫)

  • 講談社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065302262

作品紹介・あらすじ

ハリー・ボッシュとレネイ・バラード共演最新作。
ハリー・ボッシュとレネイ・バラード共演最新作。
ハリー・ボッシュとレネイ・バラード共演最新作。
ハリー・ボッシュとレネイ・バラード共演最新作。
ハリー・ボッシュとレネイ・バラード共演最新作。

感想・レビュー・書評

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  • 下巻は一気に読めてしまう。
    硬直した官僚主義、事なかれ主義の上司、怠惰な同僚。
    それでもバラードは腐ること無く捜査活動を続ける。
    ボッシュのバックアップによって新たな証人からの情報を基に殺人犯人を追い詰めていく。
    レイプ犯についても街灯への事前工作から次のターゲットを見つけ罠を仕掛ける。
    一連の活動でバラードはロス市警を退職することとなったが、最後に本部長から復職を打診されて終わる。



    二人組のレイプ犯(ミッドナイト・メン)も同夜に犯行を重ねており、バラードは忙殺される。射殺事件でボッシュの協力を得た彼女は、動機の解明につながるギャング団の内通者に接触しようとする。だが、その行動から彼女は警察の暗部を敵に回してしまった――。ボッシュとバラード、孤高の二人が夜のロサンジェルスを駆け巡る。
    ハリー・ボッシュとレネイ・バラード共演第3弾。

    「本書は、コナリー作品のなかでもトップ・スリーに入る。彼の速球は健在だ。アメージングだ」
    ――ショーン・キャメロン/ザ・クルー・レビューズ

    「バラードとボッシュがますますよくなっている……コナリーは捜査を描き、強烈なサスペンスを作りだすことにおいて業界最高のひとりだが、バラードとボッシュの関係──おなじ困難だが重要な仕事に専心するふたつの優秀な頭脳から育まれる仕事上の友情──が、そこに加えられた特典である」
    ――コレット・バンクロフト、タンパベイ・タイムズ紙

    「もっともわくわくさせられる作品であり、警察小説の未来への希望的観測である」
    ――ポーラ・ウッズ、アルタ・ジャーナル誌

    「これは傑作だ」
    ――パブリッシャーズ・ウィークリー誌星付きレビュー

  • 下巻は怒涛のラストへ。畳み掛けるような展開は相変わらず上手。

  •  ジャック・マカボイ、ミッキー・ハラーと続いていたコナリー・ワールドだが、久々にハリーボッシュ&レネイ・バラードの登場でぼくは新年を美味い酒とともに迎えさせて頂いた。美味い酒というのは銘柄とか酒の種類のことではなく、良い物語が美味しくさせてくれる酒のこと。

     今回はタイトルの通り、夜の事件なので主人公役はほぼレネイ・バラードと見て良い作品であった。そもそもハワイからやって来たバラードは、その後の展開で愛犬を失い、ビーチのテント生活から現在は普通のマンションに居を移している。いろいろ初期設定から変化を遂げている。

     彼女の持ち前の捜査勘の良さはさらに鋭さを増しており、ボッシュという大先輩に限りなく近づきつつあるように見える。まわりの捜査スタッフから孤立して正義に生きる一匹狼感には、さらに磨きがかかっており、逆に警察組織自体は、ボッシュの時代よりもさらに乱れて悪化しているかに見える。

     時代は変わる。そう、ボッシュからバラードへ。さらに本書の背景となる時代もリアルに描かれている。時代はコロナ禍の初年度だから、マスク着用は必須。バラードは既にコロナ感染を数か月前に終えていた。ボッシュは未だワクチンを打っていない(彼らしい、かも)。そしてトランプ対バイデンの大統領選挙後の議事堂襲撃事件という本当に逢った異常事態も時代背景となり、きな臭い現在の雰囲気が物語の世界を領している。

     ちなみにぼくはこの作品を大晦日の夜半から読み始めたのだが、思いがけぬことに、物語はまさに大晦日の夜半から始まり、年明けとともに銃撃事件が発生するのだ。まさにバラードの時間とぼくの読書の時間がシンクロしており驚きだった。かなり遅くまで本を読み込み、翌朝、ぼくはバラードと一緒の時間帯に午前と午後を過ごす。彼女の街ではさらにもうひとつの連続侵入レイプ事件が発生していて、こちらの捜査と殺人事件との二つの事件を抱えたバラードを読者は追跡してゆくことになる。

     殺人事件の方では使用された銃弾が、かつてボッシュが携わった古い事件に使われたものと一致することで、バラードはボッシュの協力を必要とする。ヒーローとヒロインのダブル主人公の交錯を作者はこうして果たす。警察内で孤立するバラードは、夜と昼とのシフトを丸抱えしながら、精神的にも肉体的にも限界に近い状況でボッシュと言うもう一人の孤立した仲間とタッグを組んでゆく。罪多き街も、警察という組織内部の劣化も、彼らを包む不幸な舞台装置である。汚れた街をゆく誇り高きヒーロー。ハードボイルドの基本構図。

