私は女になりたい (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1274
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065310083

作品紹介・あらすじ

一人の男を好きになった。自分にとって最後の恋になるだろう、という強い予感があった。圧倒的筆力で描く直木賞作家の衝撃的恋愛小説。

赤澤奈美は47歳、美容皮膚科医の雇われ院長。カメラマンだった夫とは別れ、シングルマザーとしてひとり息子を育て、老いた母の面倒を見ながら、仕事一筋に生きてきた。ふとしたことから、元患者で14歳年下の業平公平と、事故に逢うように恋に落ちてしまう。心を閉ざすように生きてきた奈美の、モノクロームだった世界が、色と音を持ち始めた。

感想・レビュー・書評

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  • 窪美澄さん、先日に続き2冊目。
    初読みした先日、他の作品も読んでみたくなり書店ウロチョロしていると、
    文庫本新刊という事で山積みになっていたのでコチラを。

    主人公は、美容皮膚科の医師アラフィフ、バツイチ。
    息子、母、元夫、患者、医院内のスタッフ、医院のオーナーとの日常で物語が進んでいく。

    美容皮膚科とはどうゆうことするのか?の内部も少し知れたし、美容整形外科とは違う点も物語の中のポイントとなっているような。

    14歳年下の男性との物語がメインではあるものの、それだけの話ではないところが面白かった!


    窪美澄さんの作品の書き方というか文章が私には合ってるのかスラスラ読めてしまう、3冊目は何を読もうかな。_φ(・_・

  • ストレートなタイトル、気になっていました。女性が社会進出し勝ち上がるためには、並々ならぬ努力が要り、背負い込んだものの大きさに苦悩をも抱えてしまうというお話。バツイチアラフィフ子持ちの美容皮膚科医、奈美。
    ひょんなことで、奈美は14歳年下公平と恋に落ちる。これが最後の恋。もう子供を産むのは難しいと思いつつ、女でいることに執着するきめ細かい描写に、つい胸がギュッとなる。
    更なるトラブルが奈美を襲う。ストーリーの展開はドラマをみているようで先が気になり一寸ドキドキしながら読了。
    奈美の家族関係は、著者自身と重なる部分があるのかな。より気迫を感じました。
    個人的には、息子との関わりがリアルで切なかった。
    この年齢の女性が抱える本音みたいなものが見え隠れし、タイトルのテーマとなり面白かった。

  •  面白かったです。母親年代の恋愛模様?人間関係の話はなかなかないので、新鮮でした。

     偶然にもラストがハロウィンで、読み終わった今日もハロウィンだったので、少し不思議な感覚になりました。

     個人的に公平の元婚約者がどうなったのかが、すごく気になりました。
     

  • この『私は女になりたい』には、女の願いや葛藤が詰まっていると感じました。
    読んでいて少し心苦しくなりました。
    そして、ふと私は思ったのです…。
    私も一人の女として、いつからか「もう年齢的にね…」と、自分にストップをかけるようになりました。
    「衰えたな」と自覚することが日に日に増えていく度に、自信がなくなる。
    果たして…いくつになっても、女でありたいのは悪いことなのか?
    慎むべきなのか?
    みっともないことなのか?
    本当に後ろ指を刺されないといけないの?
    個人的には、すごく考えさせられた作品でした。

  • 女性は、娘、母、女、妻、仕事人、という5つの側面を持っている。そしてその5つの側面は、個人によって割合に違いがある。この主人公は、女と仕事人の割合が多いようだった。自分とは真逆であると感じたが、どの側面も理解できる部分は多かった。特に、自分が娘と女の側面でしかなかった頃には、女の割合がほとんどであったので、女である気持ちは特に理解出来た。しかし色んな側面が共存する「女性」という生き物は、なんて複雑なんだろうと思った。

  • わかりみがすぎる。深すぎる。
    以前シングルマザーだった頃、年下の男の子に僕と恋愛してくれと迫られた事がある。
    対象として見た事もなかったし、子供の方が年齢近いやんかと丁重にお断りしたけれど、やっぱり本音言うと嬉しかったなぁ。
    セフレでもいいからと食い下がってきた時は笑ってしまったけど(笑)
    (↑今思えば気まずくならないように笑わせてくれたのかなと…いやそもそもこっちが目的だったのか?笑)
    お断りした後も何度か顔を合わせる機会があって、なんとなーく、ほんのちょーっぴりいつもより小綺麗にしていた私は、確実に女やったと思う(笑)
    この件に関しては1ミリも後悔とかしてないけど
    あの時こうしていたら…これを選んでいたらば…
    振り返ると私もいろいろあったし、なんだかんだとすっかりおばさんになってきたなぁ。
    間違う事もあるだろうけど、後悔しないように、大切に私の人生を歩んでいきたい。

  • 読み始めから引き込まれ、語り口が静かでゆったりしていて好きな世界観だった。
    女であることをやめたのはいつなのか?というテーマにハッとさせられた。
    奈美と公平の人生最後の恋。大人の恋って自分の想いだけではどうにもならないもんだね〜と後半は歯痒くて切ない気持ちで読んでました。
    奈美は最後はもっと素直になっても良かったと思うよ?嘘をついて別れを切り出す流れは読んでてモヤっとする!!
    でも、ラスト、良かった!
    登場人物もリアルな感じで好きでした!

  • 女になりたい
    妻でも母でもなく女に
    ストレートなタイトルが強い。息子くんがクール過ぎると思ったけど、本当はそれだけじゃなかったのかなと思わせてくれてよかった。

  • 恋愛小説を読んだのは初めてかも。
    恋に年齢は関係ない。お母さんだから恋をしたらいけない?40過ぎたら女じゃなくなるの?
    そんなのに一切拘らず、人間の本質を見てくれる男性は意外に居るって事をシングルになって分かった。女性に産まれたんだもの。最期まで女性でありたい。私も同感!

  • 私は女になりたい。
    なんと生々しくて清々しい題名だことか!

    安定の窪美澄。

    離婚してシングルマザーに、その息子も家を出て一人になった雇われ美容皮膚科医。
    結婚してるとなかなか『女』ってことを意識せず暮らすことになるけど、離婚したシングルマザーってすごく微妙な立場に立たされるのは分かるなぁ。
    夫がいないんだから恋愛するのも合法。だけど子どもがいるとなかなか女でいることに抵抗がでてくるよね。本人はよくても周りの人の目が気になったり。

    本当に周りの人がひどくって。元夫も息子も佐藤さんも。
    でも同じくらい素敵な人もたくさん出ている。

    恋愛を通して女とは女として生きていくには、色々感じるところのあった本でした。



    @手持ち本

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著者プロフィール

1965年東京生まれ。2009年『ミクマリ』で、「女による女のためのR-18文学賞大賞」を受賞。11年、受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、「本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10」第1位、「本屋大賞」第2位に選ばれる。12年『晴天の迷いクジラ』で「山田風太郎賞」を受賞。19年『トリニティ』で「織田作之助賞」、22年『夜に星を放つ』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『アニバーサリー』『よるのふくらみ』『水やりはいつも深夜だけど』『やめるときも、すこやかなるときも』『じっと手を見る』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『私は女になりたい』『ははのれんあい』『朔が満ちる』等がある。

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