メロスの翼

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065314586

感想・レビュー・書評

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  • 感動した。感動した。これほどまでに大傑作の青春ミステリーは読んだことがありません。はじめのうちはミステリー要素がなく単なる青春物語風かと思いましたが読み進めて行くと手に汗にぎる感動作でした。黄色いバトンがラスト近くでいいキーポイントとなりそして「メロスの翼」の題名の深い意味を感じることができるでしょう。そしてあなたも感動して下さい。涙して下さい。震えて下さい。

  • Amazonの紹介より
    第10回静岡書店大賞受賞の横関大が誘う最高の感動。
    世界中の強豪選手が集結した「第1回東京レガシー卓球」。
    会場では、急遽出場となった毛利翼(マオリーイー)という中国の補欠選手が注目を集めていた。
    初戦でいきなり世界ランク3位の選手を一蹴した男のユニフォームには、中国選手のはずなのになぜか日の丸が縫い付けられていたのだ。
    不思議な選手の登場に動揺するテレビ局の中継スタッフが調べると、6年前、毛利翼(もうりつばさ)という大学生が、殺人の罪で逮捕されていたことが明らかになる。カメラに映る男とその大学生は同一人物なのだろうか?
    過去と現在をつなぐ、絆のラリーが始まった。



    中国の選手なのに日本人⁉︎といった興味をそそる展開に、どういう展開になっていくのか楽しみになりました。

    そして過去へ。どのようにして「毛利翼」が形成されていったのか。過去から現在へ。順を追って、様々な登場人物から「毛利翼」がどんな人物だったのか語られています。紐解いていくにつれて、垣間見る友情の深さがとても良かったです。
    ある理由から、児童養護施設に入ることになり、そこから学校へ通っていくのですが、翼の溌剌さや周囲に対する優しさが伝わっただけでなく、スポーツとしての能力も発揮していて、これが現在に至っているんだと思っていました。

    ところが、後半からは雲行きが怪しくなります。横関さんの作品はミステリー作品を多く書いているので、今回はないのかと思っていたのですが、やはりありました。

    続いていく悲劇の連鎖は、まぁため息をつくばかりでした。
    それまで、青春と感じさせた雰囲気でしたが、どんよりとした雰囲気に変わっていくことにちょっと驚きでした。

    ある事実を知った瞬間、「どういうこと!?」と興味をそそる一方で、過去に起きた真相に読んでいて辛かったです。

    どうにかできなかったのか?その言葉が、頭の中をずーっと掠めていました。今まで作り上げていた友情が、悲劇を産んだことになんとも複雑な気持ちになりました。

    そして、過去の真実と現在の真実が合わさっていきますが、もう涙を誘う展開にジーンときてしまいました。
    犯罪が絡むので、素直に喜べない部分もありましたが、「友情」の深さやあり方の素晴らしさを感じました。

    今までの集大成かのような色んな要素が絡んでいく現在パートでの試合の模様に涙を誘いました。
    これから、みんなどう「毛利翼」と接していくのか?
    良い人生を歩んでほしいと思いました。

  • 熱い友情の物語。対照的な2人の人物を軸に卓球を通して繋がれるバトンに感動した。正直、展開の強引さやキャラがバタついている感はあるがそれ以上にこみ上げてくるものがある。特に翼と啓介が初めて出会う小学校編が素晴らしい。これぞ青春小説!というものを見せつけてもらえた気がした。後、卓球という競技に向き合う姿勢がとても真摯だったと感じた。そこは予定調和とならず中国が当然に強いものとして描かれスポーツとしての過酷さも十分に書かれていたように思う。横関さんはさっぱりしたイメージのある方だったが印象変わりましたよ。

  • 個人的には星100個あげたいレベルで横関さんの本の中でも大好きなタイプのお話だった。『チェインギャングは忘れない』『スマイルメーカー』『ピエロがいる街』が好きな読者であれば今作もおそらく好きなのではないのかな、と思う。単純な殺人事件によるミステリーではなく、人間ドラマにミステリー要素が含まれるようなお話であり、これぞ横関さんと唸らせる傑作だった。後半からページをめくる手が止まらなくなり、気づけばあっという間に300ページを読破していた。

    物語は現代から始まり、過去と現代を交互に行き来しながら謎が紐解かれていく仕組みになっている。現代では「東京レガシー卓球」という世界中の卓球の猛者が集結した大会が開催されており、その中には中国の補欠選手である毛利翼(マオ・リーイー)が出場していた。しかし、彼が着用する中国代表のユニフォームの背中には小さな日の丸が縫い付けられており、それを目撃したテレビ中継のスタッフは動揺する。さらに、彼の名前である毛利翼を日本語読みすると「もうり・つばさ」となり、それは奇しくも6年前殺人容疑で逮捕された大学生と同姓同名だった。彼はいったい何者なのか、そして日の丸を背負っている理由は?それを追究していくのだが、これ以上書くとネタバレになってしまうのでぜひ読んでいただきたい…

    この物語を通して、毛利翼の人生は様々な人がバトンを繋いだ結果形作られていく。最初に彼を助け、いつも不意に現れる謎のイケメンである羽根(好きです)、卓球を教えてくれる啓介、中学で出会う美玲。そしてバトンが巡り、最終的に大会で翼の手元に戻ってくるような構造になっているのがとてもいい。最後は晴れやかな気持ちで終わり、ウルっときてしまうのも100点満点だった。

  • 世界中の強豪選手が集結した「第1回東京レガシー卓球」。
    会場では、急遽出場となった毛利翼(マオリーイー)という中国の補欠選手が注目を集めていた。
    初戦でいきなり世界ランク3位の選手を一蹴した男のユニフォームには、中国選手のはずなのになぜか日の丸が縫い付けられていたのだ。
    不思議な選手の登場に動揺するテレビ局の中継スタッフが調べると、6年前、毛利翼(もうりつばさ)という大学生が、殺人の罪で逮捕されていたことが明らかになる。カメラに映る男とその大学生は同一人物なのだろうか?

    翼の人生が切なすぎる。
    色色無理な設定はあるものの一気読みしてしまった。

  • あざといというか、イケメン仙人にしろちょっと出来すぎだと思いながらもラストはまんまと泣かされた。
    映像化されそう。

    ストーリーは展開が多い分、結びが多め重複箇所は読み飛ばししてしまう箇所もあったけど、手紙とバトンはヤバかったな。あとインタビュー。メッセージ性も好きです。

  • 不可解な謎は解けて行きます。
    面白い事は面白いが自分には理由が理解出来ないですね。
    共感出来ない。
    走れメロスの卓球版なのかな。

  • あぁ〜よかった。
    面白くて一気読みした。
    この本に出合えてよかった。

  • ミステリー色は薄めでした。

  • 過去と現在を行ったり来たりで展開が見えなかったが、最後にテーマが友情だと分かった。なかなか読み応えがある作品だった。

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著者プロフィール

1975年静岡県生まれ。武蔵大学人文学部卒。2010年『再会』で第56回江戸川乱歩賞を受賞。著書に『ルパンの娘』『ピエロがいる街』『沈黙のエール』『チェインギャングは忘れない』『スマイルメイカー』『グッバイ・ヒーロー』『炎上チャンピオン』『仮面の君に告ぐ』『いのちの人形』などがある。

「2023年 『ゴースト・ポリス・ストーリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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