     本作は終わってみれば、ボッシュの出番がとても少なかったという印象がある。二人のシリーズというよりは、ボッシュはまるでバラードのシリーズの一登場人物のようである。さらに、訳者の古沢さんがあとがきで気になることを書いている。「次作の衝撃的な内容に茫然とした」と。どうかボッシュにこれ以上何かの試練が与えられませんように。われらがハリー・ボッシュをどうかお守りください。もちろんレネイ・バラードのことも。

  • 二人組のレイプ犯(ミッドナイト・メン)も同夜に犯行を重ねており、バラードは忙殺される。射殺事件でボッシュの協力を得た彼女は、動機の解明につながるギャング団の内通者に接触しようとする。だが、その行動から彼女は警察の暗部を敵に回してしまった――。ボッシュとバラード、孤高の二人が夜のロサンジェルスを駆け巡る。
    ハリー・ボッシュとレネイ・バラード共演第3弾。

    36冊目の長編作品。報道されているロス警察の腐敗、そしてコロナ禍の影響は、小説の形で後世にも残り続ける。

    翻訳のペースが本国にとうとう追いついたのは喜ばしいことだ。

  • マイクル・コナリー『ダーク・アワーズ(下)』講談社文庫。

    マイクル・コナリーの36作品目。ハリー・ボッシュとレネイ・バラード共演作の第3弾。

    終盤のレネイ・バラードの活躍は面白い。しかし、そこに至るまでのまどろっこしい展開はどうにも。ボッシュはあくまでも脇役に過ぎず、何とも勿体無い。

    サーファーのバラードを主役にするなら、ドン・ウィンズロウのダニエル・ブーンのようにサーフ・カルチャーをベースにした展開にしても面白かったようにも思う。

    年越しの晩に起きた射殺事件を巡り、バラードはボッシュの協力を得て、動機の解明につながるギャング団の内通者と接触するが、同時に警察組織の暗部に触れてしまう。

    停職を余儀無くされたバラードだったが、単身でミッドナイト・メンと呼ばれる2人組のレイプ犯を追う。

    定価990円
    ★★★★

  • 安定しすぎで濃密さとか驚きは無くなってきたかも。

  • ロス市警の伝説的刑事のボッシュは、いろいろな事件に顔を出してくるわけですが、今回の事件につながる手掛かりにもボッシュは顔を見せます。それで、再び、バラードとボッシュは手を組むようになるわけですけどね。

    それにしても、ロス市警の腐敗というか、怠惰は、酷いですね。これが本当だとしたらLAには住みたくないですね。

    事件を解決した(?)にも関わらず、周囲と軋轢を生んでしまい、バラードはロス市警を去る決意をするわけですが・・・。

  • ハリーボッシュとレネイバラードのコンビ3作目。レイプと殺人の2つの事件がレネイバラード主体で並行してストーリーが進んでいくあたり、流石の筆力で読ませる。いつも通りのクオリティでがっかりすることは決してないが、その面白さは突き抜けてはいない。

  • レネイ・バラードがメインでボッシュの出番はあまり無し。
    巻を重ねるごとにボッシュもおじいちゃんになってきてるし、現場から離れてるせいもあるし、メインで捜査する立場にないのはよくわかるんですが、個人的には昔のボッシュ メインの話の方が好きでした。
    なんだかこのシリーズも段々詰まらなくなってきたかも...
    いっそのこと警部モース→刑事モースみたいに、若かりし頃のボッシュ メインの話が読みたいですー

  • 長年、ボッシュシリーズを読み続けているが、最近Amazon PrimeのBOSCHシリーズも見ているため、読んでいると自然にタイタス・ウェリヴァーが頭に浮かぶ。

    以前、コナリー本人がボッシュのイメージはスティーブ・マックィーンだと言っていた、とどこかの記事に書いてあった。それからマックイーンをイメージして読んでいたが、あまりピンと来ず、途中からクリント・イーストウッドの方がイメージしやすくなった。
    そしてタイタス・ウェリヴァー。はじめはボッシュ役としては違和感があったが、これも慣れなのだろうか。今はボッシュといえばタイタス・ウェリヴァーをイメージする。

    そしてレネイ・バラード。
    ハワイ出身、30代で独身。ハワイ出身ということは原住民の血を引いているのだろうか。
    今ひとつイメージが湧かない。
    物語も女性が主人公の割には全体的にトーンが暗く、夜勤シフトのため常に睡魔と戦っている眠そうなイメージがつきまとう。
    そんなバラードを頭の中のリアルにイメージ付けできる女優が出てきて欲しい。。

    物語は抜群に面白い。バラードのシリーズの中で一番の出来。
    バラードとボッシュの役割が明確になり、この関係がこのシリーズの今後の柱となりそうな予感がした。

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著者プロフィール

Michael Connelly:1956年生まれ。LAタイムズ元記者。代表作としてはボッシュ・シリーズ、リンカーン弁護士シリーズがあり、当代随一のストーリーテラー。

「2023年 『正義の弧(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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