魏武注孫子 (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065329245

作品紹介・あらすじ

■英雄たちが読み継いできた『孫子』は、曹操が定めたものだった!■□1800年受け継がれた”スタンダード”□「三国志」の激戦を戦い抜いた「魏武」曹操が、自らの軍事思想を込めて全篇にわたって付した注とともに校勘したその全文が、いまここに明らかに!読みやすい現代語訳に、懇切な語釈を付した全訳注。曹操が実践の応用に足るように定本をつくったからこそ『孫子』は現代まで兵法の根本として重んじられてきたことが、よくわかる!さらに、曹操や諸葛亮ら英傑たちが、戦場において孫子の説く兵法をいかに具体化させたかを分析する「実戦事例」も掲載。『孫子』の真髄がより具体的にわかるようになり、さらには「三国志」の世界もより深く理解することができる画期的全訳。*本書は講談社学術文庫のための訳し下ろしです。【本書より】曹操は、『孫子』の本文が持つ意味を深め、自身の解釈に合うような校勘をしながら、そこに自己の軍事思想を込めたのである。『孫子』は、これ以降、曹操が定めた本文を基本とした。……曹操の存在無くして、現行の『孫子』を考えることはできない(本書「解題」)【本書の内容】始計篇 第一【実戦事例一 白馬の戦い1】【実戦事例二 烏桓遠征】作戦篇 第二【実戦事例三 官渡の戦い1】謀攻篇 第三【実戦事例四 赤壁の戦い1】【実戦事例五 下ヒの戦い】軍形篇 第四【実戦事例六 官渡の戦い2】兵勢篇 第五【実戦事例七 白馬の戦い2】【実戦事例八 合肥の戦い】【実戦事例九 呉の平定】虚実篇 第六【実戦事例十 蜀漢滅亡】軍争篇 第七【実戦事例十一 諸葛亮の外交】【実戦事例十二 夷陵の戦い】【実戦事例十三 博望坡の戦い】【実戦事例十四 穣城の戦い・ギョウ城の戦い】九変篇 第八【実戦事例十五 五丈原の戦い】行軍篇 第九【実戦事例十六 諸葛亮の信】地形篇 第十【実戦事例十七 泣いて馬謖を斬る】九地篇 第十一【実戦事例十八 第一次北伐】火攻篇 第十二【実戦事例十九 赤壁の戦い2】用間篇 第十三【実戦事例二十 孟達を誘う】原文解題曹操の生涯年表

感想・レビュー・書評

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  • 理論と実践が並んでいて読みやすい。孫子はちゃんと読めていなかったのだけれどもこれはよいですね。

    理論家の孫子と、中国が生んだ軍事と政治と芸術の天才である曹操の解釈が組み合わされており、理解が深まります。

    無形で勝つ、戦で将がしてはいけないこと、風林火山の解釈などが特によかった。さらに三国志時代の実際の戦いの概説もある。必ずしも曹操が勝てたわけでもない、というのがさらに興味深い。

    組織マネジメントの参考になるし、何より生き方の指針になりそう。良書でした。

  • 曹操が自らの戦勝体験をもとにした一文などは肉声を聞くようで興味深かった。古典の註釈は読み手が多いほど様々な解釈があり得るが、結局(孫子が著されてから)数百年後の曹操の版がメインとなったのは、豊富な戦場体験と文学的素養を合わせ持った、稀有な人にのみ成し得た仕事ということ。数々の戦に勝った実績が孫子実践の賜物だったなら、これほど書物に箔をつける事実は無く、その意味では世紀を経た共著と言って良いのかもしれない。

  • 勝ちやすいやり方、パターンがある。
    敵味方は、どちらがそのやり方に則っているか。
    こちらが有利なのであれば、戦う(勝てる)
    そうでないなら負けるから、戦わない。

    敵を知り己を知るだけでなく、
    定石をしり、敵と己を比較する、なのかもしれない。

    状況は、刻々変わるので、情報をとる。
    相手が自滅するように仕向ける。
    利益を与えて、とりにいかざるをえなくする、など。
    兵は詭道なり。


    曹操は、なぜ、孫子の注釈をつけたのだろう。
    自分の思考回路を示したかったのではないか。
    自分と同じ思考ができる人間が増えれば、
    それだけ仕事が進む。
    でも、他国には渡したくないものだったのではないか。

  • 孫子に曹操が注をいれているというなかなか凄い本。
    読み下しや原文もあるし解説もある。
    前文と解説にダブりが多い気がするけど読む前の準備と読んでから改めてと思えばありかな。
    目標を持った組織やチームを差配する人向け。
    その中に役割があるなら差配される側が読んでも役に立つと思います。

  • 東2法経図・6F開架:B1/1/2783/K

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